「新クロサギ 完結編 1」の感想です。
二巻ももうすぐ発売・・・なん・・・ですかね?
※ネタバレします。
◎「新クロサギ 完結編 1」
- 新クロサギ 完結編 1 (ビッグコミックス)/小学館
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宝条との最終決戦のため、桂木の下を離れた黒崎。
桂木までもを敵に回す覚悟で行方をくらませた彼に、
黒崎を取り巻く人々は、それぞれの思いを抱き、
行動する。
この巻からは「完結編」とタイトルにつくように、
宝条との対決の行方、その決着の様子が
主な内容のようです。
そのため、いつものように詐欺の手口を
紹介するような話を集めた構成にはなっていません。
多少・・・黒崎君が起こしたことが詐欺の手口といえば
そうかな~という程度で、やはりメインは
黒崎がどうやって宝条を追いつめるか。
そして、その黒崎の周囲にいる人々が
どんな思いを抱き、どんな行動をとるか。
その辺りが主な内容であり、見所です。
ちなみに、
帯には「この巻からでも楽しめます!!」という
文字が躍ってましたが、
「さらっと無茶言うな!!それはもはや詐欺だよ!」
と思いました。
絶対に無理だと思います。
だってさ・・・
全部読んでる私ですら分からなくなることが度々・・・。
いやー。
記憶力には自信がないもので、ただでさえ不安なのに、
この作品は随分と続いていて物語が長くなってるうえ、
多くのキャラが様々な過去を持って複雑に関わってる
ものだから・・・
もう、ね。
正直言って、分からなくなること多いよね!
こいつ、誰だっけ?とか、
この話は何だったっけ?とか、
そういうの日常茶飯事!
そんな私のような人のためなのか、
最初の方で神志名さんが、今までの黒崎と宝条の
戦いの軌跡をまとめてくれてました。
というか、黒崎が宝条グループにほぼ一方的に
ちょっかいを出して、ちまちまと潰してきた履歴ですね。
「アンゼリカの会」とか「HR&D」とか「Mez」とか、
懐かしい名前が多いですね。
具体的にどんな事件だったかはあまり記憶にないけど!
ははは!・・・ははは。
えーと。
まあ、そんな感じで。
長かった黒崎と宝条の対決もそろそろ大詰めの段階です。
黒崎は桂木の下を離れ、アパートも放置し、失踪。
潜伏生活を続けながら政界へ仕掛け、
政治家を通じて本命の宝条へと手を伸ばします。
その黒崎を詐欺師と知りつつ複雑な思いで接してきた
警察の神志名と桃山。
彼らは先日の黒崎拘留事件でやっと黒崎の目的と
宝条の闇について知り、動き始めます。
黒崎の逮捕という形での保護と、宝条の逮捕へ・・・かな?
一方、黒崎が巣立った(笑)桂木。
今のところは黒崎を泳がせているようですが、
宝条にも情報を渡したり、何を考えているのか
全く読めません。
過去を振り返ると、桂木は黒崎に対して
甘過ぎるほど甘い対応をしてきたので、
情が移ったのか贖罪なのか分かりませんが、
そうそう殺しはしないのでは・・・と思ったりもします。
が、今度ばかりは容赦すると示しがつかないという
ような気もしますし、本人も
「どうあっても許されないという状況がある」
と言っているし・・・。
うーん・・・怖いなあ、桂木さん。
しかし、オーラは怖いけれど
手元の林檎は可愛く綺麗に剥けてるんだよね。
剥いた皮がくるんくるんしてる。
ちょっと食べてみたい・・・。
そして、氷柱ちゃん。
何も知らずに「帰ってくる」という嘘を吐かれて
置いて行かれた氷柱ちゃん・・・。
友達にもバイト先の人にも「元気がない」と言われる
氷柱ちゃん・・・。
笑顔の消えた氷柱ちゃん・・・・・・。
くろさきぃー!!お前ってヤツはー!!
クロちゃんの餌代くらい振り込め!
100万位振り込め!
・・・という話ではないですね。
しかし、氷柱ちゃんは可哀想だけれど、
どう考えても黒崎とは接触しない方が彼女のためなので、
読んでいるこちらもどうしようもなく辛くなります。
可哀想に・・・。
ヒロインを悲しませて死に急ぐ主人公。
ヒロイン・・・氷柱ちゃん・・・でもあり、そうでないことも。
というわけで、実はこの巻で一番心動かされる言動を
していたのは第二ヒロイン(?)小柴さんでした。
今までずっと黒崎に情報を売ったりしていた小柴さん。
実は親爺のスパイでもあり、
黒崎の動きを逐一桂木に報告していた小柴さん。
今回も連絡が来ると即座にチクりに行っていた小柴さん。
でも、本当は、自分が桂木に情報を流すことで
黒崎が宝条を諦めて後戻りできればいいなあという
気持ちだったなんて・・・!
「何バカやってんだ!死にてえのか!?」とか
「今なら桂木さんもまだ許してくれるさ」とか
「勝手にひとりで、くたばっちまえ・・・・・・!!」とかね。
小柴さん、ヒロイン力高い!
面倒事には巻き込まれたくない性質なのに、
もう滅茶苦茶黒崎のために頑張ってるじゃん!
心配しまくってるじゃん!
小柴・・・あんたってヤツは・・・いい人だなあ!
小柴さんだけでなく、
神志名も桃山も犬伏も、
もちろん氷柱ちゃんも、
みんなみんな黒崎のことを心配していて、
意外と黒崎君は沢山の人に愛されてると思いました。
でも・・・死に急ぐんだよねえ、黒崎は。
分かってるよ・・・。
分かってるけどさ・・・。
大体、このような感じで。
黒崎とそれを取り巻く人々の思惑やら感情やら動きやら、
そういったものが主軸に描かれたこの完結編1巻でした。
今までのような詐欺の手口を紹介するような話では
ありませんが、これはこれでクライマックスを感じさせる
面白い巻だったと思います。
もう連載は終わってる・・・?とかいう話も聞いたような
気がするので、もう残りも僅かかと思うとちょっと
寂しいです・・・。
黒崎君が何とか生き残ってくれるといいなあ。
そんでまた前みたいな詐欺の紹介を楽しくしてくれる
ような続編があればいいなあ・・・と思います。
あ。
カジノと政治家についても書こうと思ってたけど
忘れた。
・・・まあ、いいか。