「ガッチャマンクラウズ」

最終話、第十二話の感想です。



※ネタバレします。


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☆第十二話「Collage」の感想です。


カッツェがネットでばら撒いたクラウズにより、

立川は完全な混乱状態に陥った。

諍い、盗み、破壊。

終焉への火が燃え上がり始めたかに見える立川。

その時、はじめが気付く。

「これ、ぼくらだけじゃもう無理っすね!」



・・・という、

ヒーロー自身が「もう駄目だ!」と

あっさり宣言して始まる最終話。

はじめちゃん、そんなきっぱりはっきり(笑)


いやしかし、

ここからが「ガッチャマンクラウズ」の本領発揮です。


数人の選ばれたヒーローだけではもう無理だ。

となったら、新たな力を応援に呼ばなければならない。

となったら、ギャラックスでクラウズですよ。


恐怖と恐慌を撒き散らす匿名の群衆に対抗するには、

収束と平安を願う、良心をぶつける匿名の群衆ですよ。


そうですよね!

だと思ってました!


まあ、良心の群衆とはいっても、

内実は単なる興味本位であったり、

ポイント狙いだのランキング競争だのの

功名心であったり、

完全なる善意とは言い切れませんけどね。

けれども、それでもこれは人々の善意の形です。

無償の愛ではなく功利的愛であるのが

それなりにリアルでいいかもしれません。

観ていて気持ちよくはないですけど(笑)

あ、でも、完全に無償の愛で動かれたら、

それはそれでもっと気持ち悪かったかも。

逆にそれは怖い世界かもしれない。



それはともかく。

悪意の匿名の群衆を

善意の匿名の群衆が抑え込み、

事件が解決する。


この一連の流れ、

予定調和過ぎるという見方もあるとは思いますが、

でも私はそれでも好きです。

やはりここまで匿名の群衆に拘ってきたら、

数人のガッチャマンだけで解決というのは

しっくりこないと思ってたんで。

なので、この展開は個人的には納得しました。

腑に落ちました。



・・・まあ、ちょっと、

色々・・・思う所がないわけではないけど。

やっぱりちょっと都合よく行き過ぎだよねえ。

もうちょっと複雑なエピソードが観たかったなー。

物語の尺が足りなさ過ぎたのかなー。

とか、

最終回、キャラはもうぶん投げたよね!これ!(笑)

とか、

色々と気になった点はあります。


特にキャクター達に関しては不満があります。


つか、ODよ!

あんなに頑張ったのに!

最後の最後で最大の見せ場で出しつくしたのに!

最後、はっきりどうなったのか分からないって!

うつつも呼びかけただけで放置って!

どうなったのー!?

やっぱり死んだの?

うつつちゃんは??

なんかもう気になって気になって。


それと最後のはじめとカッツェも。

あれはわざと描かなかったのかもしれませんが、

やっぱりどうなったか分からなくて、うつうつします。


最後、カッツェはどうなったのでしょう。

はじめが心に取り込んだのか。

黄色いスカーフがカッツェのカラーである赤に

なっていたから、スカーフになったのか。

それともあの豊かなお胸の養分になったのか・・・。

どれだろう・・・。

うーん・・・。

しかし、はじめが初めて笑顔を消した深刻な声音で

「ぼくはぼくだよ。何があっても」

と母親に言っていたことからすると、

心に取り込んだ・・・のかなあ??

うーん・・・。わからん。


キャラ達の決着については分からないことが多く、

もっと知りたかったと残念に思う気持ちがあります。


だが、しかし!

ルイルイに関してはとても素晴らしかったので、

あとはどうでも・・・あ、よくはないけど、

どうでもいい気分!!


すごかったね~、彼の最終回の姿は。

男の娘の魅力、最大限に発揮!みたいな。

足の色気がやーばいやばいうへへ!!

とかもう完全に変態目線でごめんなさいね、

みたいなさあ、もう、うひょー!(狂気)


あー、駄目だ。

落ち着こう。



えー・・・。

とにかく。


消化不良な気持ちを抱く部分はありましたが、

それでも最後まで興味深い作品だったと思います。


特に、最初から最後まで一貫して描こうとしていた

「匿名の群衆」、ネット社会の功罪については、

今までの作品とは違う視点で挑もうとしているようで、

とても興味を引かれ、好感を持ちました。


あ、でも、私は本なり映画なりアニメなり、

あまり詳しくないので、勝手に「斬新だ」と

感じただけかもしれませんが・・・。

違ってたら、ごめんなさい・・・。


ただ、私の見てきたものの中では一番、

機械やシステムやネット社会というものに対して

フラットな立場で描いていて、

今のネットが浸透しきった社会を批判するのでなく、

ネット社会を前提として受け入れ、そのうえで

社会をよりよくしていくにはどうすればいいのかと

真剣に問題提起をしようとしているように見えて、

面白いし、好ましいな、と思いました。



全体を通して観てみて、

色々と面白かったと思います。

私は好きな作品でした。




追記。

この感想を書いた当初は、

「少数の選ばれた人間がヒーローになるのではなく、

大多数の名もなき大衆がヒーローになる時代」

という、そういう描き方なのかと思っていました。

しかし、今考えると、別に「クラウズ」だけが

主役でヒーローなのではなく、

「ガッチャマン」もちゃんとヒーローとして必要だと

描かれた終わりだったのかなと思います。

はじめがカッツェを取り込んで、

人知れずに全てを解決している辺りとか。


まだまだ色々と分からない部分もあるので、

これからも時々思い出しては考えていきたいと、

そんな風に思います。