「新世界より」第十四話の感想です。



※ネタバレします。


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☆第十四話「雪華」の感想です。


家出した守を見つけ出した早季達。

しかし、事は守を連れ帰ればいいだけというほど

単純なものではなかった。

守は二度、不浄猫に遭遇している。

それは彼の処分が決定したことを意味していた。

守の命を助けるため、覚と早季は町に戻るが・・・。




守が家出したのは、

どこからか下された処分の決定を免れるため、

言い換えれば、自分の命を奪われないためでした。


家出したままでは守は生きられない。

かといって、町に戻っても彼は殺される。


その状況を打破するため、覚と早季は一旦町に戻って、

大人達の説得・・・というより言い訳による丸め込みを

試みようとします。


しかし。

町に戻った早季を待っていたのは、

教育委員会による査問会でした。


教育委員会の厳しい追及。

「嘘を吐くな」

「早く答えろ」

「それは隠蔽工作と同じだ」

「やめなさい」

「とんでもないこと」

「黙りなさい」

「なんておぞましい子なの」


呪力も平均以下にしか使えない未成年の子が

一人家出しただけでこの騒ぎ。

しかも、町には外出禁止令まで出され、
住民は不安に慄いているとか。


未成年の子が一日家出しただけですよ?

そのうえ、もう友達に見つかってるんですよ?

たったそれだけのことなのに、

どうしてこんなにピリピリしなきゃならないんですか!?


教育委員会の人達、ちょっとおかしくないですか。

特に髪の長い人。

もっとカルシウム取った方がよくないですか。

そんなにカリカリすると早死にしますよ。

皺も増えますよ!

皺・・・ああ、おぞましい!!(白目)


・・・それはともかく。

何故、教育委員会の人々がこんなに神経を尖らせて

いるのか。

それは、査問会に割り込んできて早季を助けてくれた

朝比奈富子さんが説明してくれました。


彼女の説明を簡単にまとめると、

要するに、

「呪力を持った人間は核兵器以上に危険な存在であるため、

徹底して管理されなければならない」

というのが全ての理由らしいです。


呪力が暴走した時、

悪鬼や業魔が出現した時、

たった一人によって町一つなどすぐに壊滅してしまう。


その恐ろしい事実、恐怖が全ての根底にあるようです。


確かに。

呪力が暴走した時の恐ろしさは

今までの展開の中でよく分かりました。

よくよく分かりました。


けれど・・・

その恐怖と惨劇を避けるために、

優良な子供以外は即処分。

記憶の改竄。

洗脳。

催眠。

思考の制御。

こんなことを日常的にやっていたのでは、

何とも・・・どうしようもない社会だと思います。


結局は、生まれてから死ぬまで、

自我と生命を上層部に握られたまま、

何もかも管理されて一生を終える、

ということですよね?

しかも、その上層部ですら恐怖に縛られ続けている。

なんとも・・・どうしようもない。

何のために生きているのか、

何のために存続しているか、

さっぱり分かりません。


もういっそのこと綺麗さっぱり滅びた方が・・・。


と思ってしまうほど、

不条理に満ちた世界で、

何だかもう恐怖を通り越して憐みの域に達してきました。



このどうしようもない世界のなかで、

これから早季はどうなるのでしょうか。

なんだか富子さんの後を継いで不老不死に近い存在に

なるような気もしますが・・・。

あんな世界でずっと生きて何か楽しいかな・・・。


そして、逃げてしまった守と真理亜はどうなるのでしょう。


あと、覚の割とどうでもよさげな扱い・・・。


色々と気になりますが、

ゆっくり先を見ていきたいです。

時間はあるらしいし。



あー。

あと、不浄猫が家にも一匹欲しいです。