「アルドノア・ゼロ」
全二十四話、視聴終了後の感想です。
※ネタバレします。
◎「アルドノア・ゼロ」
☆全話視聴後感想
なんだか。
「凄い最終回(悪い意味で)」だと聞いていたので、
胸がどきどきわくわくしちゃいながら観たんですが、
意外と場面場面で謎の感動をしてしまって、
負けた気分です。
でも、確かに「凄い最終回」ではありました。
火星で見つかった古代のオーバーテクノロジー
「アルドノア」。
その技術を巡って人々の間に対立が生まれ、
人類は「地球人」と「火星人」に分かれた。
そして、二つの惑星間に戦争が生まれた。
時が経ち。
火星の姫・アセイラムは現状を憂い、
二つの星の架け橋となるべく地球を訪れる。
だが、その祈りとは裏腹に、
王女暗殺計画が地球上で動き始めるのだった。
というような始まりだった、この作品。
冒頭の衝撃的なアセイラム姫暗殺(本当は未遂)を
切欠に、地球と火星の間に再び上がった戦火。
そして、次第に激化する戦闘が、
地球の少年・伊奈帆と火星に育つ地球生まれの
少年・スレイン、そして二人が思いを寄せる
アセイラム姫を中心に描かれていった・・・?
・・・たぶん・・・のですが・・・。
思い返すと・・・
アルドノアのテクノロジーを用いた火星ロボ怖い!
いや、待たれよ。
火星ロボ、アルドノアのテクノロジーを浪漫に使いすぎ!
もっと実用的にして!
いや、待たれよ。
伊奈帆とスレインのアセイラムを巡る三角関係が
熱い!
いや、待たれよ。
ほぼスレインが片思いで暴走してるだけじゃないのか!
いや、待たれよ。
死んだ!死んでない!死んだ!死んでない!
いや、待たれよ。
気が付いたらスレインが戦争を率いる立場になって、
姫は昏睡状態だし、もうどうすれば!
あ、伊奈帆さんはいつも最強です。
いや、待たれよ。
とにかく和平!和平ったら和平!
あ、クランカイン卿と結婚します!
・・・いやいやいやいや、待たれよー!!
・・・というような感じで。
結局、何だったのだろうという気分が・・・。
ロボなのか戦争なのか恋愛なのか、
何だったのだろう・・・。
なんかもう、
何もかも「思い出です」みたいな気分だ。
これがアルドノアの力か・・・。
んーでも。
私はスレイン中心に見ていて、
不幸なスレインをそれなりに堪能したので、
最終話を観てそこそこ満足しました。
一期という名の前半部分は、
火星に育った「卑しい地球人」として
ひたすら虐げられ、振り回されるだけという、
まさに不幸そのものだったスレイン。
自分の意思で何かを決定することがなく、
とにかく芯もなくふらふらしてるなー、
時々やらかすなーと思っていました。
それはそれで不幸で面白かったんですけど、
でも、少し可哀相度が強かったかなー・・・。
特に拷問シーンは・・・。
ですが。
二期という名の後半になったら、
一転してしっかりした顔つきになり、
「アセイラム姫のため」という原動力は
変わらないままながら、芯が定まって良い男に・・・
別になってなかったんだよね、これが。
肝が据わって目的のために行動するという部分は
大いに変化したんですが、
人間としては・・・別方向に駄目な方に行きましたね。
ええ。
「アセイラム姫が争いのない平和な世界を
望んでるから、火星のトップに立って
地球人を殲滅しつくし、平和を創るぞ」
馬鹿なのかな?
