7月末に起きた変化 | 大腸ガンで逝ってしまった双子の妹の451日の闘病記録

大腸ガンで逝ってしまった双子の妹の451日の闘病記録

2022年8月に54歳の若さで大腸(横行結腸)ガンにより逝ってしまった双子(二卵性双生児)の妹の闘病生活を兄目線で想い出しながら記録として残します。

本日は7月中~下旬にかけて起きた出来事をお話しします。

 

【7月中旬~】

7月12日に無事に54回目の誕生日を迎え、また他の病院への転院の危機も無くなったが、お腹の中の腫瘍が増大している影響で胃腸系の臓器も圧迫され、その影響であまり物を食べられなくなってしまっていた。

 

病院食としてはリンゴジュースなどの飲み物や五分粥と少しのおかずだけが出ていたが、おしんこの盛り合わせ、スイカやアイスなどを食べたいとリクエストを受け、それらを買っていくと美味しそうに食べていた。

 

他には『人生最後の晩餐』の記事でも紹介したがカニが大好物だったので、さすがに生モノは夏ということもあり食べさせられなかったので、スーパーで売っている『ほぼカニ』を好んで食べた。

 


【7月下旬~】

少しの固形物を食べただけでも嘔吐してしまうことが増えたので、固形物は全般的に禁止となってしまった。

 

また痛み止めに飲んでいたロキソニンなどの飲み薬も中止となり、身体に直接貼るタイプへと変更となった。

 

7月25日(月)

会って会話する際は特に問題なかったが、LINEでのやり取りにおいて誤字が目立って増えてきた。

 

7月27日(水)

妹本人も「物覚えが悪くなってきた」と自覚症状を訴えるようになった。

 

病室内ではiPadを使ってhuluなどでドラマや映画を楽しんでいたのだが、使用していたiPadはAppleペンシルには非対応の旧型であった。

 

私はAppleペンシル対応の新型を持っており文字が書けることを紹介したら「私もしゃべれなくなったら、主治医とiPadとAppleペンシルを使って筆談したいから新しいのが欲しいと言い出した。

 

妹の発言や思考内容に違和感があり、何だか認知がおかしくなってきたと感じる。

 

7月28日(木)

とても使いこなせないと思ったが、あまりにも強くせがむのでしょうがなく新しいiPadを買っていくと、今度は使いこなすためにiPadの解説本を買って来いとリクエストが出た。

 

7月29日(金)

iPadの解説本を買っていくと嬉しそうに「これで頑張って勉強するね~」と喜んでいたが、結局この本が読まれることは無かった。

 

この日の夕方より、急激に意識レベルが落ちてしまい本人も「何か上手くしゃべれなくなっちゃった」と言ってきた。

 確かに本人が言うように何だか呂律が回らなくなって来たと感じた。


また、もうスマホを持つ腕力も無くなってしまったので、LINEでのやり取りもこの日が最後となった。

 

16:00~I先生に呼ばれ説明を受けた

 

※自分が診察に付き添った時は必ずスマホで先生の説明を録音していたので、そのデータから文字起こしした診察室でのおおまかな会話内容です。

 

I先生:「今週に入ってから少しずつ意識のレベルが落ちて来ていてちょっと眠る時間が増えてきていますし、お小水の量も減って来ているという状態にありますので、本日より面会制限を緩めさせていただきたいと思います。

 

これまで面会時間が『14~17時までの間で一人1時間まで』であったのが、『9~20時までの間で無制限』と大幅に緩和された。

また、状態が思わしくない場合は、1人だけ24時間寝泊り可能となった。

 

今が妹さんとコミュニケーションがしっかりと取れる最後のタイミンングかも知れませんので、今のうちにたくさん会話してあげてください。

 

もしかすると、ここ数日で眠る時間がぐっと増えて来るかもしれません。

 

やっぱりお腹の張りもかなり強い状態で腸壁もかなり固くなっていますので、腫瘍の浸潤が強く出ているんだと思います。

 

この状態でいま痛みが無いのはすごく珍しいことだと思いますが、ここから先に急激に痛みが出てくることはあり得ない話ではありませんので経過を見守っていこうと思います。

 

また、呼吸の方もちょっと苦しそうに見えるんですが、お腹の中の腫瘍がせり上がって来ている関係で肺の方も圧迫されていて十分に肺を膨らませるスペースが少なくなっているんだと思われます。

 

これからもっと苦しそうになるのであれば、鎮痛で眠って頂くというのも一つの手段かと思います。」

 

オレ:「分かりました。この状態になってしまうと、残された時間はあとどのくらいと考えれば良いでしょうか?」

 

I先生:「私たちの予想よりも長く良い時間を過ごされていますので何とも言えないのですが、これから急変する可能性と言うのはいくらでもありますが概ね1週間から10日前後で状態は大きく変わると思います。

 

これからは眠っている時間が長くなってくると思いますし、最後の方は声を掛けても目を覚ますことも無くなってきますので、今の段階で面会緩和の措置を取らせていただきました。」

 

オレ:「分かりました。これからは覚悟して接していきます。」

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このあと看護師さんから『看取り』に関する説明を受け、最後に着せたい洋服などがあれば準備しておくように言われた。

 




 

天に召されるまで残り21日