「91Days」第8話の感想です。
※ネタバレします。
◎「91Days」
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☆第8話「帳の陰」の感想です。
ローレスに新しい連邦捜査官が着任した。
その捜査官・デルフィは何かしらの思惑を持って・・・
と思ったら、
高潔な思想と強い意志を持つ、
「清く正しい捜査官」だった。
なのに、アヴィリオとネロがあんな・・・あんな・・・
もう主人公側が悪役にしか見えない。
いや、そもそもマフィアだから悪ではあるんだけど
それにしても酷い・・・・・・・・・という8話。
8話も色々と衝撃的な回でした。
まず。
ファンゴがまともにマフィアをやってる!
凄くまともにドンをやってる!!
地元の有力者と手を結び、
ファミリーの力を強化していくファンゴ。
ゴルフなんぞやっちゃって、凄くドンっぽい。
ファンゴさん、そんな外交的なこと出来たんだ・・・。
そして。
ファンゴ「そろそろかもな」
部下「はい?」
ファンゴ「ヴァネッティを潰す頃合いだ」
ヴァネッティに対する時期もちゃんと見極めてる。
・・・ファンゴさん、ドンの器持ってたんだ。
てっきり一発花火のように打ち上がって
派手に消えるファミリーになるとばかり・・・・・・。
序盤から
ファンゴさんの立派なドン姿に衝撃を受けました。
次に。
アヴィリオとネロの変化。
新任捜査官のデルフィが、
密造酒に対する締め付けを厳しくしたので、
ネロ「この鼻デカの家に2、3発ぶち込め」
「それで駄目なら殺っちまえ」
最初っから軽く殺す気でいく方針のネロさん。
凄く大雑把で暴力的。
目の下に隈が出来てるし、
色々と心労と疲労があるせいだろうけど、
それにしても最初から捜査官を殺す気とは・・・・・・。
ちょっと酷くないですか、ネロさん。
そして、主人公アヴィリオ。
デルフィ捜査官に接触し、
アヴィリオ「越してきたばかりだと色々と物入りだろう」
札束をドンとだすアヴィリオ。
デルフィが「汚い金は受け取らない」と
きっぱり拒否すると
アヴィリオ「娘さん・・・確か4歳だったよな」
「家族は大事にしないとな」
お前・・・お前、それ完全に悪役の台詞じゃないか。
しかも胸糞悪い系の性質の悪い悪役の。
あんた、一応主人公ですよ。
見なさいよ、デルフィの後ろでコルテオが引いてますよ。
そして、デルフィのコーヒーに
勝手に砂糖を何杯も入れて去っていくアヴィリオ。
なんて悪質な犯行だ!
厚意なのか嫌がらせなのかはっきりしない!
・・・まあ、それはともかく。
ネロもアヴィリオも
もうすっかり「人間の屑」という言葉が
しっくりくるようになりました。
元々マフィアと復讐鬼の話なんで、
綺麗な人間性とかは全く期待も予想もしてませんが、
それにしても酷い。
だって、更に、こいつら
実際にデルフィの妻子を殺そうとしたんですよ!?