・・・あ、ごめん。つい。
これは昏睡中のアセイラム姫も目を覚まし、
「そうじゃねーよ」と突っ込みを入れたくなるほどの
思考の飛躍だと思います。
まあ、アセイラム姫の「とにかく和平」も相当だと
思いますが・・・。
うーん・・・しかし。
姫が望んだ方法でないことを知りつつ、
姫のために出来ることを最大限にやろうとし、
結果、悪人になることも厭わないスレインの駄目さ。
その辺りはわりと好きでした。
自分の欲望と少しの大義のために、
敵の命も味方の命も散らし、
ザーツバルムを殺し、
レムリナを利用し、
アセイラムすら裏切りながら、
それでもアセイラムの望んだ世界を創ろうとする、
ハークライトやレムリナや自分のような人間を
生まない世界を創ろうとする(・・・かなあ?)。
そのためには悪人となろうとも、
当のアセイラムに嫌われようと構わない。
その間違った方向への決意の強さ。
と、思ったら、
最終話直前でアセイラムが女王として
「地球と和平を」と全世界に向けて発言してしまい、
その直後にすぐ投降を決断するという、
「お前は何がしたかったんだ!」というほどの
急激な姿勢の変化。
まあ、これは、もう自分に勝機がないと見てとり、
また、アセイラムの意思の強さを知り、
自分に従う部下の命だけは助けようという
思惑だったんでしょうが。
勝手な決断で多くの人々の命を失わせ、
勝手な決断で従う部下の思いを裏切り、
それでいて完全に悪人になりきることも出来ず、
牢の中で
「騙した。奪った。殺した。多くの仲間を犠牲にした。
頼む(殺してくれ)・・・」
「どうして僕を助けた!!」
と、殺して欲しいと伊奈帆に頼むほど
罪悪感に苛まれるみっともない姿。
なんだろう。
全てがすごくどうしようもないんですけれど、
そのどうしようもなさが人間らしくていいな、と。
スレインはやっていることが
どうにも空回りで最低で、ツキもなく、
どうしようもない人なんですが、
そこがいいなあと。
最終話で改めて思いました。
最初はビゾンさんみたいに突き抜けて
駄目になってくれたらな~と思ってたんですが、
スレインは突き抜けきれずにぐだぐだしてしまう、
結局、悪人になりきることすら出来ない。
そういう駄目さが魅力だなと思いました。
レムリナのことも自覚的に利用しておきながら、
最終話で二人きりの時間を作って彼女の気持ちを
慮ったり、それでいて彼女の命を助けるために
ハークライトに預けたり、
最後まで誠実な裏切者で、優しさと酷さの同居が
本当にどうしようもないなと。
そこが、らしくていいなと思いました。
最後も格好よく伊奈帆に殺害されるじゃなくて、
ぐだぐだ牢で終身刑、だしね・・・。
どうしようもないなあ。
というか、姫様、無自覚に鬼畜ですなあ・・・。
まあ、もう仕方ないから、
牢で振られた男二人、
チェスでもしながら「女なんて」って愚痴ればいいよ。
結局。
伊奈帆は姫の懇願のためにスレインに止めを刺す
ことが出来ず、
スレインは姫の願いのために戦争を拡大し、
戦争を終結させ、死ぬ権利すら奪われた。
恋ってのは恐ろしいな!
女って魔女なのよ!
んで、男は哀れなのよ!
という・・・話だったのだろうかw
もう仕方ないので
伊奈帆とスレインの二人で嫌々仲良くすればいいと
思います。
こうして和平はなされた。
めでたしめでたし?
色々とアレな物語でしたが、
スレインのアレさは好きでした。
全二十四話、視聴終了後の感想です。
※ネタバレします。
◎「アルドノア・ゼロ」
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☆全話視聴後感想
なんだか。
「凄い最終回(悪い意味で)」だと聞いていたので、
胸がどきどきわくわくしちゃいながら観たんですが、
意外と場面場面で謎の感動をしてしまって、
負けた気分です。
でも、確かに「凄い最終回」ではありました。
火星で見つかった古代のオーバーテクノロジー
「アルドノア」。
その技術を巡って人々の間に対立が生まれ、
人類は「地球人」と「火星人」に分かれた。
そして、二つの惑星間に戦争が生まれた。
時が経ち。
火星の姫・アセイラムは現状を憂い、
二つの星の架け橋となるべく地球を訪れる。
だが、その祈りとは裏腹に、
王女暗殺計画が地球上で動き始めるのだった。
というような始まりだった、この作品。
冒頭の衝撃的なアセイラム姫暗殺(本当は未遂)を
切欠に、地球と火星の間に再び上がった戦火。
そして、次第に激化する戦闘が、
地球の少年・伊奈帆と火星に育つ地球生まれの
少年・スレイン、そして二人が思いを寄せる
アセイラム姫を中心に描かれていった・・・?
・・・たぶん・・・のですが・・・。
思い返すと・・・
アルドノアのテクノロジーを用いた火星ロボ怖い!
いや、待たれよ。
火星ロボ、アルドノアのテクノロジーを浪漫に使いすぎ!
もっと実用的にして!
いや、待たれよ。
伊奈帆とスレインのアセイラムを巡る三角関係が
熱い!
いや、待たれよ。
ほぼスレインが片思いで暴走してるだけじゃないのか!
いや、待たれよ。
死んだ!死んでない!死んだ!死んでない!
いや、待たれよ。
気が付いたらスレインが戦争を率いる立場になって、
姫は昏睡状態だし、もうどうすれば!
あ、伊奈帆さんはいつも最強です。
いや、待たれよ。
とにかく和平!和平ったら和平!
あ、クランカイン卿と結婚します!
・・・いやいやいやいや、待たれよー!!
