泣きくずれたドンへの手をとる。あの日はつかめなかったその手を

泣くな、ドンへ。お前はわるくない。逃げたんだ。俺が。階段からおちたのは事故だ。とっさにあたまをかばったんだろう。運よくケガをしなくてすんだ。自分の身体をやわらかさをほめてやりたいくらいだ。ほんとによかった。ケガなんてしてたら、ドンへがよけーな負い目をかんじるとこだった

ひ、ヒョクチェ...

ふるえる身体をだきよせて、そのなで肩にあごをのせた

ヒョクチェ...おこって...ないの...?

なんでおこるんだよ。だって...俺...たすけよーとしてくれただろ?病院でもずっとついててくれたんだろ?

それに...俺につたわるくらぃ...こころがいたかったんだろ...
 
ねむっていた俺をみちびいてくれたのは、この手だ。この声だ。このぬくもりだ

ヒョクチェ...ゆるしてくれるの...?

身体をはなして、ゆらゆらゆれるドンへの目をまっすぐ見つめる

ゆるすもゆるさないも...俺のほーこそ...逃げてごめん...見損なったんじゃないか?そんな俺でもまだすきでいてくれるか?

うん。すき...だいすき...ん...ありがと

ふぇっふぇっとむせびなくドンへの身体をあらためてひきよせて、形のいいあたまをなでる

お前...俺に全部くれるんだろ?

あ...うん。ぐずっ。あげる。何でもあげる...

じゃぁちょーだぃ。お前のぜんぶ...

うん...

ありがと...


《完》

※予定よりオーバーしましたがおわりましたー
※さいご、おきまりでちゅーしよーとして、校内であることに気づきました(・・;)←なので自主規制

※きのーの最終更新です