「さらざんまい」

第10話の感想です。

 

 

※ネタバレします。

 

◎「さらざんまい」

 

 

 

☆第10話の感想

 

燕太の命の期限はあと数時間。

希望の皿を求めて、

一稀は燕太とともにカワウソのアジトへ赴く。

というより、希望の皿を求める玲央に半分拉致される・・・。

 

 

なんか・・・

今回は・・・

考察云々よりも、

 

玲央と真武の乙女チック少女漫画展開!

 

に気を取られてしまって仕方ありませんでした・・・。

なんなの、あの人たちは・・・。

 

 

しかし。

一応、今回の考察妄想も少し書いておくと。

作中の「愛」と「欲望」の捉え方を、また少し修正しました。

 

愛は、与えるもの、献身的、自己犠牲、自己を殺すもの、

    つながり、希望、真実?

 

欲望は、奪うもの、利己的、他者を犠牲にする、他者を殺すもの、

    つながりを絶つもの、絶望、嘘?

 

更に、愛は「つながりたいという欲望がつながったもの」とも考えられるかなー・・・

そうすると、愛も「欲望の一種」といえなくもないかなー・・・

などと考えたりもしてますが、まだこの辺りは保留中です。

でも、そう捉えると、

ケッピの尻子玉(欲望)がふたつに別れて黒ケッピと白ケッピになったのが、

白ケッピ・・・つながる欲望=愛、希望

黒ケッピ・・・つながらない欲望=欲、絶望

で、自分のなかでそれなりにしっくりくる・・・気がする・・・。

カワウソは・・・あれは・・・欲望の概念だから・・・・・・

なんだろね??

結局、曖昧(笑)

 

 

まあ、そんな感じで強引に解釈しつつ、

今回の玲央さんと真武さんを見ていたのですが。

 

彼らはもともと河童で、恋人として愛し合っていました。

しかし、真武の死亡とともに二人の関係に変化が起こります。

死亡した真武はカワウソによって生き返ります・・・が、

その際に真武はカワウソ(欲望)に、

玲央とのつながり(愛)を捨てろと強要されます。

そして、真武はカワウソの人形として生まれ変わりました。

カワウソの人形・・・欲望の人形・・・

これは・・・玲央の欲望に支配される人形ってことなんだろうか?

玲央と真武、双方の欲望だろうか?

それはまだよく分かりません・・・。

が、ともかく、玲央は「本物、自分の望む真武とつながりたい」という欲望を抱き、真武は「玲央の側にいたい」という欲望を抱き、

双方自分の欲望を優先しつつ、すれ違いながらも一緒にいました。

「つながりたい」という欲は双方向で持っているため、

それが愛となり、かすかにつながっていた・・・のかもしれません。

しかし。

カワウソに支配されている真武を見て、

玲央は「お前とはつながらない」宣言をしました。

ここで完全につながりが切れました。

 

で。

今回。

 

つながりを絶たれ、愛を失った真武は「欲望」となり、

自分のうちに秘めた思いを解放。

玲央がさらざんまいすることにより、

過去の事実も解放。

 

カワウソ「ただし、ひとつだけ条件がある。

      玲央とのつながりは捨てなさい」

真武「え・・・?」

カワウソ「つながりは毒だ。

      お前が愛の言葉を玲央に告げると、

      その心臓は爆発して跡形もなくなる」

 

人魚姫かっ!!

愛を告げることはできないし、

愛を貰えないと消えてしまうんですね!

そうですね!

 

あまりの乙女チックさに呆然としましたが、

さらに事は進みます。

 

 

さらざんまいする玲央と真武。

前回、さらざんまいは「欲望をつなげて愛にする儀式」ではないかと考察し、それは今もそう思っているんですが、ただ、どうしても引っかかっている部分があって。

「さらざんまい」って最後に尻子玉が消滅して、

その持ち主は縁の外に行くんですよね。

・・・何故消滅するのかが分からない。

純度100%の愛は悟りの境地に至るから?

純度100%の愛は、純度100%の自己犠牲になるから、

自分が保てなくなって消滅ということ?

曖昧ながら、無理やりそう考えてみたんですが、

そうなると・・・

 

真武「私の唯一無二の相棒、玲央。

    今までも、この先も、ずっとお前を愛している」

 

命を捧げて愛を告げ、愛となって消滅する真武。

 

一方、愛を捧げられたけれども、つながりたい相手が消滅し、

永遠につながれない欲望のなかに取り残された玲央。

 

愛となって消えた真武。

欲望となって残る玲央。

 

愛し合いながら、

愛と欲の対極に引き裂かれ、つながれない二人。

 

ああ、

これがウエストサイドストーリーというか、ロミジュリですか!?

愛し合いながら引き裂かれて結ばれない二人ですか!?

そうですか!?

違いますか!?

いいよ、違ってても、もうそれで!!

好きにして!!

 

あまりにもあまりな乙女チック少女漫画的展開に、

私の中の乙女回路が暴走。

 

そのうえに、

決して結ばれないはずの二人を、

ケッピの厚意かどうかは知らないけれど、

縁の外の姿?で繋いだまま眠らせてくれる。

これで二人は永遠の中で永遠に一緒だね!?

(ケッピは「今は休め」と言っていたので一時的措置かも

しれないけれど・・・)

永遠に二人だけの愛のなかで愛三昧!

好きにしろ!!

 

あまりにもあんまりなので、

私の中の乙女回路はショート。

なんか笑っちゃってごめん・・・。

でも、こういう悲劇は切ないし、

まあ・・・少女漫画展開大好きですよね・・・正直。

男同士とか女同士とか人外だとか身内だとか、

イクニ監督作品では些細な事だしね・・・。

 

 

なんか・・・。

そんな感じで・・・。

今回は玲央さんと真武さんの愛の物語に圧倒されて、

他のことはあまり覚えてません。

 

あ。

ただ、つながりたい相手を失って、つながれない欲望だけの状態、

絶望のなかに取り残された玲央。

今、それと同じ立場にいるのが悠だと思います。

とても危険な状態だと思います。

それをどうやって止めるのか。

愛に傾いた一稀と、

希望の皿を使って生き返った燕太が何をするのか。

最終話で終われるのか。

とても気になります。

 

 

というか。

単純に勘なんだけど、

燕太が危ない気がしてならない。

ああいうキャラが危ない気がしてならない。

やだなーこわいなー。