※ちなみに去年はこれが初センイルお話しでした
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『アッパ!バスの時間だよ!』
『あぁ。もうそんな時間か』
リュックは...持ってるか。一足早く玄関でスタンバってるリョウクを見て、苦笑いする。もぅ靴もきちんと履いている。昨日、届いた。プレゼントの
『忘れ物はないな』
うん。あと、アッパ。おぃおぃ、アッパは忘れないでくれよ。へへ
廊下に出て。リョウクの小さな手が。俺の指先をしっかり握る
幼稚園のバスが停まるところまで。短いけどデートの時間だ。俺と天使との
リョウクが生まれたときのことは忘れない。天使だ。俺のところに天使が降りてきた。俺のいかつい顔とは似ても似つかない。信仰の賜物かと神に感謝したくらいだ
リョウクを預けられるようになると。リョウクオンマは早々に仕事に復帰した。そして。自分のキャリアアップのために留学したいと切りだした。それは結婚前からの望みで。彼女のためになるなら、協力は惜しまないつもりだった
《今後のために、リョウクも連れていきたい》
それも異論がなかった。まだまだ、学歴優先主義の我が国では。小さい頃から、留学する子も少なくない。異文化や外国語に触れることも良いだろう。ただ、本人の意思を尊重したくて。リョウクにどうしたいか、聞いてみた
『ボク、アッパといる』
これには、ふたりともびっくりした。留学どうこうはさておき。オンマと一緒がいいに決まってると、思っていたから。アッパはリョウクのお世話はできないのよ?何でも自分でやらないといけないのよ?自信あるの?
『自信あるもーん!』
高らかに放ったリョウクの一言に、二人で顔を見合わせた
それから、リョウクとの二人暮らしが始まった。元々手のかからない子だったけど。寝坊をしたことも、忘れ物をしたこともなぃ。俺が準備しなくても。自分で用意して、玄関で俺を待つ。尚且つ、俺の世話もしてくれる。朝食の手伝いや、掃除も洗濯も。迂闊に、その辺にスーツをほっぽりだしていると。シワになると注意されるくらいだ
帰りは、シッターさんに迎えに行ってもらって。シッターさんが帰るまでに、俺が帰れなければ。アパートに常設されてる託児所にいる
『きょうははやくかえってこれるの?』
もちろんだよ。上目づかいで見上げるリョウクに向かって、ウィンクをする。今日はリョウクの誕生日だ。リョウクオンマは帰ってこれないけれど。だから昨日、プレゼントが届いた。いま、リョウクが履いてるその靴だ。そのかわり夜。ビデオ通話で、一緒にお祝いをすることになっている
ふだんからビデオ通話はしてるけど。誕生日となるとやっぱり格別なんだろぅ。少しスキップをするように歩きだしたリョウクを、微笑ましく眺める
俺の天使。誕生日おめでとう
生まれてきてくれてありがとう
《うくたん、ちゅかへ》
※センイル記念なのに、ウクたん割合の低さよ(⌒-⌒; )
※あ、名前出てきませんが、アッパはシウォンです
※きのーの最終更新です