袴と、4月からの入社のために、髪の毛を黒くして。
ちょっとの間だし、と思って我慢していたのに。
卒業式まであと数日、というところで耐え切れずに茶色くしてしまった。
ほんの少しだけど。
切りたい願望はどうにか抑えて、卒業式後に美容院の予約だけする。

夕方から大学の友達と待ち合わせて誕生日プレゼントを買いに。
去年の分と、今年の分。
遅くなったけど、おめでとう。
前にバイトしていたカフェにお茶しに行って。
知っている人ばかりで、久しぶりーて。
相変わらず、混んでるなぁ。

大大大好きな去年のゼミで久々に集まる。
いつもの4年生と、1年ぶりに会う先輩と。
あのころのゼミは大変だったけど、みんな大好きで楽しかったなぁ。
今もこうやって集まれるって、うれしいことだと思う。
話題は電撃の入籍報告と、誰かさんの玉の輿について。
興奮して、はしゃいで笑いすぎて、のどの奥がぐっと疲れた。
何年先でも、こうやってみんなで笑ってる様子が想像できる、
数少ないたいせつな場所。
おとうさんの還暦に、わたしの卒業・就職、いとこの進学。
おめでたいことがいっぱいのこの春。
まとめてお祝いしよう、ということで、いつもの仲のよい親戚が集まる。
総勢18名。
せっかくだから、と写真館で記念撮影までする。
何の会だ、これは。
わが家主催の今回は、おかあさんお気に入りの「パリの朝市」にて。

前菜はホタテのカルパッチョ。春野菜のベビーキャベツやたけのこ、アスパラを添えて。
フレンチはなんといっても、野菜がおいしいことが大切だと思う。
一番気に入ったのは春菊と新玉ねぎのスープ。
春菊のほろ苦い感じと玉ねぎの甘さが2層仕立てで相まって、ものすごいおいしさ。
自分でも作りたい、と舌が味を覚えていてくれることを祈る。
メインは太刀魚と牛ヒレ。

Minulla on nalka!忙しくてなかなか会えないソムリエ資格をもつ叔父さんもいて。
わたしの好みでワインを選んでもらう。
お肉に合う渋めの赤、と注文したら、好みが似ていると喜ばれる。
セントジュリアンの2002年。
まだ若いけど、3年経ったら値段は倍になるらしい。
初めて、デキャンタージュをしてもらって興奮する。
ワインて全然わからないけど、食事をいっそうおいしくさせるなんて、なんて魔法みたいな飲み物なんだろう。

デザートはピスタチオのショートケーキがすごくおいしかった。
みんなでわいわい話して。
おかあさん方の兵庫の親戚も大好きだけれど。
大人数で集まって、家族行事が大好きなのは、両方の家系だな、と気が付く。
おじいちゃんが生きてたら、どれだけにこやかに笑ってるだろうって想像した。
一番の恋人であり、パトロンであり、わたしが出会った男の人の中で一番素敵な人。
暇さえあればわたしをデートに誘い、とびきりかっこいいジャガーの助手席にのせてくれた人。
みんな集まるこんな日は、思い出さずにはいられない。
学生の特権は、平日の昼間から映画を見られることと、お酒を飲めることだと思って4年間を過ごしてきた。
今しかできないこと、なんていうものがあるとは思わないけれど。
どうせなら今存分にやっておきたいこと、というのはある。

午前中のすいてる電車にゆられて。
家の近くだけど行ったことのなかった豊島園の映画館に行く。
学生証を出して。
平日の昼間に堂々と映画を見るための、半ば切り札のように。

Minulla on nalka! 『ホノカアボーイ』
人は、「かもめ食堂ハワイ版みたいな感じ」と言っていたけれど。
わたしは違うとおもう。
流れていることにも気が付かないような、無に近い「時間」の感覚だとか、おいしそうなごはんとか。
まじめさが、かえって滑稽に映る人物描写とか。
似ているところは、たしかにたくさんあるのだけれど。
この感じを、言わなくてもわかってくれそうな人は、わたしの周りにはひとりしかいない。

映画が終わって外に出たら。
少し西日が射していて。
豊島園がいっそう、ノスタルジックな感じ。

帰りに学校に寄って。
司書課程の修了者の張り出しを見に行く。
履修がくみにくいなか、一緒にがんばった法学部の友達も無事修了していた。
これでほんとうに、全部おしまい。
東京メトロの中ではかなり順位の高い大江戸線に乗る。
わが家から、六本木に行くのが便利になったから。それだけ。
今日は六本木を越えて、大門へ。
昼休みに合わせて、おねえちゃんの会社の近くのカレー屋さんに、おかあさんとお昼を食べにいく。

Minulla on nalka!芝公園の「ガロンダ」。
前に一度来て、ここのカレーにとりこになった。
ほうれんそうベースのものや、マトン、キーマも食べたいと思いつつ、またトマトベースのものを頼む。
今日はシュリンプバターマサラ。
外で食べるカレーでは、ここが一番好き。
ナンが、表はもちもちで裏はぱりぱりで。
少しだけ添えられたサフランライスも、フライドオニオンとレーズンがきちんとのっていておいしい。
もう少し辛くしてもらってもよかったかな。
わたしも一度、スパイスの配合からカレー作ってみたいな。

