『クィーン』(原題:The Queen)


ダイアナ元皇太子妃の事後死前後のイギリス王室を描いた映画で

ドキュメントタッチの歴史映画が好きな私にはたまりませんでした。


人間である前に女王であることを選択したエリザベス2世、

一方皇太子妃である前にひとりの女性であることを選択したダイアナ妃。



ふたりの女性の生き方があまりにも対照的で

かつ長い経済低迷期を経て景気が上向きになり、

変化が求められた当時のイギリスだからこそ

ダイアナ妃が〝People's prince"と表現され国民に響いた…



注目はなんと言っても、主演のヘレン・ミレン!

アカデミー賞主演女優賞を受賞した時に

「女王に捧げます!」とオスカー像を掲げたスピーチが印象深いですね。



この映画では、大鹿との対面場面が秀逸です。
感情を表に出そうことをよしとせず、

どんなに動揺しても平静を装うよう教育を受けてきたであろう女王が

初めて自分の感情を露わにする。
風景は美しく、鹿は神々しく、女王の温かみが感じられました。


また宮殿前に献花された花束をじっくりと見てまわり
大衆の容赦ない言葉に涙ぐみながらも、

威厳と気品のあるオーラで国民を愛した女王は素敵でした。


歴史と伝統を背負った存在でありながら

最後は国民の意思に沿うという女王が選んだ決断は、

〝People's mother″になること?


そして最後の「人も時代に合わせねば」というセリフが

不安感が増大している今の時代に生きる私は、響きました。


今は、在位50年を超えた女王の様なゆるぎないもの

確かなものを求めているのかなぁ…