脅しだけならともかく・・・いや、ともかくじゃないが、
デルフィ本人ではなく妻子を殺ろうという
その腐った精神。
うわあ・・・。
うわあ・・・・・・。
流石の私も引いた。
しかし。
ネロは今回、ちょっと酷いですね。
本来ならば、ここまで急いで、しかもこんなに暴力的に
物事を進めようとする性格ではない・・・気がします。
もっとおおらかに人心を掴みつつも
マフィアとしてやることはやる。
そんな人間に見えてましたが、
どうも今回は様子が違う。
多分、フラテを手にかけてしまったこと、
もう自分しかファミリーを背負う人間がいないこと、
ファンゴファミリーとの緊張した関係、
その他諸々で余裕を失ってるんだと思います。
が。
それだけでなく。
そこにつけこむ悪魔の存在が大きいような気が・・・。
アンジェロという名の悪魔が・・・。
余裕を失って、すぐ暴力に走る傾向のあるネロを、
「いや、(デルフィだけを殺しても)
それじゃあ誰かが捜査を引き継ぐだけだ」
さり気なく後押しするアンジェロ(悪魔)。
元々「家族を殺せ」と言いだしたのはネロだけれど、
それに反対する声を潰して
悪い方に悪い方にネロを誘導するアンジェロ(悪魔)。
うわー・・・。
ネロさんすっかりアンジェロ(悪魔)の操り人形。
哀れな役者ですよ・・・。
・・・けど。
なんだろう。
着々とネロを破滅に導いてるアヴィリオですが、
どれくらいネロに冷徹になってるのかが
分からない部分もあります。
心労が激しそうなネロに対して
「いい天気だな」と気遣うような声をかけたり、
付きっ切りで警護・・・は復讐のためとしても、
頼れるガンゾですらネロに面会出来ないのに
常に側におかれるほど信頼されていても、
復讐相手の一人であるドン・ヴァネッティに
近付けるように働きかける素振りがなさそうだったり。
・・・どうなんだろう。
7話を観ているから復讐に揺らぎがあるなんてことは
ないだろうけれど、
アヴィリオが何を考えているのかが分からない。
このままネロにべったりついていて、
ドン・ヴァネッティを殺す機会を伺っているのか。
手紙の差出人、4人目の正体を探ろうと
思っているのか。
それとも、ネロやヴィンセント単体ではなく、
ヴァネッティファミリー全体を潰しきる気なのか。
お前達は俺の家族を殺し、家を燃やした。
だから、今度は俺がファミリーを殺し切り、
ファミリーを焼き尽くしてやるぜ!
ペンペン草も生えないくらいにな!
ひゃははははは!(悪魔)
という心持ちなのか。
それともそれとも。
無意識に復讐を先延ばしにしたい気が
僅かに、ほんの僅かにでもあるのか。
よく分かりません。
元々アヴィリオの心情に関しては
極端に描かれることが少ない、
わざと描かない作風なんだと思いますが、
それにしても見えなさ過ぎて困ります。
主人公なのにどう捉えていいのか分からない。
何を考えているのか、
どこを目指しているのか。
これからクライマックスになると思いますが、
少しは彼の心情が分かるといいなと思います。
・・・まあ、どうあがいても屑なのは知ってるけど。
で。
で、だ。
最後に、今回一番の衝撃。
コルテオーーーーーー!!
あああああああ、コルテオが。
この作品、唯一の良心、
いや、マフィアで密造酒作ってるけど・・・
でも感覚は唯一の一般人だと思ってた
コルテオが・・・。
コルテオが・・・・・・
もう戻れない領域に・・・。
ファンゴ?
ファンゴは・・・まあ、いいんじゃない?
油断し過ぎだけど、
彼らしい終わりで幕が引けたでしょう。
みんなのアイドル・ファンゴさん。
最期までアイドルとして華々しかった。
それはともかく。
コルテオが・・・。
コルテオ「お前が巻き込んだんじゃないか!!!」
仰る通りでございます!!!
元々マフィアと関わる気なんてなく、
お金を貯めて学校に行くのが夢だったコルテオ。
幼馴染のことを真っ直ぐに心配してたコルテオ。
それが、
幼馴染に友情を利用されてマフィアと知り合い、
流れでマフィアで密造酒を作ることになり、
あれよあれよと次期ドンの側近になり、
気が付けば抜けられない。
いつのまにか助けたかった幼馴染は
すっかりマフィアに染まり人間の屑に。
もう彼を止めるにはファンゴに情報を売って
ネロを消してもらうしか、
と思ったら、
そんなでこんなで人殺しだよ!!
・・・あああ。
コルテオの泥沼人生が辛い。
最後の、
壊れたレコードが何度も同じ部分を繰り返すなかで、
何度も同じようにファンゴを殴る動作を繰り返す
壊れたコルテオの図が、
なんか・・・もう・・・
うわあ・・・としか言葉が出ませんでした。
なんだか。
ますます陰惨な話になって参りました。
嫌いではないけれど「胸糞悪い」という言葉が
しっくりきます。
面白いけど胸糞悪い。
最後の砦だったコルテオもああなるなんて、
もうどこにも救いがない。
誰が死んでも惜しくない。
なんだろう。
「よくこのアニメ、
オリジナルでこれをやろうと思ったな」
そんな風に清々しい気分になりました。