病院から初の呼び出し | 大腸ガンで逝ってしまった双子の妹の451日の闘病記録

大腸ガンで逝ってしまった双子の妹の451日の闘病記録

2022年8月に54歳の若さで大腸(横行結腸)ガンにより逝ってしまった双子(二卵性双生児)の妹の闘病生活を兄目線で想い出しながら記録として残します。

2022年7月31日(日)10:30 【自宅にて】

 

この日は9:00頃に起床し、テレビで日曜の朝番組を見ながら朝食を取っていた時の事だった。

 

私のスマホから急に電話の呼び出しコールが鳴ったので、画面を見ると登録してあった『G研有明病院』の文字が見えた。

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看護師:「こちらG研有明病院の緩和ケア病棟の看護師のXXと申します。

 

先ほどXX(妹の苗字)さんが大量に嘔吐され、それに伴い血圧と酸素濃度が低下しました。

 

少し危険な状態だと思われますので、出来るだけ早くこちらにいらしていただけますか?」

 

オレ:「分かりました。出来るだけ早く向かいますが、今はどんな状態ですか?」

 

看護師:「いまは処置をして落ち着かれており、状態を見ている状況です。」

 

オレ:「分かりました。これから準備して1時間ほどで着けると思います。」

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この後、すぐに着替えて妻と二人でタクシーに飛び乗りG研有明病院へと向かった。

 

1時間後、病室へと入った私たちは妹がスヤスヤと寝ている姿に安堵したが、同時に嗅いだことの無い変なニオイに一瞬戸惑った。

 

妹はこれまでと変わらずベッドに寝ていたが、鼻からチューブが出てベッドに脇にあるビニールパック?に繋がっており、見たこともないような黒色と緑色が混ざったような液体がチューブの中を満たしていた。

 

ちょうど巡回に来た看護師さんに聞いたところ、朝方に体位交換を行った際に大量に嘔吐したので、胃の内容物を吸い出すための処置とのこと。

 

妹はここ最近はほとんど食事らしい食事を取れていないので「嘔吐するものがあるのか?」と聞いたら、腫瘍が増大した影響で下腹部の消化器官が圧迫されており胃の中に胆汁などの消化液などが大量に溜まっており、それらを嘔吐して一時的に血圧や血中酸素濃度が低下したとのこと。

 

これらの胃内容物を体外に誘導して胃内の減圧を図ることで嘔吐を軽減し、さらに嘔吐による誤嚥を予防する目的で『経鼻胃管』と呼ばれるチューブで胃の中の物を排出しており、この異様なニオイは胆汁のニオイだとのこと。

 

我々と看護師さんの話声で目を覚ました妹に声を掛けたところ、声はか細かったが何とか「今は落ち着いて大丈夫!」との返事があったので胸を撫で下ろした。

 

この後、看護師さんと話をしたが「2~3日は目を離せない状態」とのことだったので、近くのホテルを手配し泊まり込みの準備をした。

 

結果的に7月31日(日)~2泊して様子を見ていたが、I先生いわく意識もしっかりとあり小康状態を保っているとのご判断だったので、8月2日(火)の夜に自宅へと帰宅した。

 

天に召されるまで残り17日