風景の話をしたいわけではない


人はかつて経験したなかで美しい思い出はより美しく記憶するものかも知れない
美化する
と書いてしまうと安っぽい表現だが
きっといらないものは編集されて記憶の中から削除されるのだろう


例えるなら
人の耳は聞こえる全ての音を情報として脳に伝えるわけではなく、必要な情報を選択して脳に取り込み記憶していく
というのに似ている

八神純子の『思い出は美しすぎて』にあるように思い出は美しい景色のまま記憶される

中国の作家魯迅が後に出世をし中国の上級役人になったときふるさとに戻る用事があった

彼は
故郷に対して宝石のような美しさで記憶していた
その故郷に帰るのだからワクワク感は半端ではない


しかし、故郷を離れ何十年かの後に行った故郷は荒れた風景だった

これは政治の荒廃をも意味して表現しているのだが
かれは
もともとこんなものだったのかも知れないと自分を慰める



自分がかつて経験してきた甘酸っぱい恋愛の思い出も
今、冷静に考えると決して美しくはなかったのかも知れないが
美しいものは美しいままにしておきたい…



ちょっと浸ってます(爆)