「唄もうたわず お酌もせずに 花をあびてる石地蔵」


 この歌詞は殺し文句として誰かに言うべきではない。これは彼があなた以外の女を選んだ時に、自分自身に向かって呟けばいいのである。これをつぶやくだけで、私はなんだか「明日も生きてみよう」と思わされる気がしてたまらない。


---------『小粋な失恋』より--------