「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」

第38話~第39話(最終話)の感想です。

 

2話まとめた感想です。

 

 

 

 

※ネタバレします。

 

◎「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」

 

 

☆第38話~第39話の感想。

 

38話と39話は、

ジョルノとボスの最終決戦の決着。

それと並行して過去の話が描かれていました。

 

 

ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムが

ボスのキング・クリムゾンと未来予知を無効化し、

そして無駄無駄ラッシュ。

 

・・・ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムの能力は

ジョルノ自身にも知覚出来てないらしいので、

なんだろう。

あれはジョルノ的には

一周回って物理が最強!的な感覚なんだろうか。

最後は拳で殴る!

 

 

最早無駄無駄ラッシュから逃れることの出来ないボス。

ラッシュをくらって大ダメージで川に落ちる・・・が。

流石にしぶとい。

排水口に這い上がって逃げようとする。

 

排水口に無様に這い上がって逃げようとしたり、

貧血でみっともなく這いずりながらカエルを貪ったり、

ボスのそういう体裁よりも結果を重視して頑張る、

ガッツのあるところは、正直嫌いじゃない。

 

でも、流石に年貢の納め時でしょう。

尺的にも・・・。

 

 

と思っていたら。

下水道を住処としていたらしい、

キメキメのヤク中さんにぶすっと刺されるボス。

 

あー・・・。

自分が売りさばいていた薬によって滅ぼされるのか。

こういう因果応報が・・・。

なるほどね・・・。

 

と思っていたら。

何故か生きたまま司法解剖されるボス。

ただし、検死を担当する女医さんには、

ボスは死体にしか見えていない模様。

で、

身体を動かせないまま話しかけ続けるボスに一切反応せずに、淡々とメスを持ち、皮膚を裂き、ついにはノコギリを・・・・・・

ひえええええええ・・・。

これ、ホラーでもかなり怖いタイプのやつー。

意識があるままにあんなことやこんなことー。

ああああああ・・・・・・

 

と思っていたら。

突然街中に膝をついているボス。

子犬に脅えて車に轢かれる!

 

と思ったら。

幼女に近寄られるボス。

ボス「俺の側に近寄るなああああああ!!」

 

段々と恐怖と脅えレベルの下がっていくボスが

なんともいない味わいです・・・w

 

ではなく。

どうやら、これこそがゴールド・エクスペリエンス・レクイエムの

能力なようで。

ジョルノの説明によると、

 

「奴はもうどこへも向かうことはない」

「特に奴が真実に到達することは決して」

「死ぬという真実にさえ到達することは決して」

「無限に」

「終わりのないのが終わり」

「それが、ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム!」

 

ということらしいです。

 

恐らく。

ディアボロはこれから無限に様々な死に方を体験し、

それでいて決して死ぬことはないのでしょう。

様々な死に方を繰り返し、

そのうちのどの死に方も「真実」と決定されない。

それでいて、死ぬという「真実」にも辿り着けない。

「たったひとつの未来」が確定されない。

未来に到達出来ない。

それはつまり、

ディアボロが何よりも固執した「結果」に辿り着けない。永遠に。

ということではないでしょうか。

 

これはディアボロにとっては

何よりも恐ろしく辛い罰でしょう・・・・・・。

 

とはいえ、

こんなの誰にとっても恐ろしく辛い罰だわ!

ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムこわっ!!

地獄の閻魔様か!

地獄にだって刑期の期限はあるというのに!!

 

 

流石DIO様の息子・・・恐ろしいわ・・・と

ブルブルしましたが、

兎にも角にもディアボロは倒しました。

 

仲間は何人も犠牲になってしまったけれど・・・。

 

その仲間についてですが。

38話にて突然「運命は眠れる奴隷」という言葉が登場しました。

あまりに突然に出てきた言葉だったので、

最初に聞いた時はさっぱり意味が分かりませんでした。

 

が、ディアボロとの決着と並行して描かれていた前日譚を

観終わった時、その意味が分かりました(気がします)。

 

前日譚で描かれていたのは、

ブチャラティ達がジョルノに会う直前にあった事件。

その事件で、ブチャラティチームは一人の男と出会います。

男はスタンド使い。

ですが、そのスタンドは男には制御下にはありませんでした。

能力は、「死を予言する」ことと、

「運命を受け入れれば苦痛のない死を与えられる」こと。

そして、その時、ブチャラティに死の予言が出ました。

色々あり、結局ブチャラティは苦痛のない死を受け入れず、

苦難に満ちた死への道程を歩む未来が確定しました。

これは、ブチャラティの意志で選択したものではなく、

完全に成り行き、偶然の結果としてのものですが、

だからこそ、これは「ブチャラティの運命」だったのでしょう。

 

ブチャラティには死の運命が決定づけられました。

しかも、ブチャラティはその運命を

ただ安穏と受け入れることはなく、

苦難のなかで藻掻きながら抗いながら、

しかし抗いきれずに死に到達する、

ということまで確定しました。

 

けれど、それこそが、

無駄に見える運命への抗いの姿勢こそが、

ブチャラティ達の命を輝かせるものだと、

男は気付きました。

 

我々は運命に抗うことは出来ない。

我々は運命の奴隷だ。

けれど、運命の奴隷が眠りから覚醒した時、

そこには何かしらの意味が生まれる。

その覚醒は希望に繋がる。

 

まさに、覚醒した奴隷であるブチャラティ達の道程は、

ジョルノをボスの座につかせるという希望の未来へと

到達しました。

 

ブチャラティが、アバッキオが、ナランチャが失望し、

悲観して生きていた街は、これから変わっていくでしょう。

そして、それを可能にしたのは、

ブチャラティ達の無駄に見える抗いの過程があったからこそ。

 

「結果」を求め、永遠に「過程」に取り残されたディアボロと、

「過程」を懸命に生き、

自分は死してもジョルノに希望を託す「結果」を得られた彼ら。

 

この対比の鮮やかさ。

ブチャラティ達の人生への温かな賞賛。

胸に来ました。

 

 

 

辛いことも多くありましたが、

最後には黄金の風が爽やかに吹く、

綺麗な最終回だったと思います。

 

爽やか・・・。

だった・・・。

 

 

 

 

 

 

ただ。

突然に現れて、一週間ほどでボスに成りあがった15歳に、

パッショーネの他の幹部たちが内心困惑しきりだったと思うと、

なんか笑え・・・。

忠誠のキスを送る場面。

「誰なんだ」って思ってるよね、絶対。

顔も名前も知らない15歳(中学生)が突然ボスに!

なんのこっちゃw

まあしかし。

だからこそ逆らおうとは誰も思わないかもだけど。

逆らってもゴールド・エクスペリエンス・レクイエムで

なんとでもなるし・・・。

ジョルノ、恐ろしい子!!

 

 

 

 

そんな感じでした。

あー長いと思ってたけど、

あっさりと5部も終わってしまった。

 

で。

6部はいつなんです?(勝手に未来を確定させる人)