※休学中のドンへはおもてなし喫茶《House party》でバイト中

 

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その日は執事のシフトだった

 

あ。きょろきょろとおちつかなく店内を見まわす目。ウニョクさんだ

 

もちろん執事の俺には気づかない。個人の指名はできないから。メイドか執事か選べるだけで。ウニョクさんは当然メイドを希望するわけで。俺が...ってゆーか、トヘがいないかさがしてるのかな

 

オーダーを通しに裏に入ったら

 

『あ、ヒョン』

 

お、リョウク。ヒョンの執事姿見るの久しぶりだ!今日もかっこいいね!あはは...そーいわれても...こーゆーのいまだに慣れない。まだトヘんときに《かわいーね》ってゆわれたほーが楽だ

 

もぅ...なんだよ。急にほっぺたをぷっくりふくらませるから

 

『ボクにも今日もかわいいねって言ってくれなきゃ!』

 

女子か!リョウクにかなわないなって思うのはこーゆーとこだ。女子より女子。あざとかわいいのお手本のよーな。いい意味で

 

『またヒョンのことさがしてたよ』

 

ウニョク様。きょーはリョウクがついてるんだ。うん。見てておもしろいよね。あのひと。小動物みたいで。リョウクのほーがよっぽど小動物みたいなのに...

 

《はやく常連になりたいみたいだよ》

 

《常連》になれば指名ができる。以前、リョウクがついたとき、システムについて事細かに聞いてきたらしい

 

《うちっていい料金するでしょ?学生だからちょっと大変かもって思ったら、実家だし、ほかに遊んだりしないから少しは余裕があるって》

 

お酒もたばこもやらないしって。それを聞いたとき、あたまをがつんとなぐられた気がした。ずっと見ようとしてこなかったこと。考えまいとしてきたこと。おない年で。おなじ大学で。かたや休学して生活費を稼ぐためにこの店で働いて。かたや親の金でその店で遊んでる。誰のせいでもない。でも誰かのせいにしたかった

 

現実をつきつけられる気がして、俺はウニョクさんにつくのを避けるようになっていた。あえて執事のシフトを増やしたりして

 

『紅茶、さめるぞ』

 

あ、いっけない!リョウクがあわててティーポットとカップをのせたトレイをもっていく

 

リョウクとウニョクさんがたのしげに話しているのを見て、そっとため息をついた

 

 

 

《つづく》

 

 

 

※きのーはこれだけ( ̄・ω・ ̄)←スマホを家にわすれたから←かえってきて大捜索して力つきた←まじでうっかり洗濯機につっこんだかとおもった...