令和になった
そして、今日は仕事に行ってきた
連休の合間に現場の巡回と
一部出勤している人たちもいたから
その作業の応援も兼ねていた
その現場に朝いったところ
トラブルが起こっていた
業務上というより個人的なことで
女性従業員のひとりがスマホを失くしたとのこと
家から出た時にはあったので
こちらにきてからか
もしくは、出勤途上で失くしたようだと
そこの記憶が曖昧で
何処を探すのか絞りきれない
困った困ったを繰り返すばかりで
どうにも仕事が手につかない
俺の携帯で鳴らしてみても
事務所内では鳴らない
ゴミ片ずけをした時かもということで
ゴミ置き場に行って鳴らしてみたが
反応はなし
どうも出勤途上だということになり
彼女のご主人に頼んで
通勤経路を探してみるということになった
俺もその後は作業に入っていった
しばらくして休憩時間だと、その女性従業員が呼びにきた
俺が道具を仕舞いに倉庫に行ったところ
どこかで電話の呼び出し音がする
倉庫の中には段ボール置き場があって
その棚のところから聞こえてきた
みれば彼女の携帯らしきものがあった
携帯を手に取り画面を見たら
彼女のご主人からの電話だった
みつかった携帯を彼女に戻してあげて
倉庫にあったよと行ったら
そういえば段ボールも朝に片づけして
胸のポケットにしまっていたので
棚に置くときに一緒になってしまったらしい
というこで
やっと一騒動が終焉した
彼女が俺を休憩に呼んでいなかったら
俺が、道具を戻しにいかなければ
携帯の着信音に気がつかなかったら
ご主人が携帯をならし続けていなかったら
おそらく見つかることはなかっただろう
考えてみれば偶然の積み重ねのようだが
そこには、それぞれの人を思いやる
人の情けみたいなものがあったからこそ
大事なものを失われずにすんだのだろう
令和になっても
どんな時代になっていくとも
こんな情けがあることを忘れずにいたい
そんなことを感じさせてくれるでき事だった
作業が終わり車に戻ろうとすると
平成の終わりの頃と同じように
ポツリポツリと雨が降ってきた
「なんも変わんねえな・・・」
そう呟いて
俺はエンジンスタートの
ボタンを押した
次の現場に向かうために