ヒョクチェ side



ことしもふたりで。教会に行く


しろい息を吐きながら、外で祈りを捧げて。牧師様に招かれて、お茶をいただいて


いつものよーに、ドンへの近況報告がおわって。牧師様が俺に目配せした


うなづいて、牧師様の前にひざまづくと。ドンへもきょとんとしながら。俺に倣う


『イ・ヒョクチェ』

はぃ。ドンへが。俺と牧師様を、きょろきょろと交互に見つめる

『イ・ドンへ』


は、はぃ…名前を呼ばれて。あわてて返事をする


『あなたたちは、病めるときと健やかなるときも

お互いを愛し、慈しみ、助けあうことを誓いますか』


ドンへが。はっと俺の顔を見たのが。視界の端に入った


『誓います』


右手をあげて


『ヒョクだめだ!』


その手を。ドンへがつかむ。これはだめだ!ぶんぶんと首をふって。ドンへ...


『牧師様も、止めてください!』


牧師様の膝に取りすがる。だめなんです...こんなの...許されない...声をふるわせて


『ドンへ!』

ドンへの肩をつかんだ俺を、牧師様が制した。そして。ドンへの頭をぽんぽんとたたくと。部屋を出ていってしまった


泣きくずれるドンへを。抱きしめよーとするのを、おしのけられた。そんなことされたの、はじめてだ...ドンへ...


『ヒョク、なんで?なんでこんなこと...』


俺に...俺に、なんもゆわないで…何でって?


『ドンへも...』


ドンへも。俺と同じ気持ちだと思ったから。ずっと一緒にいてくれると思ったから


『違うのか?俺の思い上がりか?』


ち、ちがくないけど...で、でも...ぐしっとなみだをぬぐう


こんなのはだめだ…』


こんな...ヒョクをしばるよーなこと

『誰が誰をしばるって?』


ドンへの肩をわしづかむ。俺の意思だ。それをお前は信じないのか?信じてくれないのか?それとも

『俺がお前をしばるって...思うのか?』


ドンへがふるふると首をふる。その拍子に。ながいまつげに留まっていた涙が、こぼれおちた


お前が誓えなくてもいい

俺は誓う


牧師様がおいていった指輪を手にとる


ドンへとずっと一緒にいるって

ドンヘに誓う


俺はドンへの目の前で、自分の左手の薬指に指輪をはめた


ヒョクドンへが。しゃくりあげながら、俺の指輪におずおずと触れる


ドンへの分の指輪を手にとると。ドンへがあわてて、両手を身体のうしろにかくす


『ムリになんてしねーよ』


ポケットから、レザーコードをだして。指輪をとおして、ドンへの首にかけた


『お守りだと思って持っててくれないか』


ドンへのことを思いながら選んだんだ


でも瞳を揺らすドンへをだきしめる


ごめんな、びっくりさせて


ううんヒョク、ありがと。ほんとはほんとはうれしぃ


でも...でももーちょっと待って





《Merry  Xmas》


※きのーの最終更新です