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オースティンの高慢と偏見。この作品を読んでいる時にずっと思っていたことがある。同じくイギリス生まれの女性作家、エミリー・ブロンテの嵐が丘ととにかく比較してしまうのだ。

作者であるオースティンもブロンテも厳格な牧師の父のもとで育ち、生涯を通じて未婚のまま早死にした。しかしながら作品に反映される恋愛観がまるで違う。とても面白い。

分かりやすく言えば、高慢と偏見がいちご100%的ラブコメだとすれば、嵐が丘は魚喃キリコの漫画のようにどうしようもない絶望感がある。(魚喃キリコあんま読んだことないけど笑)

歪な恋愛物語、嵐が丘は光文社訳で以前、読んだので違う出版社を読んだ時、また紹介したいと思います。

高慢と偏見の適当なあらすじ

イギリス郊外の田舎町、ロングボーンに住む中流階級の5人姉妹の日常生活(結婚)がテーマ。当時のイギリスは女性が職を見つけることが難しく、結婚して玉の輿になれるかに人生がかかっている。とにかくこの5人姉妹が社交界で、イケメンお金持ちと結婚するために、ひっついたり喧嘩したりするラブコメなのだ。結局、5人姉妹以外も含め4組が結婚する。

もっと詳しくてちゃんとしたのはWikipediaを。

正直、200年以上前の日常生活を描いた作品なので、パンチが薄く、物足りなさを感じる。けれど、逆にサマセットモームおじ様は「普通の事を書いてるのに続きが気になって読んじゃう」と評している。個人的にはそこまでの繊細な内面描写があったか微妙だけど、訳にもよるので。

私的読みどころ箇条書き

⑴ 5人姉妹の父親ベネット氏のひねくれ具合。ライ麦畑に行くのも大学を辞めるのも面倒くさがり、怠惰な大人になったホールデン・コールフィールドみたい。

⑵ベネット家の遠縁、コリンズ氏の結婚できたら誰でもいい感が凄い。絵に描いたようなダメ男だが、1番美人の長女ジェーンにアプローチ。彼女がイケメンお金持ち性格良しのビングリーに夢中だと分かると、その次に美人な次女のエリザベスに求婚。エリザベスが嫌がるとエリザベスの親友のシャーロットに求婚。結婚しちゃう。しかもドヤ顔でジェーンとエリザベスに報告!!マジかよ。(時代背景的に20代後半で独身のシャーロットには選択肢がなかった)

⑶女たらしウィカムと末っ子リディアの駆け落ち。おそらくコンスタンやラディゲならこの2人を悲惨かつ詳細に美しく描く。

いやはや、どの時代も女性は大変ですね。