・・・というような感じで。
結局、何だったのだろうという気分が・・・。
ロボなのか戦争なのか恋愛なのか、
何だったのだろう・・・。
なんかもう、
何もかも「思い出です」みたいな気分だ。
これがアルドノアの力か・・・。
んーでも。
私はスレイン中心に見ていて、
不幸なスレインをそれなりに堪能したので、
最終話を観てそこそこ満足しました。
一期という名の前半部分は、
火星に育った「卑しい地球人」として
ひたすら虐げられ、振り回されるだけという、
まさに不幸そのものだったスレイン。
自分の意思で何かを決定することがなく、
とにかく芯もなくふらふらしてるなー、
時々やらかすなーと思っていました。
それはそれで不幸で面白かったんですけど、
でも、少し可哀相度が強かったかなー・・・。
特に拷問シーンは・・・。
ですが。
二期という名の後半になったら、
一転してしっかりした顔つきになり、
「アセイラム姫のため」という原動力は
変わらないままながら、芯が定まって良い男に・・・
別になってなかったんだよね、これが。
肝が据わって目的のために行動するという部分は
大いに変化したんですが、
人間としては・・・別方向に駄目な方に行きましたね。
ええ。
「アセイラム姫が争いのない平和な世界を
望んでるから、火星のトップに立って
地球人を殲滅しつくし、平和を創るぞ」
馬鹿なのかな?
・・・あ、ごめん。つい。
これは昏睡中のアセイラム姫も目を覚まし、
「そうじゃねーよ」と突っ込みを入れたくなるほどの
思考の飛躍だと思います。
まあ、アセイラム姫の「とにかく和平」も相当だと
思いますが・・・。
うーん・・・しかし。
姫が望んだ方法でないことを知りつつ、
姫のために出来ることを最大限にやろうとし、
結果、悪人になることも厭わないスレインの駄目さ。
その辺りはわりと好きでした。
自分の欲望と少しの大義のために、
敵の命も味方の命も散らし、
ザーツバルムを殺し、
レムリナを利用し、
アセイラムすら裏切りながら、
それでもアセイラムの望んだ世界を創ろうとする、
ハークライトやレムリナや自分のような人間を
生まない世界を創ろうとする(・・・かなあ?)。
そのためには悪人となろうとも、
当のアセイラムに嫌われようと構わない。
その間違った方向への決意の強さ。
と、思ったら、
最終話直前でアセイラムが女王として
「地球と和平を」と全世界に向けて発言してしまい、
その直後にすぐ投降を決断するという、
「お前は何がしたかったんだ!」というほどの
急激な姿勢の変化。
まあ、これは、もう自分に勝機がないと見てとり、
また、アセイラムの意思の強さを知り、
自分に従う部下の命だけは助けようという
思惑だったんでしょうが。
勝手な決断で多くの人々の命を失わせ、
勝手な決断で従う部下の思いを裏切り、
それでいて完全に悪人になりきることも出来ず、
牢の中で
「騙した。奪った。殺した。多くの仲間を犠牲にした。
頼む(殺してくれ)・・・」
「どうして僕を助けた!!」
と、殺して欲しいと伊奈帆に頼むほど
罪悪感に苛まれるみっともない姿。
なんだろう。
全てがすごくどうしようもないんですけれど、
そのどうしようもなさが人間らしくていいな、と。
スレインはやっていることが
どうにも空回りで最低で、ツキもなく、
どうしようもない人なんですが、
そこがいいなあと。
最終話で改めて思いました。
最初はビゾンさんみたいに突き抜けて
駄目になってくれたらな~と思ってたんですが、
スレインは突き抜けきれずにぐだぐだしてしまう、
結局、悪人になりきることすら出来ない。
そういう駄目さが魅力だなと思いました。
レムリナのことも自覚的に利用しておきながら、
最終話で二人きりの時間を作って彼女の気持ちを
慮ったり、それでいて彼女の命を助けるために
ハークライトに預けたり、
最後まで誠実な裏切者で、優しさと酷さの同居が
本当にどうしようもないなと。
そこが、らしくていいなと思いました。
最後も格好よく伊奈帆に殺害されるじゃなくて、
ぐだぐだ牢で終身刑、だしね・・・。
どうしようもないなあ。
というか、姫様、無自覚に鬼畜ですなあ・・・。
まあ、もう仕方ないから、
牢で振られた男二人、
チェスでもしながら「女なんて」って愚痴ればいいよ。
結局。
伊奈帆は姫の懇願のためにスレインに止めを刺す
ことが出来ず、
スレインは姫の願いのために戦争を拡大し、
戦争を終結させ、死ぬ権利すら奪われた。
恋ってのは恐ろしいな!
女って魔女なのよ!
んで、男は哀れなのよ!
という・・・話だったのだろうかw
もう仕方ないので
伊奈帆とスレインの二人で嫌々仲良くすればいいと
思います。
こうして和平はなされた。
めでたしめでたし?
色々とアレな物語でしたが、
スレインのアレさは好きでした。