ドンへ side
夜になって、ヒョクチェが《おやすみなさい》の電話をかけてきた。よっぽどたのしかったのか、興奮気味にあれこれはなそーとするのを、なだめて電話をきった。声がきけてちょっとほっとした。ちゃんとねれるのかな。でもいつもそーだよな。直前まできげんよくはなしてたとおもってたら、すとんとねる。こどもっておもしろい。こんな経験ができるなんておもってもみなかった
ヒョクチェがいないだけで、みょーに家の中がしずかでひろくかんじる。夕飯をつくる気にもなれなくて。ラーメンつくって
ひさしぶりに作業部屋にはいる。俺は以前、音楽業界に身をおいていた。ヒョクチェをそだてることをきめたとき、実家の写真館を継いだ。カメラはむかしからすきだったから
表舞台にたつことはなくなったけど、たまに作曲の依頼がある。最近、つくる音がちょっとかわった、なんてゆわれる
依頼されていた曲をしあげて。ヒョクチェがいるときはなかなかまとまった時間がとれないから。これはあしたおくればいーや
ヒョクチェがお風呂でてきとーにうたううたをたわむれに音にして。キュヒョンくんちでもうたってるのかな。キュヒョンくんもうたうまいしな
わがままゆってないかな。ちゃんとねてるかな
かんがえるのはヒョクチェのことばかり
笑顔をいてほしーけど
どこかでのぞんでいる
俺をさがしてないていることを
俺を恋しがってほしーと
いつまでも俺をもとめていてほしーと
《⑧につづく》
※きのーの最終更新です