「イエスタデイをうたって」

第1話~第3話まで視聴したので、

まとめての感想を少し。

 

 

※以下ネタバレ

 

 

過去に抱いた思いから、

不甲斐ない現状から、

代わり映えしない心情から、

抜け出せずに同じところをぐるぐる回り続ける青少年たちの、

諦めと焦燥と、変化への期待を併せ持つ、日々の物語・・・

だろうか?

 

あー・・・

この、人生、美しく潔く前に進みたいのに、

変化への恐怖から、どこか逃げ腰になってしまって、

どうしても同じ悩みや日々を繰り返すしかない、この感じ。

ついでに恋愛はすれ違い続ける、この感じ。

あー・・・春だねえ・・・

晴ちゃんだけに・・・・・・。

 

「モラトリアム」って言葉、あまり好きじゃないけれど、

まさにそんな日々の物語だと思います。

 

もやもやと停滞しつつも、どこか瑞々しい。

 

 

一人前の「社会人」になることに逃げ腰で、

フリーター生活を続けている陸生。

今は故人である昔の想い人を忘れられず、

新しい恋愛に踏み出せない榀子。

他人と深く関わることを恐れ、

陸生へ強くアプローチしながらも自分自身のことは隠す晴。

 

皆、何か、未来であるとか変化であるとか、そういったものを恐れ、

現状を変えたいと願いつつ踏み出せない。

 

春だねえ・・・。

青春だねえ・・・。

人間だねえ・・・。

 

そういった人物たちの、もどかしくも鮮やかな日常が、

繊細に丁寧に描写されているのが・・・

あー・・・堪りませんわ・・・。

 

少女漫画って感じ・・・。

原作はビジネスジャンプとかヤングジャンプとか、

その辺りだけど・・・。

 

なんだかこの作品の雰囲気だけで既に満足しつつあります(笑)

すれ違って不器用で自分勝手だったりなんだったりする様子に、

時々イライラするのもご愛敬。

まさに、青春!って感じ。

 

 

それにしても。

私、以前は榀子みたいな女性は苦手・・・

オブラートを破り捨てると、大嫌い、だったんですよ。

自分は好きな相手がいる(故人とはいえ現在進行の想い)のに、

自分を好きな人間とは距離を置きたくない。

想いには応えられないのに、

側にはいて欲しい。

「友達」として。

 

はっ!

ちゃんちゃらおかしいわ!!

・・・みたいな感じで。

想いに応えられない、しかも相手が「友人になれない」と言うなら、

きっぱりと距離を置くのが、けじめで優しさっつーもんでしょーが。

それが何?

恋人にはなれないけど、友達としてお互い仲良くしましょう。

無理無理無理無理無駄無駄ァ!!

・・・みたいな、ね。

思ってたんですよ。

まあ、今でもわりと思ってはいますが。

 

でも、なんででしょうね。

榀子は嫌い切れない。

時々、いらつくものの、その心情に共感もしてしまう。

なんでだろうね。

榀子は自分の残酷さに自覚的なのと、

その迷いや悲しみが繊細に描かれているからかなあ・・・。

あとは・・・

私が大人になったんだろうか・・・。

大人になった、というのか、

色々面倒で磨り減っただけというべきか・・・。

 

なんだかその辺りの心情の変化が、

自分でも驚きで・・・あとなんだか割り切れないというか・・・

もやもやした気持ちになりました。