「 快晴フライング 」って、古内一絵のデビュー作なんですけれど、
2010年に 第5回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞した「 銀色のマーメイド 」という作品が刊行される時に改題されたものらしいです。( Wikipedia )
「 快晴フライング 」2011.4.6 単行本 ポプラ社
「 快晴フライング 」2013.4 ポプラ文庫
それが、また改題され中央公論新社から …
「 銀色のマーメイド 」2018.9.25 中公文庫
という流れになっています。
中公文庫版で読んだあと、単行本をパラパラとめくりまして …
一体 何が違うんだろうと …
単行本
それでも龍一は、掌を上げたまま、まだぼんやりとしていた。
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中公文庫
龍一は掌を上げたまま、しばらくぼんやりとしていた。
単行本
スピード水着でタイムに差が出るのは、百メートルで〇.五秒がいいところだ。五秒近くも差をつせられて負けた人間が、つまらないことを言うな!
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中公文庫
三秒
単行本
母が跳ね扉を開けて、個室に飛び込んできた。襟香は驚いて顔を上げた。
自らもシャワーに打たれながら、母は襟香の体をしっかりと抱きとめた。
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中公文庫
洋子は跳ね扉をあけて、個室に飛び込んだ。襟香が驚いて顔を上げる。
自らもシャワーに打たれながら、洋子は襟香の体をしっかりと抱きとめた。
中公文庫 加筆
上機嫌のジャダと無言の莉子がハイタッチをした。
結構な箇所で加筆・修正はあります。
でも、当たり前ですが、本筋が変わるようなことはありません。
その昔、海堂尊の作品がドラマ化された時、犯人が変わっていて衝撃を受けましたけれどね。
間違いはともかく、こういうのって、どうなんでしょうね … 作者的には、数年経って、今なら もっと こうしたいっていうのが出てくるんでしょうかね。
国語の読解の問題解いているみたいになりますよね〜。
このように変更した作者、あるいは編集者の意図はどこにあるか?
変更されたことによって読書の受ける印象はどのように変化するのか?
ポチった ポプラ文庫は 発送通知が来ているので、そちらも楽しみです。
読書の楽しみ方も色々ありますよね。