「アルドノア・ゼロ」
第十三話~第十四話の感想です。


※ネタバレします。

◎「アルドノア・ゼロ」
アルドノア・ゼロ B2タペストリー/ブロッコリー
¥3,240
Amazon.co.jp


☆第十三話「眠れる月の少女」の感想です。

あの惨劇から19ヶ月後。
地球と火星の戦争は終結することなく、
更に激しさを増し継続していた。


第一期というのか前編というのか、
とにかく前回の終わりで、
アセイラム姫、銃殺(か?)、
伊奈帆、銃殺(か?)、
という、とんでもない展開で一旦幕を下ろした、
この作品。

まあ、とは言っても、
ヒロインとヒーローが死亡じゃ話にならないよね。
生きてるよ、多分。
大丈夫、大丈夫~♪
なんて軽く考えてましたが、それどころじゃなかった。

相変わらずオーバーテクノロジーだけに頼り、
慢心しまくりで攻めてくる火星人。
それに追い詰められる地球人。
と、そのピンチへ颯爽と登場する伊奈帆君!

って、待たれよ。
お前、なに普通に生きてるんだ。
しかもピンピンしてカタフラクトまで操縦してやがる。
あ、目は義眼なんですね。
でも、別にだからといって大したことなさそうですね。
相変わらずの頭の冴えだし。
撃たれても特にどうってことなかったですね。
良かった良かった。

一方、伊奈帆が以前とほぼ変わらない態度で
登場したのとは逆に、以前とは真逆の言動で
登場したアセイラム姫。
地球と和平をと言い続けた彼女はどこへ。
火星による地球侵略を肯定、鼓舞する演説を
全世界へ発信し続けるアセイラム姫。

って、待たれよ。
あんたも、なに普通に生きてるんだ。
しかもどうしちゃったんだ。
え?何?違う?違う人なの?
そうだよねー。

そのアセイラム姫を騙るレムリナ姫を
手中に収めて利用しているのは、
ザーツバルム伯爵。

って、待たれよ待たれよ。
流石に、流石にそれは無理なんじゃないですか!?
あんだけスレインに蜂の巣にされといて、
何事もなかったかのように登場するとか!
え?
どういうこと!?

そして、その謎に答えるように挟まる過去回想。
あの時。
スレインは瀕死のザーツバルムにこう言ったのだ。

「ようやく、心が決まりました」
「これまでと、そして、これからの御無礼を
どうぞお許し下さい」
「(銃口を向けつつ)今、貴方を救えるのは僕だけです。
伯爵、志半ばで死ぬか、アセイラム姫と共に生きるか。
御決断を」

いやいやいやいやいや!
待たれよ待たれよ待たれよ、待たれよってば!!
自分でうわあああとかって弾丸をこれでもかと
ぶち込んでおいて、
「御無礼をお許し下さい」
とか言われても!
そして
「ここで死ぬか、姫と生きるか選べ」
とか言われても!
そんなの流石のザーツバルム伯爵も・・・
普通に受け入れたんかい!!

スレインとザーツバルム伯爵の破天荒ぶりに
私は笑いが止まらない。

というか。
スレインが出てる場面は大体笑ってた。
もう最初の「サー・スレイン・トロイヤード」から
爆笑だった。
サーwスレインwトロイwヤードwww
みたいなノリだった。

そんで、最後まで。
十三話の最後。
スレインが跪く先には、
治療ポッド?の中に浮かぶ昏睡状態のアセイラム姫が。

スレイン「ただ今戻りました、アセイラム姫。
      今日もご機嫌麗しゅう」

クルーテオ卿ー!クルーテオ卿ー!
どこにいらっしゃいますかー?
今ですよー。
お仕置きするなら今ですよー。
死んでる場合じゃないですよー。
こいつの頭を後ろからスパーンとお願いします!
ご機嫌麗しいわけないだろ!
爆笑しました。

いやあ、スレイン君、最高ですね!
今期も楽しめそうで何よりです。
勿論、伊奈帆と姫、ザーツバルムや火星と地球の
行く末も気になります。
気になります。
が。

サー・スレイン・トロイヤードのぶっちぎりに
私はとても期待している。

頑張ろうね!
サー・スレイン・トロイヤード!



☆第十四話「異星の隣人たち」の感想です。

一期の終わりで状況ががらりと変わってから、
初の大規模戦闘・・・というよりも、
伊奈帆とスレインの接触でした。


まだ後半が始まってすぐなので、
展開的にはあまり感想はありません。

ですが、

伊奈帆とスレインの邂逅が熱い!

