飯田線に乗った。飯田線は日本の秘境駅ベスト10にいくつも入るような路線である。

過剰勤務が続いていたから、平日に休みが取れた。平日ならこの路線はすいているだろう、きっと秘境駅に相応しい雰囲気を醸しているのではないかと休日に行くことと比べて勝手に空想していた。


豊橋8時台の天竜峡行きの普通列車。2両編成の電車なのだがやけににぎやかだ。


60はすぎていると思われる男女の一団が談笑している。

車掌の車内検札でどこに行くか乗客に聞いている。

その人たちはどこに行くかは決めていないという。青春18切符で来ているからと。


青春18切符で旅行する企画の本も出ているから不思議な話でもないが
自分が今まさにしようとしていることと同じことをしている人がいることがやや不愉快になる。

そのうち秘境駅に停まるたびにこの駅のうんちくをみんなに聞かせている人が出てくる。
そのたびにたいしたことないだの、わあきれいだの、ホームにおりて写真を撮る人もいて
秘境感がない。

若者の中には次の列車は2時間後なのに降りてしまう人もいたがまあ探検家はいるものだろうが
秘境駅はひっそりしておいて欲しいなあ。