[潤滑油]基油(Base Oil)の試験項目
(Base Oil)の試験項目基油の試験項目のうち、主要なものをいくつか見てみましょう。このような試験項目は、エンジンオイルを含めて潤滑油の完成品でも主に試験する項目であり、完成品に使われる基油の含量が80%程度なので、使用される基油の性状が完成品の性能を決定すると言えます。流動点 (Pour Point, ℃)流動点は、下図のような方法でテストします。基油は石油物質なので、温度が下がるとワックス(wax)成分が析出して固まります。上図のように低温冷却槽の温度を下げ続けながら基油の流動性を確認し、左側の1番の図のようにぼやける温度を雲点(Cloud Point)、右側の2番の図のように90度に傾けた時、5秒間流れない温度を流動点(Pour Point)と言います。API Group別基油の流動点試験値は次のとおりです。*Group IV(PAO)の流動点は、Group I、II、IIIに比べて桁違いです。*Group IV(PAO)の低温特性が他のグレードに比べて優れている理由でもあります。引火点 (FlashPoint, ℃)引火点(Flash Point)試験は、上記の試験装置のように一定量の試料をCUPに入れて加熱し、油蒸気が発生するようにした後、人為的に作った火花によってスパーク(spark)が発生する温度を測定します。引火点(Flash Point)と発火点(Fire Point)の最大の違いは引火源、すなわち人為的に作った火花がある時とない時に点火される温度です。引火点(Flash Point)は炎がある時に火炎が起きる温度であり、発火点(Fire Point)は炎がなく、自体の温度だけで自ら火炎が発生する温度です。基油の粘度によって引火点が高く現れる傾向があり、潤滑油完成品の引火点は使用された基油の引火点と大差ありません。炎をあてても200度以上まで温度が上昇してこそ点火され、一般的な常温では火がつきにくいという話でもあります。銅板腐食 (Copper Corrosion)銅板腐食は、基油や潤滑油の銅(Copper)に対する腐食性を確認するための試験法です。下図のように銅板(Copper Strip)を100℃に加熱した基油や潤滑油に3時間浸し、その腐食の程度を標準時片と比較します。銅(Copper)材質はエンジンのジャーナルベアリング部位に多く使われるため、これに対する腐食性テストが必要です。蒸発量 (Noack Volatility, wt%)NOACKは高温で蒸発する量を試験するもので、下の図のように一定量の試料を高温で加熱した後、蒸発する量を重量%(wt%)で示します。試験条件は250℃で1時間です。右側のグラフは、Group II、III、IV(PAO)の蒸発量を試験した結果です。Group II(11~25%)よりはGroup III(8~15%)の蒸発が少なく、Group IIであるPAOは6~13%でGroup IIIより蒸発が少なくなります。これはエンジンオイル完成品の蒸発量と似ており、性能の良い基油(Base Oil)を使えばエンジンオイルの消耗量が少なくなるという意味です。