そのまま3人で買い物へ。
ほんとうは倒れるほど忙しいというおねえちゃんにわがままを言い、午後半休をとってもらう。
パリの大好きなお店が、リニューアルオープンしていて。
仲良しの店員さんはあいかわらず今日もかわいい。
もうすぐ卒業ですねーて。社会人の服たいへんですねーて。
会社にも着ていけそうな、折り紙みたいな不思議なブラウスを買ってもらう。

あー楽しい。
歩きすぎてひざががくがくする。
3人で買い物てひさびさで。
これからもっとその機会はなくなるのかな。
それとも、意外とそうでもないのかな。
5年後も、なんとなくこうやって3人で買い物してるような気がした。
仕事さぼって、悪びれもせず、わいわいと。

そろそろ部屋の片付けをしたいなーと思う。
天気もいい今日は片付け日和だと。
いざ活動を開始しようとするやいなや、おかあさんにドライブに誘われる。
といっても行き先は区役所で、用事を足すのに付き合ってほしいだけらしい。
でも彼女はきっと知っているのだ。
わたしが目白通りのドライブが好きだということを。
道が広くて遠出をしている気分になるし、わき道にはわたしの大好きなパン屋さんもある。

助手席に座って天気がよくて。
車にはおかあさんの好きな今井美樹が流れてて。
やっぱり今日は、片付けよりもドライブ日和だったなーと思って満足する。

時間がかかるというので、わたしはひとり外にお散歩に出かける。
この場所。
行きはたいていひとりで、帰り道は必ずふたりだった。
意図したわけでも、意図しなかったわけでもなく、自然と足がそこに向かう。
ラーメン匠家があって、たなべ美容室があって、豊島豆腐店があって。
角を左に曲がると、そこに彼の家はあった。
授業をさぼっては寄り道して、授業がはじまる前に寄っては学校行きたくなくなって。
感傷、というわけではなく単純になつかしいなぁという気持ち。
短いお散歩の時間に、でもいろんなことを思い出す。

暑い夏の日に、わたしはなぜかむせかえるようなアナスイの香水をつけていたな、とか。
アナスイの香水なんてわたしらしくないのに、なんでつけていたんだろう、とか。
初めてひとりで来たときは歯医者さんで親知らずを抜いた日だったな、とか。
麻酔がなかなか切れなくてうまくキスできなかったんだっけ、とか。
真夜中にソフトクリーム食べながら真っ暗な道を歩いたな、とか。
そのとき、ふたりでいるとどうしてこんなに不安が消えるんだろうって思ったな、とか。
あのころのわたしはなんてわがままだったんだろう、とか。

そんなくだらないことばっかりを、たくさん。

ぐるっと一回りして、区役所に戻る。
おかあさんの用事が済むのを待って。
何食わぬ顔をして、お昼にピザを食べて帰る。
帰り道の車のなかで、あー、わたしおかあさんに誘われたときから、あの家を見に行くつもりだったんだなー
とおもった。
過去が美化されるのはあたりまえのことだけれど。
あたりまえの部分をのぞいても、やっぱり楽しくてしあわせだった日々だったことに変わりはない。

旅の疲れか、ぐっすりと眠り、起きたらお昼近く。
洗濯物も山のようにあるし、掃除をしっかりする日だし、と思って慌ててベッドから出る。

おかあさんと韓国の話しながら洗濯やら掃除やらする。
ごはんおいしかったねー、タクシー安かったねー、円高最高だねーって。
次はあそこに行きたい、ここに行きたいと。
わたしはしばらく社会でしごかれる予定でございますので。
おとうさんとふたりで行ってらっしゃいまし。


Minulla on nalka!仕事帰りの義兄が、ホワイトデー、と言って持ってくる。
キルフェボンのタルト!
お昼休みに買いに行って、帰りにピックアップしてきたらしい。
会社が青山ていいな。
季節のフルーツ、苺、夏みかんにマンゴー、いちじく。
どれもおいしそうで1つに決められず、みんなでちょっとずつわけっこする。
キルフェボンはタルト地も手を抜かずのおいしいところがいいな。
いちじくのは、カスタードクリームじゃなくてチーズクリームで。
ひとつひとつ、どれもおいしくいただく。
ごちそうさま!

