「翠星のガルガンティア」第十三話の感想です。

最終話です。



※ネタバレします。



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☆第十三話「翠の星の伝説」の感想です。


パイロットであるクーゲルを失い、

その遺志を継いで単独活動を続けるストライカー。

しかし、それはもう暴走と呼べるような代物だった。

自分に従属し、奉仕せよと迫るストライカー。

それにレドとチェインバーは立ち向かう決断をする。




良い・・・最終回だった・・・!

感動した・・・!

心が動かされた。



前回、ストライカーの中に人などいないと

確認したレドとチェインバー。


事実を確認されたストライカーはしかし、

二人を相手に持論を述べ始めます。


自分はクーゲル中佐の遺志を引き継いで

活動していること。

クーゲル中佐の目指した世界を創ろうとしていること。

人類の繁栄と安息。

それは自分を偶像、神として崇めさせ、

圧倒的な力で支配と圧力をもって統治し、

思考放棄させることによって完成されるということ。


「唯一絶対の圧倒的支配者が君臨することで

民衆は思考判断の責務から解放される」


それが人類の繁栄と安息に繋がると

言い切るストライカー。


この辺りはサイコパスの世界に通じるような

感じがありますね。

あれもシステムに判断を委ね、

人類は思考の責務から解放され、

それが幸福だというような形の社会だった。


確かに、自分で選択し、判断し、行動する

というのは苦痛を伴いはしますしね。

面倒だし、大変だし、責任も負わなきゃならないし。

苦悩して決断しても間違ってたりもするし。

でも、かといってストライカーに全ての思考を委ねる

なんてもっと苦痛であるわけです。

なんたって不必要とされたら海にぽいされちゃうもんね!

正に人がゴミのようだった!


そんなわけで、レド君がストライカーに猛抗議・・・

かと思いきや、チェインバーが猛烈に懐疑提言!


貴官の論理は破綻している。

思考放棄した存在は最早「人類」ではない。

そんな存在は自分の奉仕対象にならない。

ましてや「人間」ではなく「神を名乗るシステム」に

奉仕する機能なんてない。

やーい、ばーかばーか(という幻聴が聞こえた)


おお・・・。

おおお・・・!

チェインバーさん、かっこいい!!

もうチェインバーが主人公でいいんじゃないかな!

レド君、隣でぽかーんとしてるし。

レド君、しっかり(笑)


いや、まあ、それはともかく。

チェインバーに「あいつはもう駄目だ。壊れてる」と

言われ、一緒にストライカーを倒そうと決断したレド。


熱い。

この展開、熱い!


判断する核となるクーゲルを失い、

全てに思考停止を迫る存在となったストライカー。

それに対する、

異文化の中でも思考放棄せず、

むしろ自己判断能力を高めてきたレドとチェインバー。


いいねえ!

熱いっすねえ!


そして、この壮絶な戦いの中で、

更にレドとチェインバーは自己判断能力を高めます。


ストライカーの力に圧倒されるレドとチェインバー。

このままでは敵わない。

そう思ったレドは命をかけることを決意。

自分の命をかければストライカーを倒せる。

死の決断。

それは究極の選択です。


銀河同盟の大義のためでなく、

誰かの命令に従う兵士としてでもなく、

レド自身の究極の選択。


そして。

最初は止めるものの、

その決断を尊重するチェインバー。


ここの場面、凄く良かったです。


レド「いいんだよ、チェインバー。

   身内の恥。さっきのお前と同じだ」


ここのレドの優しい目!


レド「やつは(略)怪物だ。俺も、お前も、(略)同類だ。

  再び蘇ったこの星に俺達の居場所はない。

  そして、もう帰る道もない。 
  ならいいんだ。

  やつを道連れに出来るなら俺に悔いはない」


チェインバー「貴官の論理に破綻はない」


この会話!

辛いのに盛り上がるのに辛い!

けど盛り上がる!


でも、更にこの後、まだ決断の場面がありました。


自分が死んでも、この星や、ガルガンティアや、

エイミーを守りたいと思ったレド。

けれど、エイミーが実際に目の前に現れて

「私はあなたの側にいたい!」と言われてしまっては、

もう・・・ねえ・・・。

「ガルガンティアに帰ってきて!」と言われてしまっては、

そりゃあ、ねえ・・・。


チェインバーの最終意思確認。

「レド少尉は、自らの死を要望するか?」


それに対し、レドは思わず本音を。


レド「俺は・・・死に方は分かっても生き方は分からない。

   そんな俺のために、

   生き方を一緒に探してくれる人がいた。

   もう一度、会いたかった。もっと声を聞きたかった」


そうしたら。

そうしたら、チェインバーが!

チェインバーがっ!!


レドは兵士失格だから降りろと言う!

無理矢理コクピットをパージする!

もうレドを啓発する余地はないと言う!

この世界で生きていけと言う!


「生存せよ。探求せよ。

その命に、最大の成果を期待する」


チェインバー!!

なんかもう!なんなの、もう!

ちょっと目がうるうるしちゃったじゃないの!

チェインバー!!


レドとチェインバーの関係、ここに極まれり、

という感じで、もうこの場面はひどく心動かされました。

死を決断したレド。

でも本当は生きたいと望んだレド。

その思いを汲んで彼を生かす決断をしたチェインバー。

自らの死を引き換えにする選択をしたチェインバー。


もうここって

「自らで思考し、選択し、決断するのが人間だ」

という括りで考えたら、チェインバーも

その括りに入るんじゃないかなーと思いました。

人間・・・というのには無理があるかもしれませんが、

でも、ここはチェインバーが単なるシステムという存在を

超えた瞬間だと思います。


レドはチェインバーによって啓発され、

逆にチェインバーはレドに啓発されて、

そして二人とも共に進んできた。


その関係がとてもよく見えて・・・

うう・・・チェインバー!

泣かせるな、このやろー!!



そして。

エピローグへ。

チェインバーに生きろと言われたレドは

エイミーとラブラブで(笑)

探検家のようなことをやって、

クジライカの生態の研究もしているようで。

人生をちゃんと歩んでいました。

エイミーとラブラブでな(笑)

そんなハッピーエンドで心が温まりました。

良かった。

本当に良かった。


本当はもっと他にも、フランジやリジットやベベルや

ピニオンやラケージや・・・・・・他にも他にも、

色々色々書きたいことはあったんですが、

ちょっとレドとチェインバーが強烈過ぎて長くなったんで、

ここでやめます。


しかし、ピニオンとラケージ様は凄かった・・・。

ピニオンのハーレム物語、ちょっと見たいです。

ベローズやマイタも加わって、

おまけにラケージ様の奴隷ちゃんたちも加わった

ドタバタラブコメハーレムな感じで!


えーと。

そんな感じで。

とても良い最終回でした。





最後。

海の底に沈んだチェインバーらしき機体に

クジライカの子供達がついて、

チェインバーが命を育んでいる場面も感動的でした。