「Fate/stay night 
          Unlimited Blade Works」
第十六話の感想です。


※ネタバレします。


◎「Fate/stay night 
          Unlimited Blade Works」

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☆第十六話「冬の日、願いの形」の感想です。

セイバーを奪われ、アーチャーに裏切られ、
力を失った凛と士郎。
二人は、助力を得ようとアインツベルンの城に
向かうが、そこでギルガメッシュによる
イリヤとバーサーカーの殺害場面を目撃する。



凛に何度も釘を刺され、
押さえつけられてもなお、
咄嗟にギルに向かおうとする士郎。
命知らず・・・凄い・・・
けど、

ワカメ君がその数倍、いや数百倍凄かった!!

ワカメ「こいつは、僕の新しいサーヴァントでね~」
    言いつつ、ギル様の肩に手をぽんと乗せる。

ひえ、
ひええええええ!
こわいこわいこわい!

ワカメ「死んじゃえよ!お前!」

ギル様に指図を!?
いやああああああ!
こわいこわいこわい!!

ワカメ「殺れ!ギルガメッシュ!!
    衛宮も遠坂も皆殺しだ!!」

ギル様に命令を!!?
もうやめてええええ!
こわいこわいこわいよおおおお!

ワカメ君のあまりの命知らずの数々に、
観ているこっちが震え上がりました。
凛と士郎が殺されるかもという恐怖より、
ワカメ君が瞬殺されるのではという恐怖で
ハラハラドキドキという、よく考えるとおかしな展開。
主人公とヒロインの生死よりも、
どう考えてもクズな小物の生死にはらはらさせられる。
ワカメ君、凄いです。

しかし、そこまでしてもワカメを自由に呼吸させている
ギル様。
これは・・・相当気に入ってるんですね。
道化として。
まあ、見てて愉快ではありますけどね。

ワカメ「後悔するなよ、遠坂!
    もうなかまにしてやらないからな!!」

まあ・・・愉悦部として見過ごせない人物ではある・・・
のかもしれません。

そう考えるとワカメ君、凄いな。
ギル様のお眼鏡に適う小物。
道化も見飽きていただろうギル様を
愉悦させる小物。
傑物の小物。
珠玉の小物。
もうよくわからない。
ワカメ君、凄い。


それはともかく。
バーサーカー陣営の敗北により、
またしてもキャスターとどう対決するかという
問題に悩まされる士郎たち。

と、思ったら、
意外な協力者が登場。
最近見ない気がしてたランサー。

しかも、敵としてでなく普通に会話してみると、
あれ?意外と愉快でさっぱりした青年だ。
思っていたより親しみやすくて信頼出来そう。

士郎「仲間だからって、気安く遠坂には近寄るな」
   「言っとくけど、遠坂はやらないからな」
ランサー「いや、いいね、お嬢ちゃん。
      坊主、あんたにぞっこんじゃないか」

話が分かるし、ノリもいい。

凛「な、何言ってんのよ、あんた!
  私と士郎は・・・その、そう!(略)
  ただの協力阿関係なんだから!!」
ランサー「え~~?そうかぁ~~??」
凛「士郎も何かいいなさいよー!」
士郎「・・・・・・」
凛「ちょ・・・なんか言いなさいよ、ばかぁ」

うむ。
素晴らしい流れだ。
凛が可愛い素晴らしい。
ランサー、お前、いい奴だな!

そんなわけで、凛の可愛さを存分に引き出せる
能力が素晴らしかったため(?)
ランサーが仲間になりました。
これでアーチャーも嫉妬のあまりに戻ってくるでしょう。
うん。完璧だ。

で、
意気揚々と?教会に襲撃開始のところで
今回は終了してました。
ランサー対アーチャー。
キャスター対凛&士郎?
次回も楽しみです。



しかし。
凛が可愛かったのは素晴らしかったのですが、
あの場面の士郎。
以前の告白めいたシーンもそうでしたが、
全く照れも何もなく言葉を口にしますね。
あまりに羞恥も何もなく真っ直ぐに淡々と。

・・・本当に恋愛なのでしょうか。
士郎特有の博愛の延長なだけなのではないでしょうか。
どうしてもそういった思いが湧きあがってきて・・・
確かに士郎は「壊れている」と思います。

自分より他人を大事にする、
というと、一見聞こえはいいけれど、
本当に心底それを徹底すると狂気になる。
自分の命よりも他人の命の方が大切なんて
生物として人間として壊れている。

士郎と見ているとよく分かります。
イリヤの墓の前の首を傾げる表情。
心の底から理解出来ないという、あの顔。
ぞくっとしました。

士郎・・・いいね!

輝かしい理想を追いすぎて壊れてしまう。
そんな狂気に落ちる人間の姿も素敵だと思います。

あー。
それと・・・あとマスターとサーヴァントの関係というか、
相似?かなあ?についても書こうかと思っていた
けれど、今回は疲れたのでやめます。
また機会があったら書くかもしれません。

ただ一つだけ。
輝かしい理想を追い過ぎて、
理想に縛られて呪われる。
自分も周りも不幸になる。
士郎もセイバーも、そして切嗣にも
そんなイメージがあります。
なんというか・・・遣り切れなくもあり、
士郎と切嗣は親子だなあとも思います。
なんとも言えない気分になります。
ああ・・・なんとも言えない。