晴れ @ソウル

2泊3日はあっという間に過ぎ。
最終日の朝は時間が忙しいためホテルでごはんを食べる。
ほんとは朝からどこかに食べに行きたかったけど、せっかくヒルトンだったしまぁそれもいいかと妥協。

仁川空港は大きい。
新しいから設備も整っているし、免税店も広すぎて迷いそう。
けっきょく最後の最後まで買い物に励み、3人ダッシュで飛行機に飛び乗る。
汗だくで日本に向かう。

アジアはやっぱり、このわくわくする高揚感が独特だなーと感じる。
韓国もしかり。
単純にその雰囲気が好きでまた来たいなとも思うし。
やっぱりこんなにもしっくりくる気がするのは、わたしの育った環境なんだろうか、
と、それを確かめるためにもまた来たいと思う。

夜はおねえちゃん夫婦がやって来て。
頼まれていたおみやげを渡す。
それぞれ買ってきたものもお披露目して。
おとうさん、ありがとう。
晴れ、ひじょうに寒い @ソウル(明洞→三清河→仁寺洞→大学路)

両親はホテルの朝ごはんを食べたがっていたけれど、旅行の醍醐味は食にあり、という信念のわたしに付き合わせて。
街中で売っているらしい韓国風トースト、というホットサンドを食べに、朝から歩き回る。
たまごやベーコンなんかを挟んで焼いてくれておいしい。

唯一の観光名所、景福宮へ。
チャングムの世界だね、これは。
大昔はここで、あんな生活していたんだろうなーと想像をめぐらす。

Minulla on nalka!お昼ごはんは蔘鷄湯の専門店、「土俗村」へ。
高麗人参のくせが少しあったけど、すぐに慣れる。
なつめや松の実、栗なんかがいろいろと詰まっていて。
とりのだしがこっくりと出ていて、もち米と合ってすごくおいしい。
食後、なんとなく体があったまった感じ。
薬膳料理が苦手なおかあさんも、おいしかったと言っていて安心する。


仁寺洞は鎌倉と原宿が混ざった感じ。
伝統的なものが売っていたりして楽しい。
おかあさんは、韓国の麻を染めたコースターやランチョンマットを買って満足する。
夜は定番の焼肉食べて、食後はダンキンドーナツでお茶をして。
日本では消えてしまったダンキンドーナツ。
わたしがなぜか理由もなくひいきにしていたダンキンドーナツ。
あー、おなかいっぱい。

韓国は日本よりもコンサバティブでなくて、いいな。
アメリカナイズされた部分もけっこうあるような気がする。
ほかの文化もしっかり受け入れている感じ。

くもり @ソウル(東大門→明洞→江南)

この冬はもうどこにも出かけないで家で過ごそうと決めていたけれど。
両親に誘われて流れにまかせているうちにけっきょく成田行きの車に乗っている。
言うと驚かれる、実は初めての韓国。

JALは好きじゃないんだよなーと思って搭乗するも、機内食がおいしくなっていて安心する。
そういえば最近いろいろコラボしてがんばってるんだっけ。
仁川空港に着く。
先入観があるせいか、どことなくキムチくさい。

今まで生きてきた中で、もっとも身近なところにあった国。
そのせいか、すごくしっくり来た。外国なのに。
言葉ではうまく表せないけれど、あえて言うなら、生きていく流れのようなものすべてが。

Minulla on nalka!うわさ通り、ごはんはおいしい。
お昼は屋台でキムパッ(韓国風のり巻き)や、チヂミ、トッポギ、韓国風おでんなんかを食べてみる。
どこでもそうだけど、その国のソウルフードはおいしいものだなぁ。
油も、使うところではしっかり使っている。
市場や屋台が、なんといっても興奮するのだ、アジアは。
夜ごはんはタッカルビ(鶏肉)を食べに。
なんでも給仕してくれるのが新鮮。
辛いけど野菜もたくさん食べられるし大満足!

ここが、おじいちゃんがわたしをずっと連れてきたがってた国なんだなぁ。
一緒に来たかった、と今すごく思う。

9時台起床に成功する。
いい調子だ。
朝ごはんを食べたあと、コーヒー飲みながらおかあさんとしばらく話して。
おねえちゃんについて。
結婚する前はすごく元気だった彼女が、最近すこぶる体調が悪く。
どうするのが彼女にとって一番いいか、いろいろと話し合う。
おかあさんが、わたしが面倒を見るからしばらく別居してくれたらいいのに、
なんて言い出して驚く。
お嫁に行っても、親の愛は変わらないものなんだなぁ。

Minulla on nalka!『ラッシュライフ』 伊坂幸太郎著

食わず嫌いもいいとこで、読む前から毛嫌いしていたもの。
けれどとりあえず一冊は読んでみよう、ということで手に取る。
期待は悪い意味でしっかりと裏切られ。
やっぱりわたしはこの手の小説は好きではないな、と思う。
話自体というよりは、語り口調や、種明かしの瞬間、登場人物のひとりひとりが得意げににやりと笑っているような感じが。
こういうのは、本よりもドラマとかのほうがおもしろいんじゃないかな~。


夜ごはんはおかあさんの初ドライカレー。
これがあまりにおいしくて、しつこいくらいにおいしいと言う。
玉ねぎとパプリカがよく炒まってチャツネのように甘くなって、
そこにいろんな香辛料がうまーく混ざり合っている。
わたしはカレーは、固形ルーの小麦粉が重たい感じはあまり好きではなくて、
さらっとしたインドとかタイ風のほうが好きなのだけれど。
ドライカレーて、なんておいしいんだろう。
おかあさんの作った新作の中で、過去1年ではトップ。
これを食べるためならどこまで足を運べるか、暇そうな脳みそのはしっこで考える。
静岡かなー、名古屋まで言うとかえって嘘くさい。
つまり、それくらいのおいしさ、ということ。