☆・*。゜白ばら紅ばらのお話③〜WhiteRedRose Story〜゜。*・☆【WhiteRedRose Story③】 大きな鳥に振り回されながら小人は必死になって「助けてくれー!」と叫びました。 小人の命が危ないと思った白ばらは、 ハサミを取り出し小人のヒゲをチョキーンと切ったのです。 大きな鳥はそのまま何処かへ飛んで行きました。 せっかく助けたというのに小人は白ばらと紅ばらに、 「またわしの大事なヒゲを切ったな!せっかく伸びたというのに!」 と、大声で怒鳴り散らしました。 それから小人は散らばった宝石を夢中になって拾い始めました。 白ばらと紅ばらは顔を見合わせて、 足元に転がってきた宝石を小人に渡そうとしました。 ところが、 「わしの宝石にさわるな!」 小人は顔を真っ赤にして怒り出すのでした。 その時・・・! 見覚えのある茶色い大きなクマがあらわれたのです。 白ばらと紅ばらはすぐに"あの時"のクマだと気付きました。 けれど、どこか様子がおかしいのです・・・。 クマはとても怖い顔をしてこちらに向かってきました。 「やっと見つけたぞ!ぼくの宝石を返せー!!」 クマは小人に向かって叫び、大きな手を一振りしました。 小人はぶーーーんと遠くへ投げ飛ばされて見えなくなってしまいました。 白ばらと紅ばらはまたクマに会うことができてとても喜びました。 ところが突然・・・ クマの周りに薄い煙が立ち込め、 どんどんクマの姿が見えなくなってしまったのです。 そしてクマの周りを覆っていたモヤはだんだんと晴れていきました。 ・・・ すると、 そこに立っていたのはクマではなく、 若い立派な王子様だったのです! 「私は隣国の王子です。 悪い小人の魔法に掛かりクマにされ宝を盗まれたのです・・・。 2人が小人のヒゲを切ってくれたお陰で元の姿に戻る事ができました!」 なんと、 小人の長いヒゲは魔法の源だったのです! さらに丘の向こうから王子様そっくりの若者が白馬に乗って現れました。 「私はクマになった兄と共に小人を探していました。」 なんと、 若者は王子の弟だったのです。 そして最初の王子は白ばらの手を取り言いました。 「私と結婚して下さい。貴女の勇気に惹かれました。」 もう1人の王子は言いました。 「紅ばらさん私と結婚して下さい。貴女の優しさに惹かれました。」 こうして、 白ばらと紅ばらはお母さんと一緒に2人の王子様の国に迎えられたのです。 そして、みんなで末長く仲良く幸せに暮らしました。 (HAPPY END)