「蟲師 続章」第七話の感想です。
※ネタバレします。
◎「蟲師 続章」
☆第七話「日照る雨」の感想です。
日照りの村を訪れる旅の女。
彼女は一粒の雨も落ちそうにない空を見上げ、
「もうすぐ恵みの雨が降る」と予言する。
その言葉通り、数日後に雨が降り始めた。
日照りの村を訪れ、「もうすぐ雨が降る」と予言すると、
100%その通りになるという女性・テル。
その彼女の物語でした。
逃げ水を捕まえてしまってから、
常に雨に付き纏われるようになったテル。
初めは日照りに対し恵みの雨と喜んだ人々も、
続く長雨による被害に、次第に雨を呪うようになる。
同時に、それを連れてきたようなテルに対しても
疑念を抱き始め・・・。
そして、テルは一つ所に留まれず、
流れるようにして生きることを余儀なくされた。
この、最初は雨を喜ぶけれど、
次第に疎むようになるという人々の変化。
よーく分かりました。
農家というのは大体そうではないかと。
日照りが続けば太陽を呪い雨を求め、
雨が続けば雨を呪い太陽を求める。
そうでなければ生きていけないから困るというのは
重々承知の上ですが、
何て勝手なんだろうと毎度毎度思います。
人って勝手よね!
そんな人間の勝手さと、
しかしそれでなければ生きていけない事情の前に、
ただただ流れるように旅から旅への生き方を
強いられてしまったテル。
ヤスに「俺と所帯を持ってここにいてくれ」と言われても、
理由すら説明出来ないで断るしかないテル。
雨が降らなければ日照りに苦しみ、
切羽詰って抗議する人々の怒りに曝されるテル。
逆に、雨が降り続ければ作物が死に、
やがては人も死んでいくという重荷に
苦しめられるテル。
彼女の半生は辛いことばかりの、
重苦しく遣り切れないものに見えました。
実際、彼女の心はどれほど傷ついてきたか
しれません。
涙は出ないけれども、
その心にはどれほどの雨が降ったのでしょうか。
そして、その心の雨の代わりに、
彼女の周囲にはいつも空からの雨が付いて回り、
彼女はまた違う土地に移らなければならない・・・。
ああ、なんて遣り切れない運命。
しかし、最後、そんな彼女の世界が変化する
瞬間がありました。
ギンコの言葉。
「死なせてしまった者のことはずっと抱えていくしかないが、
あんたには何の過失もないし、アメフラシのせいでもない。
ただ、不幸な巡り合わせが起こっただけだ」
「だが、あんたはもうアメフラシとある程度うまくやれてる。
これはもう、ただ不幸なばかりじゃないはずだ」
誰が悪いわけでもない。
ただ不幸な巡り合わせがあっただけ。
それは日が照るように、または雨が降るように、
ただただ存在する、人にはどうしようもないもの。
それから共存により生まれた恩恵。
倒れたヤスの命を繋いだのは、
テルとアメフラシが降らせた雨のおかげ。
それを告げ「ありがとう」「また来いよ」と繰り返すヤス。
今までずっと苦しめられるだけと思っていた運命が、
本当は大切な恵みももたらしていた。
この場面で、この気付きで、
ずっと辛いだけと見えていた世界とテルの人生が
大きく変わって見え、こちらの心まで救われた気分に
なりました。
最後の日照る雨のシーン。
「でも綺麗だね」という言葉。
微笑んで空を見上げるテルに、
清々しく美しい余韻を感じました。
今回も良い話で堪能させて頂きました。
ありがたや、ありがたや。
あと、
個人的に日笠陽子さんの声が好きなので、
今回はその面でも堪能させて頂きました。
いい声だなあ!
※ネタバレします。
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☆第七話「日照る雨」の感想です。
日照りの村を訪れる旅の女。
彼女は一粒の雨も落ちそうにない空を見上げ、
「もうすぐ恵みの雨が降る」と予言する。
その言葉通り、数日後に雨が降り始めた。
日照りの村を訪れ、「もうすぐ雨が降る」と予言すると、
100%その通りになるという女性・テル。
その彼女の物語でした。
逃げ水を捕まえてしまってから、
常に雨に付き纏われるようになったテル。
初めは日照りに対し恵みの雨と喜んだ人々も、
続く長雨による被害に、次第に雨を呪うようになる。
同時に、それを連れてきたようなテルに対しても
疑念を抱き始め・・・。
そして、テルは一つ所に留まれず、
流れるようにして生きることを余儀なくされた。
この、最初は雨を喜ぶけれど、
次第に疎むようになるという人々の変化。
よーく分かりました。
農家というのは大体そうではないかと。
日照りが続けば太陽を呪い雨を求め、
雨が続けば雨を呪い太陽を求める。
そうでなければ生きていけないから困るというのは
重々承知の上ですが、
何て勝手なんだろうと毎度毎度思います。
人って勝手よね!
そんな人間の勝手さと、
しかしそれでなければ生きていけない事情の前に、
ただただ流れるように旅から旅への生き方を
強いられてしまったテル。
ヤスに「俺と所帯を持ってここにいてくれ」と言われても、
理由すら説明出来ないで断るしかないテル。
雨が降らなければ日照りに苦しみ、
切羽詰って抗議する人々の怒りに曝されるテル。
逆に、雨が降り続ければ作物が死に、
やがては人も死んでいくという重荷に
苦しめられるテル。
彼女の半生は辛いことばかりの、
重苦しく遣り切れないものに見えました。
実際、彼女の心はどれほど傷ついてきたか
しれません。
涙は出ないけれども、
その心にはどれほどの雨が降ったのでしょうか。
そして、その心の雨の代わりに、
彼女の周囲にはいつも空からの雨が付いて回り、
彼女はまた違う土地に移らなければならない・・・。
ああ、なんて遣り切れない運命。
しかし、最後、そんな彼女の世界が変化する
瞬間がありました。
ギンコの言葉。
「死なせてしまった者のことはずっと抱えていくしかないが、
あんたには何の過失もないし、アメフラシのせいでもない。
ただ、不幸な巡り合わせが起こっただけだ」
「だが、あんたはもうアメフラシとある程度うまくやれてる。
これはもう、ただ不幸なばかりじゃないはずだ」
誰が悪いわけでもない。
ただ不幸な巡り合わせがあっただけ。
それは日が照るように、または雨が降るように、
ただただ存在する、人にはどうしようもないもの。
それから共存により生まれた恩恵。
倒れたヤスの命を繋いだのは、
テルとアメフラシが降らせた雨のおかげ。
それを告げ「ありがとう」「また来いよ」と繰り返すヤス。
今までずっと苦しめられるだけと思っていた運命が、
本当は大切な恵みももたらしていた。
この場面で、この気付きで、
ずっと辛いだけと見えていた世界とテルの人生が
大きく変わって見え、こちらの心まで救われた気分に
なりました。
最後の日照る雨のシーン。
「でも綺麗だね」という言葉。
微笑んで空を見上げるテルに、
清々しく美しい余韻を感じました。
今回も良い話で堪能させて頂きました。
ありがたや、ありがたや。
あと、
個人的に日笠陽子さんの声が好きなので、
今回はその面でも堪能させて頂きました。
いい声だなあ!