『ガキが遊んでる時間じゃねえな』
あわてて振りかえると見慣れた顔
『なんだシウォンか。ビビらせんなよ』
ふざけてるわりにつかまれた腕がいたい
シウォンには以前バイトしてるところを見つかって、『俺のシマでバイトするなんていい度胸してるな』とからかわれたことがあった
黒いシャツにスラックスのシウォンはますます高校生なんてには見えない
若い衆らしくスカジャンくらい着ろよ
『マジでこんなとこフラフラしてんのやめとけよ』
補導でもされたらまずいだろ
バイトもしてんだし
『あー、ちょっと生徒会長見かけて…』
『生徒会長?イ・ドンへか?』
『うん。前もこのあたりで見かけて…なんかあやしーおっさんと一緒にいたからちょっと気になって…』
そーゆーとシウォンの顔色が変わる
『どっち行った』
向こう…
シウォンとやり取りしてる間にすっかり見失ってしまったけど
シウォンは俺が指さした方向をにらむと
『お前はここで待ってろ』
連れていた学校にいるのとはまた違う取り巻きをうながしてはしりだした
《⑦につづく》