気がついたら自分ちにいました。泣いて泣いて泣いて...あんな笑顔を向けられたあの子がうらやましくて...ボクに向けられるのは...そう...ちょっと困った顔...いつも...そう...
やっぱりボクじゃだめだったのかな...何がいけなかったんだろ...ヒョクチェはきっとやさしーから言いだせないんだ...
でもボクからなんて言えない...離れるなんてできなぃ...どうしよ...どうすればいんだろ...
部屋がくらくなっても。うごく気にならなくて。ちかちか点滅してるのは、スマホかな...ヒョクチェかな...待ちあわせしてたもんな...約束やぶっちゃった...おこってるかな...でも...でも...
てぃろりーん。ドンへ?いるのか?
ひょ、ひょっちぇ...どんどん!ドアがたたかれる。ドンへ?いるなら返事しろ!
あ...う...泣きすぎて...声が...それに...ひょっちぇ...
戸惑ってるうちに静かになってしまって...ひょっちぇ...かえっちゃったかな...もう...おわりなのかな...
ぴっぴっぴっぴっ
てぃるりるり
ドンへ!ドアが開いて。ひかりが満ちる。ひょ、ひょっちぇ...
『ドンへ!お前、何で電話でねーんだよ!』
ひょっちぇ...きてくれた...ぅぇ...ドンへ、どうした?何で泣いてる?どこか痛いのか?怖いことでもあったのか?
あ...う...ぅ...ドンへ...くるしーくらい抱きしめられて。あちこちまさぐられて。ドンへ...何があった?ちゃんと教えてくれなきゃわかんないだろ?
な、何もないけど...こ、こわぃ...ぃぃ
『何だ?何が怖いんだ?』
ん?ちゃんと目を見て。やさしく問いかけてくれる
『ひょ...ひょっちぇが...』
声がふるえる。ん?俺が?ここにいるだろ?ん...ぅぅ...ひょっちぇが...離れてくのが...こわぃ...ドンへ...きれーなアーモンドアイを見開いて。こんなときでさえ。見惚れてしまう...
『ぼ、ボクのこと...もう...見てくれてない気がして...』
で、でも...どーしていーか...ぇぅ...わかんなくて...ぅぅ...ドンへ...ヒョクチェの身体から力がぬける。ひょっちぇ...ぼ、ボク...
『ドンへ...』
俺たち...ぁ...
『別れようか...』
ひくっ。息が止まる。ヒョクチェのくちびるが。ゆっくりと。やっぱり...だめなんだね...目の前が真っ暗になった
《つづく》
※きのーの最終更新です