おっさんずラブの続編についてのお話がチラホラ出てきていて、
民なさまとりあえず自分を落ち着けて「公式を待つ」と正座していらっしゃいますね。
ミートゥー。
でもちょっと気になることがあったので、
ワンクッション置いて書いてみます。
LGBT当事者のひとりとしての想いもちょっと込めて書いてみるので、きっとアグリーは少ないかなと思いつつ。
(今までこのブログ読んでくださっている方、これまでといきなり文体違ってすみません…笑)
なお、めっちゃくちゃ劇場版のネタバレしてますので、回避したい方は観てからの再訪問お待ちしてます!
では参ります〜
私としては、春田さんと牧くんのお話は今現時点では劇場版で完結でいいのではと思っています。
なぜなら「2人の続編を叶えるには同性愛者が抱える現実ときちんと向き合う必要がある」と思ったからです。
まず制作陣は、貴島プロデューサー始め色んな方がおっしゃっているように、今までの作品は「月9みたいなピュアなラブストーリーを作りたい」という思いから作っていて、特段LGBTをテーマにしているわけではなかったということでした。
だからこそ、異性愛も同性愛も関係なく「人を好きになることって素晴らしいことだよね」というスタンスが、本当に素晴らしかったと思うんです。
その上で、春田さんと同じように制作陣も「同性愛ってこういうことなんだな」っていうことにぶつかったのが、劇場版だったと思うんです。
「牧と本気で、家族になりたいって思った」
「でも俺…なーんにも分かってなかった」
ぶつかってますね。現実に。
「どうして“好き”だけじゃダメなんだろう。」このコピーも本当に素晴らしいですよね。 先のセリフに続けて春田さんはこう言うんですよね。
「男同士ってそもそも法律的に?結婚できないし…それに…俺すげー子供好きだから、なんつーか…そういうのとか、色々?」
つまり続編を描こうとすると、ここで言及してしまっている以上、法律的に結婚できない世界でどのように家と家のつながりを作っていくのか?とか、子供を持つ?とか、
そういう「同性愛だからこそ直面する問題」と相対する必要が出てくるわけです。
周囲の人たちで作られていた今までの優しい世界だけでは成り立たなくなってくる。
「ちずちゃんとくっついてくれたらくれたらいいのに」と言う春田さんの母・幸枝さんが、2人がカムアウトした時にどのような反応をするのかすごく心配だし、「孫の顔も見たいじゃない?」を牧くんが聞いてしまっている以上、そこも話し合わないといけない。
たーくさんの問題が2人には降りかかってくるわけですよね。
この作品、LGBT監修がついてなくて。
それは、冒頭に書いた制作陣の「特段LGBTをテーマにしているわけではない」が理由だと思っていて。
(劇場版もつけなかったんだなーとは思いました)
だからこそこんなにポップに描けたストーリー・コンテンツ展開なんだろうなとも思います。
でも、この先の問題に直面したとき、今の制作陣だけで果たして全部描けるだろうか?
では、LGBT監修が入ったときに、こんなポップな展開が出来るだろうか?という疑問が残るよな〜と思ったんです。
①今の日本のこの状況で、②今までの絶妙なバランスを保ちつつ、③2人の続編を描くためには、制作陣相当色々考える必要あるよな…と。
それだけ、「付き合うのと家族になるのでは次元が違うからな」…ってことであり、
「ハァードルの高い制作って燃えるけど…ムズイっすよね」って話です。
で、私がここで思ったのは、彼らが本当にこの世界のどこかで幸せに暮らしていればいいなと思うからこそ、
もし2人の続編を観ることになるなら、これから彼らが向き合っていく同性愛者としての悩みを無視できないなということです。
(ここからは視聴者側の話です)
もちろん物語なので、何でもないご飯のシーンとか、デートとか、ちょっとしたイチャイチャだけを切り取ることは可能だしそれに癒されるのもめっっちゃくちゃ理解できるんです。
でも劇場版であの世界線でも同性同士は結婚できないし、子供を授かることに対して異性愛者と比べて圧倒的に困難が多いという問題が存在すると明言されてしまった以上、その日常は悩みと共にある日常なんですよね。
自分も似たようなセクシャリティを持っているから余計無視できないのは否めないのですが、1人のOL民として彼らに幸せになってほしいと願う以上は、あの世界線にも存在する問題が少しでもいい方向に向かっていて欲しいなと思います。
様々批判はあれど、私は劇場版が「同性婚は出来ない」「子供を持つには困難が多い」という現実に寄り添ってくれたこと自体が優しい世界の続きだなと思っています。
だからできることなのであれば今後もフィクションとして設定を作り上げるのでなく、現実に寄り添った物語が観たい。
そして劇場版が現実に寄り添ってくれたからこそ、現実がおっさんずラブの物語のこの先を描けるように進んで行くよう個人として努力したいなと思うのです。
最後に。
時代は変わるものなんだなーと思うのは、物語の最初の春田のナレーションに表れていますよね。
2016年の単発「神様、こんなモテ期は、すみません要りません」
↓
2018年連ドラ「神様、僕が希望していた運命の恋とは、少しテイストが違うような気がします」
↓
2019年劇場版「神様、あの日誓った“永遠の愛”とは一体、何だったのでしょうか?」
こうやってワンアップし続けている作品なので、いつかまた今までのキャスト・設定の続編を観たいなって気持ちを持ちつつ、もし本当に11月からまたおっさんずラブをやるんだとすれば、今現時点では私としてはスピンオフ型の方が安心して観れるかな…と思いました。
やんややんや言いましたが、
書きたいこと書けたので、とりあえずもう一回正座を整えて待つことにします。笑笑