「planetarian ~ちいさなほしのゆめ~」
第5話、最終話の感想です。

※ネタバレします。


◎「plaentarian ~ちいさなほしのゆめ~」
planetarian~ちいさなほしのゆめ~ HDエディション/KEY
¥4,104
Amazon.co.jp


☆第5話「ゆめみの願い」の感想です。

シオマネキの苛烈な攻撃に
絶体絶命の危機に追い込まれる屑屋。
そのとき・・・・・・



正直に書くと、
予想していたよりは、
あっさりというか、拍子抜けというか、
もう少しカタルシスが欲しかったな~という、
そんな印象の最終話でした。

命の危機に陥った屑屋を、
ゆめみが助けに来て壊れる。

予想したことが予想通りに起こって
終わってしまった、拍子抜け感。

死の間際のゆめみの長い語り。
切なくはあるんですが、
「泣かせよう、泣かせよう」というあの手この手が
逆に少し冷めた気分を呼び起こしたり・・・・・・。

良かったんですが、
もうちょっと、もうちょっとなんか・・・
と思う、最終話でした。


それでも、やはり切ない終わりは良かったです。

ゆめみの過去の幸せな記憶。
記録というよりも最早記憶ですよね・・・。
沢山の人に愛された記憶のあとにある、
プラネタリウムスタッフたちとの別れの記憶。
「旅行に行くだけ」「必ず戻ってくる」という
明らかな嘘を受け入れるゆめみ。
この場面は1話?かな?にもありましたが、
今また幸福な場面のあとに見ると
胸に来るものがあります。

そして、
一人待ち続けたゆめみの思考。

ゆめみ「お客様が いらっしゃるまで 
     私は 何度も 考えました」
     「館長さんや スタッフの皆さんは
     いつ 戻ってくるんだろう」
     「次の お客様は いつ いらっしゃるんだろう」
     「すると いつも同じ結論が出ます」
     「人間の皆さまはもう戻ってこない
      という結論です」
     「きっと 私は壊れているのだと考えました」

ここで初めて「壊れている」と言っていた意味を知り、
何とも言えない切ない気分になりました。
ああ、だから「壊れている」と繰り返していたのかと・・・。
それはゆめみの切なる願いだったんだろうなと思うと・・・。
辛い。

それから。
屑屋の優しい嘘。

屑屋「本当のことを言うとな、
   俺は、お前を迎えに来たんだ」
   「あの壁の向こうにはお前の新しい職場がある」
   「皆そこで待っている」
   「客も満員で、お前を待っている」
   「いつまでも、
   お前の好きなだけ働くことが出来るんだ」

屑屋さん、本当にいい人。
この優しさに感動しました。


けれど、同時に、
優しい嘘で一人置き去りにされ、
優しい嘘で看取られるゆめみは・・・・・・。

人間の役に立つように作られ、
作られたように人間の役に立つことが嬉しいと思い、
命令に忠実に人間を守って死ぬ。
それは確かに彼女の幸福なのだろうけど、
でも、本当にそれでよかったのか。

彼女を作りだしたのは人間で、
彼女の幸福を壊したのも人間で、
彼女の命を奪うロボットを作ったのも人間で・・・・・・。
本当にこれでよかったのか。

勿論、彼女が多くの人に愛されて、
スタッフたちにも本当に愛されて、
屑屋も彼女のことを心から想っていた・・・
それは嘘偽りない本当の事実だと思います。
でも、彼女の一生は人間に振り回されて終わった、
そんな風にも見え・・・。
・・・いや、人間は悪くなかった。
彼女の周りの人々はみな良い人たちばかりだった。
ああ、でも・・・

最終話を観ている間、
ずっとこんな思いにとりつかれて、
複雑な気分になりました。


なんだろう。
切なくも優しくもあり、辛くもあり、
なんだか苦しいような虚しいような、
そんな気分になる最終話でした。


正直、もうちょっとなにか・・・とは思いました。
でも、やっぱり心を動かされる最終話でした。
良かったです。


しかし、
ゆめみちゃん・・・かわいく美しかった・・・・・・。
あと、3話の投影シーンは最高だった・・・。