今日はお仕事の話を少し書きます
私は訪問看護師をしています
在宅で生活をされている人で医療的なケア(点滴、傷の処置、入浴の介助などなど)が必要なお宅へ行って看護処置をする仕事です
あまり知られていないようで
よくヘルパーさんと言われます
ジャージ姿の私はどこから見てもナースではないしね f^_^;
病棟勤務より、ずっと内容が濃く、
患者さんが住み慣れた家で穏やかに生活が出来るよう援助したり、
最期、いい旅立ちが出来るように最善策を考えたり、
ご本人と家族の双方の考え方を取りまとめたり、
でもでも、
私はまだそんな段階ではなく
患者さんの病態を把握するとか、話に傾聴するレベルです
2月初めより訪問している患者のNさんは終末期の癌患者です
自分の父親の年齢くらいの男性です
お話好きで、よく色々話をしてくれました
でも、日に日に会話が減り、弱っていくのがわかります
24時間点滴でだけで、一切食事は受け付けません
最近は、一言話すだけでしんどいくらい、自力でベッドに座るのなんてやっとのことです
「えらい」
「えらい」
「もうあかんな」
この言葉は、何度も言われていたので、今日の訪問でも声にはなっていないけど、そう言っているようでした
私は背中をさすり、お薬使おうかって
それしか言えず
訪問後も、なんかNさんのことがいっぱいで
ここ何日もずっと考えていました、
病状ばかりの話ではなく、Nさんの興味のあるものはないか、どんな話題なら話が続くかと…
先週、玄関先に可愛らしい濃いピンクの「紅梅」と
もう一つ蕾を付けた名前の知らない盆栽が置いてありました
Nさんは盆栽いじりが大好きなようです
お部屋から少し南を向けば、Nさんが育てた盆栽たちがたくさん並んでいます
知らなかった
時々奥さんに「水はやったか」と、気になって聞いてるようです
1週間のうちにその紅梅は本当に可愛くいくつも花を咲かせました
なんだかとっても嬉しかったので、休んで見えるお部屋まで盆栽を持っていき
「Nさん、紅梅のピンクはとっても綺麗だね~、これ見て元気をでして!!」
といった
いつも苦痛そうな表情ばかりの患者さんが、ふっと笑って
「今年は花がすくない、あかん」
と久しぶりに声を出した
嬉しかった
今日は、そのお隣の蕾をつけた鉢のことを聞いてみた
「Nさん、これはなんて言う花?今にも咲きそうやわ」
「ぼけ」
「?」
「ぼけ」
「ぼけは、あんたにやる…、
大事に育ててくれ…」
3度くらい聞き返しました
最後はそばにいた奥さんが
「あなたにもらって欲しいのよ」と言われました
いやいや、こんな盆栽はめっそうもない
私には無理です
無理です
もったいないです
でも、
育てさせてください、やってみます
そんな気持ちになりました
どこまでできるかわからないけど
Nさんが私にやると言ってくれるんだから
育てなきゃいけないんだ
ありがとう
「ぼけ」
なんだか私にはピッタリな感じ
そこもNさんの狙いかしら