「PSYCHO-PASS2」
第十話の感想です。


※ネタバレします。

◎「PSYCHO-PASS2」
PSYCHO-PASS サイコパス2 スクエア缶バッジ 01.常守朱/PROOF
¥540
Amazon.co.jp


☆第十話「魂の基準」の感想です。

地下鉄を暴走させ、
五百人の人質をとった鹿矛囲。
一方、祖母が敵の手に落ちた朱は
捜査を外されてしまう。
しかし。



雛河「か、鹿矛囲ってドミネーター効かないのに
    ど、どうやって・・・・・・」

やだなあ。
ヘルメットがあるじゃないですかあ。
忘れたんですか?
ふふふ。

とか思ってごめん。


それはともかく。
前回、何故、鹿矛囲がドミネーターに拘るか
分からないと書いたんですが、
その理由が今回明らかになりました。

シビュラの居場所を知るため。
そのために今までドミネーターを集めていた。

そういうことだったんですね。
シビュラがシビュラ自身を裁くために
ドミネーターが必要という理由もあるんだと思いますが、
こういう使い方のためにも必要だったと。
おお、なんかすっきりしました。

というか、どうやってシビュラの場所を突き止めるか、
それを考える鹿矛囲たちやグソンは凄いなあと
コンピューター関連は全然分からない私は思います。
まあ、説明されても仕組みは分かってないんだけど!
なんとなくで観てるんだけど!


しかし、そこはすっきりしたんですが、
やはり腑に落ちない部分もあります。

何故、酒々井のドミネーターを止めないのか。
何故、酒々井の監視官権限を剥奪しないのに、
朱の監視官権限は剥奪しようとするのか。
何故、「理想的市民」である朱を
黒く染めようとするのか。
何故、現時点でもエリアストレスは測っているのに、
集団的サイコパスを測ることを躊躇うのか。
(集団的サイコパスで裁くことと、
単にエリアストレスを計測することは違うことかなー)
何故、シビュラが全能であるという前提なのか。

色々と疑問があるんですが、
やはり一番しっくりこないのはこれ。

朱「シビュラシステム、
  あなたたちがこの社会に存在を許されている
  理由は、平等で完璧な裁きを行えるからよ」
  「その完全性に綻びが生まれた今、
  あなたたちの存在価値そのものが
  揺らいでいると言っていい」

そうかなー・・・。
シビュラシステムって完全を装っているけれども、
完全ではない。実体は完全ではなくても
「完全と思われる」ことが重要。
そういうシステムだと思ってるんだけど・・・。
あと、シビュラが社会に存在を許されているのは、
シビュラが平等で完璧な裁きを行うからではなくて、
人々の幸福な生活・人生を守っているから、
だと思うんだけど・・・。

うーん・・・。
まーこれらは私が一期を観て勝手に思ってる
だけなんで、そうではないのかもしれませんが。
なんにしても二期を観てもやもやしてしまうのは、
こういう諸々の前提が私と二期で食い違っている
からだと思います。
一期を観ての印象を置いておいて、
二期はこういう前提なんだということを
頭に叩き込んで観直してみたら、
今とは違う二期がきちんと見えるのかもしれません。
でも、今は無理。
そのうち頭をクリアにして二期を観直してみたいと
思います。


こんな感じで。
色々と疑問のような不満のようなものを
書き連ねてしまいましたが、
今回、ちょっと感動した部分もありました。

祖母の無惨な遺体を局長に見せられた朱。
絶叫して動揺甚だしい朱。
その背後から語りかけてきた狡噛(妄想)。
この場面。

そもそも朱は鉄のクリアメンタルを持つ人間です。
が、それは免罪体質とは異なる、
むしろ真逆の精神なのではないかと思われます。
免罪体質は人間や社会に、無意識の根底から
異常なほど価値を感じない人間。
対して朱は、人間や社会に、無意識の根底から
異常なほどの価値や信頼を持っている人間。
特に何が根拠というわけではないのですが、
私は勝手にこう思っています。

「犯罪」というものは不満や絶望が
他害という形で現れたもの。
そこには社会や他人に対する否定の思いがある。
それが犯罪係数という形で表される。
なら、朱はその逆ではないか。
どんなに悲嘆や憤りを感じても、
根本から社会や他人を否定することはない。
どんな目に遭っても社会や人間の「良さ」を
無意識に信じている。肯定している。
だから朱はクリアなのではないか。
私は勝手にこう思っています。

しかし今回、その朱ですらも祖母の死を前に、
他人への全否定=殺意を止められなくなりそうに
なった。
クリアが揺らぎそうになった。
黒く染まりそうになった。

で。
その時に現れたのが狡噛さんの妄想なんですよ!
狡噛が朱をクリアな方に引き戻してくれたんですよ!

なんていうか。
感動しました。
かつて朱は狡噛を止めることが出来なかった。
狡噛は朱の手を振り払っていった。
朱の信頼を裏切って行った。
二人の出会いは辛い結末になった。
でも、今、黒くなりそうだった朱を掴んで
クリアな方へ引き戻したのは狡噛なんですよ!
今回は狡噛への信頼が朱を救ったんですよ!
朱は狡噛を救えなかったけれど、
狡噛は朱を救えたんですよ!
なんか・・・こう・・・
二人が出会っていてよかったと、
心から思える場面で・・・
私は感動しました。
二人の出会いが辛いことばかりでなくて良かった。



そんな感じで。
疑問や不満や感動や、
色々ありつつも次回、最終回みたいです。
楽しみ怖いです。
が、楽しみです。

鹿矛囲や東金さんはどうなっちゃうのかな~。

楽しみです。