それで何もなく終わり、岩手に行って程なく彼女から手紙が途絶えた。心配で電話ボックスから長距離電話をかけた。彼女のお母さんが出て受験勉強があるから…と文通のお断りを聞いた。


男女関係に疎いボクは、恋愛したら結婚するものだと思っていたから、大学を出て就職したら彼女と結婚して暮らす夢をみていた。

だからかなりのショックだったのだが、幸いなことに大学生活は目まぐるしく多忙な日々を送るうち彼女のことは忘れていった。


あれから30年近くたつ。果たして彼女も50代後半の人生をどこかで送っているのだろう。

ボクと同じ仕事を目標にしていたが
今どんなお仕事をされているのか、知る術もない。



今まで、恋愛はそのほとんどが一方通行の思い込みだった。

だが、若いときの切ない思いは
八神純子ではないが美しすぎる

美しく甘酸っぱいまま心に刻まれている。