「伊藤潤二『コレクション』」
第10話の感想です・・・。
いつも一回楽しんで観てから
感想書く前にもう一回観直したりするんですが、
今回は観直すのが辛く・・・辛く・・・おええ・・・。
※ネタバレします。
◎「伊藤潤二『コレクション』」
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「グリセリド」「橋」
216円
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☆第10話の感想です。
前半は「グリセリド」。
感想。
おええええええええ。
以上。
・・・くらいの衝撃作品でした。
家が流行っていない焼肉屋。
その名も「だるま」。
そして珍しい肉が・・・ときたら、
もう大体読める展開ではあります。
よくあるカニバリズム展開。
ん?カニバリズムってよくある・・・?
うーん・・・まあ、いいか。
しかし。
そのありふれたネタに
「油」がひとつ混ぜられただけで、
こんなにも印象と胃に残る作品になるのかと
衝撃を受けました。
しかも、その「油」の描写が
いちいち詳細で丁寧で具体的。
「柱や壁、家具に至るまで
黄茶けた油がべっとりと付着」
「押入れの布団にも、
常にじっとりと油が染み込んでいた」
「衣類はいくら洗濯しても、
すぐ油が染み込んだ」
もう冒頭のこれだけで
胃がむかむかしました。
絵も絶妙に、酸化した油の、
あの茶色く劣化して粘度の高まった感じを
再現していて、
観ているだけで胸の悪くなる匂いが
鼻先に漂ってくるようでした。
おええええええ(思いだし気持ち悪い)
その油塗れのねっとりした世界において、
さらに油に塗れた兄と父。
「油のように陰湿な兄」
という形容の仕方が
ちょっと珍妙で笑ってしまいましたが、
そんな笑いなど吹き飛ばす
兄の活火山攻撃。
おええええええ(思いだし気持ち悪い)
それから・・・
おええええええ(思いだし気持ち悪い)
もうだめです。
きもちわるいです。
あぶらはもういいです。
兄「実家では潤滑油のような存在でした」
お祈りさせてください。
具体的にいうと成仏してください。
お願いします!!
後半は「橋」。
山奥で一人暮らしをする祖母の家を
訪ねた孫娘。
祖母の家に続く橋へ差し掛かると、
その上に白い着物の男性が立っている。
祖母の知り合いかと思いきや、
それは生きた人間ではなく・・・・・・
というような始まりの話でした。
遺体を板に乗せて川に流し、
橋に引っ掛からずに遺体が板に乗ったまま
流れていったら成仏。
橋に引っ掛かって遺体が落ちたら、
川底に沈んだまま成仏出来ない。
そんな奇習。
ずっと昔に死んだ初恋の婚約者。
それが今も成仏出来ずに
自分を川底に招いている。
夢かと思いきや、
橋の上に立っている金五郎さんの
「お袖さんは、ついさっき亡くなりました」
という言葉。
いくつもいくつも
奇妙で怪しくてわくわくしたり、
時にはどきりと恐怖を覚えたり、
そういう場面がある・・・のに、
あるのにっ、
どうしても・・・
祖母を呼ぶ死者「お袖ちゃ~~~ん」
お袖ちゃん推しの人々が
今宵もお袖ちゃんコールを熱烈に叫ぶ!
モテモテなお袖ちゃん!
だがしかし、
塩対応です!今宵も塩対応!!
・・・みたいな妄想が頭を巡って・・・
なんかもう笑いが・・・
いや、怪談として好きな傾向の話だけども、
こういうの好きなんだけど、
川底に沈んだまま成仏出来ずとか
切な虚しくて好みだと思ったけど・・・
けど・・・
「お袖ちゃ~~~~ん」
今宵も熱狂したラブコールが橋に響く!!
EDにも響く!!
ああ、笑いが・・・。
ていうか、
なんでEDで完全なる笑いをとりに来るんだ!
好きだけども!
笑っちゃうだろ!?(逆ギレ)