「ふたりはミルキィホームズ」

全十二話、視聴終了後の感想です。



※ネタバレします。



◎「ふたりはミルキィホームズ」

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☆全話視聴後感想。


カズミとアリスは幼馴染の大親友。

二人は別々の探偵学院に通っているが、

夢は同じ「いつか一緒に名探偵になる」こと。

そんな彼女たちが、ある日、「カラー・ザ・ファントム」

という名の怪盗組織と遭遇する。

そしてそれを機に、二人は探偵「フェザーズ」として、

偵都ヨコハマを騒がせる怪盗と対峙していくのだった。




わーい。

やったあ。

頭にお花畑が広がるミルキィホームズの世界が

またまた帰ってきたよ!

今回はどんな狂気の物語が繰り広げられるのか。

楽しみだなあ。わくわく。


と思って観始めたんですが、

数話経って気付きました。


まともだ。

これはまともな物語だ。


カズミとアリスという探偵を目指す少女二人が、

色々と壁にぶつかりながらも、

前を向いて、頑張って、絆を深めて、

名探偵への道を着実に歩もうとする。

そういうごく真っ当な成長譚だ。

とても真っ直ぐで素直な成長物語だ。


ごめん・・・。

私、何か下衆な期待してたね・・・。

ごめん・・・ごめんね・・・?


そう自分を恥じたくなるほどに、

普通で、まともで、良い、成長物語でした。



共に名探偵を目指すカズミとアリス。

その二人が物語の中で様々な問題にぶち当たります。


カズミは自分の才能という問題。

自分の才能には限界がある。

探偵としての素質はそれほどない。

しかし、相棒のアリスは違う。

アリスの才能はいつも認められる。

探偵になるのはそもそも自分の夢なのに、どうして。

自分の才能の限界に落ち込み、

アリスの才能に嫉妬心を抱くカズミ。


一方のアリスは家族の問題。

仲の良い家族。

そう思っていた自分の家族が、

自分以外は全員、探偵の敵・怪盗だった。

両親は有名な怪盗夫婦。

兄は現在、偵都を騒がせる怪盗集団のボス。

おまけに、両親と兄は対立し、

自分という存在のために危機に陥ってしまう。

自分の知らない家族の姿、

自分に宣戦布告する兄の組織。

そして相棒さえも怪盗の元へ・・・。

辛い現実の中で苦悩するアリス。


しかし、このような問題に、

二人はしなやかな精神と強い絆で立ち向かいます。

傷ついても、落ち込んでも、共に立ち上がる二人。


おお、なんという美しい友情か。

素晴らしい絆か。

ああ、輝かしい少女の成長が見える。

良きかな。良きかな。



フェザーズ・・・フェザーズの物語・・・ねえ。

普通に面白いは面白い・・・けど、

これ、ミルキィホームズの楽しさじゃないわっ。

と、途中までは違和感ばかり覚えていた私ですが、

最後の方では

「こういう正気なミルキィホームズ世界も

たまにはいいわね!」

と、カズミとアリスの成長期らしい真っ直ぐさに

何だかとても微笑ましい気分になりました。

これはこれで良いと素直に思えるようになりました。


それに加え、特に最後の方は、カズミとアリスに、

G4、怪盗帝国、そしてミルキィホームズが助力を

していくという形になっていて、とても盛り上がりました。

アルセーヌ様も相変わらずお美しくぽよよんぽよよんで

眼福でした。ありがたや、ありがたや。


しかし、あれだ。

最終回のミルキィホームズは、あれは何だ。

あのかっこいいミルキィホームズは、あれは誰だ。

あいつらは絶対、偽物のミルキィだ!

本物のミルキィがあんなに正気なはずがない!

あれだけは受け入れないぞ、絶対に!!



それはともかく。

今までのミルキィホームズ世界のイメージとは

全く違うテイストのこの物語。

始まってからかなり長いこと戸惑いましたが、

最後まで観ていくと、これはこれで愛着の持てる、

素敵な少女二人の成長譚だったと思います。



あと。

アリスの兄のシオンさんがかなりツボでした。

あの人は良かったよ。

好感度がどんどん上がってく。

だって、あの人、凄いもん。

イケメンでシスコンで怪盗で反抗期で

ネーミングセンス中二(無自覚)でシスコンで

ボスなのにまさかのトイズなしでシスコンで

ラスボスかと思いきやまさかのヒロインポジションで

ヤンデレに好かれて困っちゃうけど

最後は何故か天使で、やっぱりシスコンなんだよ!?

凄いよ、あの人。

もうハートをがっしがし掴まれたよ。

ええ。

本当はシオンさんについて猛烈に語りたかったけど、

上の分まで書いたら力尽きたので、もうやめます。

しかし、彼は本当に面白い人だった。

素晴らしかった。

羽も生えるし(笑)


そんな感じで。

少女二人が真っ直ぐに成長していくというのに、

未だ反抗期で、中二で、シスコンからは卒業する

気配すらない、予定すらなさそう、当然ないだろう、

そんなシオンさんに笑いを提供して頂ける、

素敵な物語でもありました。