二人が互いを認識する戦闘の場面は
ずっとニヤニヤして観てました。
いいよねえ。
ああいうの、燃える。


それにしても。
伊奈帆もスレインも、見ていると
好きとも嫌いとも言い切れない複雑な感情が
湧きあがってきて面白いです。

伊奈帆は常に冷静で頭が切れ、頼りになる。
その異常な冷静さで敵を退け、
仲間を守る姿はひたすらに格好良い。
知識と機転だけで技術が遥か上の相手を
倒していくのは爽快です。
憧れずにはいられない。

ですが。
冷静過ぎて人間味がなく、
共感を抱けない部分も多々あります。
今回も韻子に対する軽口(?なのかな、あれは?)は
人として大切な物が欠落してる印象がありました。
あいつ、女の敵だな!
・・・は、いいとして。
自分の言動の何がまずかったかも分からない。
そんなところには若干、恐怖すら覚えます。

また、地球や火星の状況や、世界の未来、
大多数の人々の思いなどとは無縁のところで
ただ戦争を続けて、火星人を殺め続けているのではと
思われるところも少し怖いです。
伊奈帆はいつも語らない人だから
考えてはいるかもしれないけれど。
でも、そこまで切実な理由が彼にあるのだろうか。

伊奈帆は憧れと同時に恐怖を感じます。
好きとも嫌いとも言い切れない。

一方、スレインは。
とにかく不幸な境遇で生活してきて、
火星人に虐げられ続けてきたのに、
それでも火星の姫への忠誠は揺るがずに
ひたすら姫のために生きようとしている。
その姿には同情心を掻き立てられます。
ザーツバルム卿に会い、その思想に触れてからは、
火星人としての未来も考え始めたようで、
人間としての軸が少し定まってきたようにも見えます。
が、それでも報われないだろうと予感させるところが、
また何とも言えず同情せずには、応援せずには
いられない。

しかし。
アセイラム姫への思慕や、レムリナ姫への
同情と共感や、ザーツバルムへの・・・傾倒?など、
彼にとっては全て一途に素直に振る舞っている
だけの行動でしょうが、全てが独りよがりのように
見えて共感し辛い部分も多々あります。
アセイラムが本当に望んでいること。
レムリナが本当に望んでいる思い。
ザーツバルムは・・・いいや。あいつも大概だ。
相手の気持ちを汲んでいるようでいて、
実は自分の思いだけを先行させている。
そんな風に見えて空恐ろしさを感じます。
本人が無自覚だろうところがまた怖い。

火星や人々の未来も考えているようで
本当には考えていない。
アセイラム姫との未来のためだったなら
人々がどんな不幸に落ちようとも構わない。
そんな風に見える危うさも恐怖です。

スレインは同情を呼びつつも恐怖も感じます。
好きとも嫌いとも言い切れない。

伊奈帆とスレイン。
両者とも見ていると複雑な思いが湧いて、
何だか面白いです。
どちらにも好きと嫌いが混在する。
面白いです。
彼ら二人がこれから最終回までに
どんな変化を見せてくれるかが楽しみです。


んがっ。

私は断然スレイン派だね!
だって、伊奈帆は才能にも知識にも
戦闘センスにも恵まれていて、
姉という家族もいるし、
友達も多いし、
上官にも頼りにされてるし、
韻子には一途で重くない愛情を向けられてるし、
姫にも愛されてる。
でも、スレインは家族なし友達なし、
上官は過去には虐待してくる人だったし、
現在は利用し利用される油断出来ない関係、
レムリナ姫は多分ヤンデレで面倒くさいし、
ずっと想って来た姫には愛されてない!
おまけに知識もいまいちで姫に間違ったことを
教えたから伊奈帆に影武者を悟られてしまう
体たらく!
スレインが哀れでならない!
これから不幸が待ってそうなところも、
ああ、スレイン君、可哀相だよう可哀相可愛い。
そんな感じで、
私はサー・スレイン・トロイヤードを応援している。
が、別に幸福にならなくてもいい。
不幸な道程で魅せてくれないかなと思ってる。
思いっきり同情出来るといいなあ。
そんで、最後に張り切って姫に振られようね!


えーっと・・・。
何が言いたいのか分からなくなってきましたが。
とにかく。
今回は伊奈帆とスレインが互いを認識する場面が
熱くて素敵でした。

伊奈帆「タルシス・・・軌道騎士クルーテオ伯爵が
     所有した機体。
     後にザーツバルム伯爵が所有し、
     配下の騎士が搭乗する。
     搭乗者の名前は・・・」

スレイン「オレンジ色の機体」
      「界塚伊奈帆。生きていたのか」

伊奈帆「見つけた。スレイン・トロイヤード」

うわー燃える!
いいねえ!
いいねええ!

にやにやしました。
これからが楽しみです。