「伊藤潤二『コレクション』」

第2話の感想です。

 

こういう作品好きなんだけど、

とても好きなんだけど、

感想が・・・なんか・・・うまく・・・言葉に出来ない。

言葉にするより感じる作品のような気がする。

 

 

※ネタバレします。

 

 

◎「伊藤潤二『コレクション』」

 

 

☆第2話の感想

 

前半は、

 

とある大学の映画制作サークルが主演女優を募集した。

応募された1通に、ヒロインにぴったりの女性を見つけ、

期待に湧くサークル員たち。

しかし、別の1通には、

一度見たら二度と忘れられない衝撃的な風貌の、

異様な女性モデルの写真が入っていた・・・。

好奇心でその女性モデルも採用したサークル。

だが、山の中へロケに出かけたとき、

女性モデルが奇異な行動に出る・・・。

 

というような内容でした。

 

 

個性的な風貌の女性モデルは、

「淵さん」というお名前だそうです。

 

背がすらっと高くて(モデルだしね!)、

健康的な歯が沢山揃っていて(モデルだしね!)、

ドレスの裾をつまんで走る時も体にブレがない、

しっかりした体幹を持っていて(モデルだしね!)、

なにより目を引き付けて離さないお顔という、

もうモデルになるために生まれてきたとしか思えない、

そんな女性でした。

 

ちょっとこわ・・・個性的だけど、

声も可愛いし、怖がるなんて可哀相よ!

 

そう思って観続けました。

以下、私の印象の変遷。

 

ちょっとこわ・・・個性的だけど、

別に人間は見た目じゃないしね!

サークルの人達もそんな怖がったら可哀相よ!

 

ちょっとこわ・・・

個性的なうえに自分の出番が待ちきれなくて

スタッフに主張しにいく自己中心的なところがあるけど、

でも、ほら、これくらい押しが強くないと

多分芸能界ではやっていけないし!

人間見た目じゃないから!

サークルの人達もそんな怖がったら可哀相よ!

 

ちょっとこわ・・・

個性的なうえに自己主張が激しくて、

気に入った男性を高速で追っかけるけど、

に・・・肉食系女子ってだいぶ前に流行ったし!

そういう類の、ガンガンアピールする人なんだよ!

サークルの人達もそんな怖がったら可哀相よ!

 

ちょっとこわ・・・

個性的なうえに自己主張が激しくて、

気に入った男性を捕食しに行くし、

捕食(比喩)肉食系(比喩)脇役だけど主役を喰う(比喩)

かと思ったら、

あーヒロインの子が淵さんに食われたー(物理)!!

だったけど・・・けど・・・

面白いからよくない!?

駄目!?

サークルの人達も笑えばいいと・・・いや、食われてるか。

 

・・・淵さんはモデルというより芸人向きだろうか。

 

そんなことを思いました。

 

毎回、コンビ組んでる人が食われるから、

相方がいつも違う感じの。

そんな体当たり(相方が)漫才コンビ?

 

 

・・・なんか笑ってしまいました。

・・・あれ?この話って笑っていいんだよね?

駄洒落だよね?

 

 

 

後半は、

 

「夢が長い」と医者に訴える男性。

それは客観的に見れば錯覚に過ぎない現象だったが、

男性の感覚では夢は日増しに長くなっていった。

ついに一晩の夢が年単位の長さになり、

男性は日常生活を送れなくなった。

同時に、容貌も変化。

訳の分からない言動を繰り返し、

段々と人外の生物のようになっていく。

一方、同じ病棟には死を異様に恐れる女性が

入院していて・・・

 

というような内容の話でした。

 

なんだろう。

男性の変化の様子も怖かったし、

夢と現実の比重が完全に逆転しているのも怖かったし、

男性の担当医の行動も怖かったけど、

それよりなにより、

塵になった男性の意識がどうなったか分からないのが

怖いと思いました。

 

あの、未知の物質が

どういう作用をするのか分からないので、

もしかしたら、

塵になったあとの体でも

粉々になった意識で夢を見続けているのかも・・・。

ずっと夢から解放されないのかも・・・。

ずっとずっと夢の中で永遠に彷徨って・・・。

 

と思ったら、

なんだかぞわっとしました。

 

こういう根源を揺さぶられるようなホラー、

いいですよねえ・・・。

怖い。