「革命機ヴァルヴレイヴ」

最終話、第二十四話の感想です。



※ネタバレします。



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☆第二十四話「未来への革命」の感想です。


モジュール77の学生たちを「化物」と認定し、

駆除という名の虐殺に乗り出したドルシアとアルス。

しかし、そのドルシアの総統自身が「化物」であると

全世界に暴かれてしまい・・・。




世界の流れを簡単にまとめてみます。


モジュール77の学生たちが化物だと明かされる。

全世界、モジュール77の化物たちを殺せと言う。


ドルシアの総統が化物だと明かされる。

全世界、「殺せ」「戦争だ」と喚きたてる。


ドルシア総統の映像は偽物だという情報が出る。

全世界、「やっぱり」「化物は学生たちだけ」と言う。


ドルシア王党派、決起する。

各地でクーデター勃発。

マギウスである世界の要人リストが出回る。

リストの真偽はともかく怪しい人物は拘束する。

グローバル銀行頭取、101人評議員ではないが拘束され、

それを全世界に中継される。

完全に冤罪。

それでも僕はマギウスじゃない。

アルス大統領「今は行動するしかない!(真偽は無視)」


このような流れを経て、

この後、世界は誰がマギウスか分からない

疑心暗鬼のなか、混乱状態に陥ります。

恐らく様々な戦闘が起こったでしょうし、

どうやらマギウスを晒しあげていく

魔女狩りのようなことも行われたようです。


まとめると、

出される情報は何でも信じるし、

「とりあえず化物は殺そう」

という、そういう流れだったと思います。

恐ろしいですね。



で。

一方、そんな世界の流れを背景に、

マギウスであるカイン大佐と戦う

主人公のハルトとエルエルフですが・・・。


カイン大佐が

「最初、マギウスは人間と共存するつもりだった。

しかし、人間側がマギウスを迫害し、

殺戮するという歴史を積み重ねた。

そのためマギウスは影に隠れて生きることにし、

人間との無闇な対立や混乱を引き起こさない代わりに、

一定数の人間を食糧として差し出してもらうことで

人間側と合意していた。

その平穏を乱しているのは君たちだ」

というマギウスの受難の歴史を語ると・・・


「傷ついたからって諦めるのか!

僕の友達や好きな子は傷ついたけど諦めなかった!」

と、ちょっと・・・いや、大分ズレた答えを返すハルエルフ。


いや・・・。

精神的に傷ついて、でも立ち上がって

前を向く姿が尊いというのは分かりますが、

でもそれはマギウスの迫害された歴史とは

ちょっとレベルが違うよね・・・。

そういう話じゃないよね・・・。


あとこれは一種の知恵だよね。

共存する気のない人間とマギウスの間で

戦争を起こさないための工夫のようなものだよね・・・。

人間のためにマギウスが譲歩した形だよね・・・。

一定数の人間の命を差し出させるのはどうかと

思いますが、でもそれももし人間が共存を許す

環境ならば、持ち回りでルーン提供すれば

何とかなっていたような気がするし・・・。

いや、むしろ

「マギウスにルーン吸収してもらって

あの恥ずかしい黒歴史を完全に消し去ろう!」

とかいう商売があったら凄く流行りそう・・・。

そんな素敵世界を拒否してきたのは、

やっぱり人間側じゃないのかなあ・・・・・・。


うーん・・・。

でも、言ってることは食い違ってる気がするけど、

「マギウスと人間の共存を目指したい(かった)」という

点では共通してるかな。

じゃあこれから共存のために皆でがんば・・・


と思ったら、


「傷ついたからって諦めるな!(共存を)」

「皆諦めなかった!だから僕も諦めない!(共存を)」

と叫んでカインに向かっていったハルエルフ。


「やってみせるー!うおおお!!」


ハルエルフ、魂の咆哮。

そして・・・


「とどめー!!」


ハルエルフの熱いヴァルヴレイヴソードが

カイン大佐を貫く!

カイン大佐、無念の絶命!


・・・あ、あれ?

共存するんじゃなかったんです??

あれ・・・??

うーん・・・???

やっぱり共存は無理ってことです?

うん・・・。

じゃあそういうことで。


世界も主人公たちも

「化物と共存なんて無理!化物は殺そう!」

という、そういうエンドだったということで・・・。

恐ろしいですね。

ああ、なんて人間は醜いんだ。


そんで。

あれこれあって。

200年の年月が流れ。


エピローグの一場面。


地球に新たな宇宙生命体が襲来。

未知の生命体が武器を向けてくる。

しかし、ショーコは動じない。

かつてモジュール77を守り散って行った

仲間たちの銅像を前に

「仲良くしましょう」

と200年前と変わらない笑顔で手を差し伸べる・・・。


う、うーん・・・これは・・・どういうことだ。

これは・・・あれだね。

今までの流れを踏まえると・・・


「口では仲良くしようという理想を述べてみるが、

どれだけ信頼の絆を育んだところで

幼馴染をあっさり裏切ったショーコさんのように

ある時、突然に態度を一変させるかもしれないし、

共存しようと宣いながら剣を突き立てるハルトが

偉人化されているように、結局は化物なんて

殺そうエンドだよ!

あ、利用だけはするよ。

ピノもプルーも機械に入れて使うだけ使うし、

不死身になれるならその力だけ利用するよ。

でも、攻撃してくる化物は死ね!」


・・・という、

人間はなんて醜く罪深いのか、悔い改めよ!

という人間の暗部を暴く物語だった。

・・・そういうことなのかもしれません。

いや、わからんけど。


いやーしかし、恐ろしい物語でしたね。

人間達のなんと軽薄で愚かで狭量なことか!

マギウス達の長年の努力が数年で水の泡!

人間達はマギウス迫害を再開&内紛も開始!

ああ、人間、醜い。


ニンゲンシンジマスカ?

いや、信じません。


そういう絶望的な話でしたね。

恐ろしいですね。

悔い改めたいものです。

人間の愚かさと醜さを突きつける哀しい話だった。

・・・ような気がする。



それはともかく。

最終回で一番ぐっときたのは、

ハルトとエルエルフの友情の場面でした。

いつの間にそんなに仲良くなったのかと思いつつ、

それでもやはり心に残るものがありました。

ルーンを使い切って、自分のこともエルエルフのことも

何も分からなくなったハルト。

そのハルトに

「お前は俺の友達だ」

と言うエルエルフ。

エルエルフ、ちゃんと友達になったと思ってたのか。

最初は躊躇いなく殺しにきてたのに。

何度も何度も衝突したのに。

ちゃんと今では友達だと思ってるのか。

何だか、感動しました。

そして、その言葉を受けて一瞬だけ正気になり、

にっこり笑って死んでいくハルトが・・・。

ハルト・・・色々あったけど、

それでもあんたは主人公だったと思うよ・・・。

えーと。

そんな感じで。

色々とあったし、

色々と好き勝手に書き散らしてしまいましたが、

私はこの作品、かなり好きでした。

毎週楽しみにしてました。

歪んではいたけれど愛は愛でした。

とても好きでした。

楽しかったです。


笑いと涙と驚きと爆笑と爆笑と爆笑と、

あと色々ありがとう、ヴァルヴレイヴ。
楽しかったです。






最後に。

アードライ、エルエルフと末永くお幸せにね!