「新世界より」第一話~第四話の感想です。


この作品は出来れば継続して感想を書きたいと

思っています。

が、五話が何だか物議を醸していたらしいので、

ちょっと怖い気もします。




※ネタバレします。



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☆第一話「若葉の季節」の感想です。


大量殺人?


1000年後の茨城?


人間が呪力を持つ世界?


注連縄を超えてはならない?


悪鬼?中庭のお墓?ネコダマシ?不浄猫??



何もかもが分からないことだらけ。

今がいつで、ここがどこで、彼らが誰なのか。

出てくる単語は何なのか。

隠されている恐怖は何なのか。

何も分かりません。


しかし。

その何も分からない部分。

分からないからこそ感じる底知れない不気味さ。

不気味さを背景に黄昏に流れる「家路」。

この押し潰されそうな不安の雰囲気が

とても落ち着き、また心躍りました。

先が楽しみです。

私、こういうの大好きです。



あ。

ただ一つ不満があったのは。

大きい猫が迎えに来るなんて天国じゃないか!!

ラブリー!大きいにゃんこ、らぶりー!!





☆第二話「消えゆく子ら」の感想です。


全人学級で行われた「搬球トーナメント」。

呪力を持つ人間を「神」と崇めるバケネズミ。

始まったキャンプ。



これらが二話の内容でした。


相変わらず何も分かりません。

ぞわぞわするような違和感だけ覚えますが、

まだ何も見えません。

分からないので感想も書けません。

でも、分からないからこそ楽しいです。

ああ、不安に浸ると安心するよ。


今回は、そんな不安を何となく根柢に感じさせつつも、

表面的には穏やかで無邪気な日常が繰り広げられ

ていました。


班ごとに分かれ、呪力で競う搬球トーナメント。

これは球技大会のようなものと考えればいいんでしょうか?

よく分かりませんが、作戦を考えたり、お互いに協力したり、

ルールの抜け道を探ったり、卑怯な手に揉めたりが、

実際にもありそうな光景の連続でした。

子供時代を思い出すような学校風景でした。


その他にもキャンプの実習や、

バケネズミはともかくとして皆と秘密を作った帰り道など。

異世界のような世界とはいえ、子供の日常が共感しやすく

描かれていて、「ああ、今回は特に波もない日常回かあ」

と思っていたら、最後にさらっと何かが。


「長期欠席を続けていた天野麗子の名札が外れたこと。

二班でルール違反を犯した片山学が消えたこと。

皆、ほとんど無関心だった」


いやいやいや!

そこ無関心じゃいけないでしょ!!

こわいこわいこわい!!



・・・そんな感じで。

最後にニヤッときた二話でした。



それはともかく。

搬球トーナメントのゴールを隠すのは、

あれは反則だと思います。

完全にフィールドに手を加えた状態じゃん!





☆第三話「ミノシロモドキ」の感想です。


全人学級の実習として、

利根川にキャンプに出掛けた早季達。

カヌーを漕いで川を遡り、

川辺にテントを張って食事を作る。

その夜、覚が人伝に聞いた話として怪談を始めた。

怒らせると膨らんで自爆するというフウセンイヌ。

見ると死ぬと言われる悪魔のミノシロ。

興味を持った他の四人は、その未確認生物達を

レポートの題材にしようと盛り上がる。




キャンプに出た五人が、怪談話に興味を惹かれ、

次第に知ってはならないことを知ってしまいそうな、

そんな雰囲気のする三話でした。


一話の時からそうなんですが、

この作品には変な生物が怪談話としてよく登場します。


一話ではネコダマシ、

二話ではバケネズミ、

この三話ではフウセンイヌにミノシロモドキ。


一体・・・何なんでしょうね。

いやだなあ(喜)

なんか不穏な気配がするなあ(嬉)

もしかして呪力であーでこーでどーかなった

人間が?(嬉々)


とか、平凡な頭で想像していたら、

今回、何だか訳の分からない答え?の一端が

提示され・・・たようなそうでもないような。


見たら死ぬと言われる悪魔のミノシロことミノシロモドキ。

それを捕まえようと教師には止められている奥の岸へ

上陸した早季達。

ミノシロモドキを発見するものの、何故かサングラスを

した早季以外は体が動かなくなる。

そこで早季が呪力でミノシロモドキを痛めつけると・・・


ミノ「破壊行為を止めてください」

  「貴女が損壊しているのは、

   公共の財産である図書館の備品です」


・・・はい?

図書館の・・・備品?

図書館って・・・光ってて・・・動いて・・・

シシガミ様の小さいのみたいな・・・そういうやつだっけ?

あれ・・・?

私の認識とズレが・・・??


かなり困惑したんですが、その後も話が進み、

どうやらこのミノシロモドキさんは図書館そのもので、

データを内部に大量に保存しているらしいということが

判明しました。


判明しました・・・って納得できるか!

どういうことだあ!




何だかさっぱり分かりませんが、

この世界には隠されていることが大量にありそうです。

そして、早季達はその秘密に触れ、命を脅かされそうな

気配がぷんぷんします。

好奇心は猫を殺すんですよー。

恐いよー。

絶対、禁忌は破らない。

そう思っている私は、こういった物語の主人公には

絶対になれない気質だと今回観ていて思いました(笑)






☆第四話「血塗られた歴史」の感想です。


夏季キャンプでミノシロモドキを捕まえた早季達。

ミノシロモドキが自らを「図書館」と名乗るので、

自分達の社会や歴史について質問する。

すると・・・。



最初に、

「図書館には利用者登録が必要です」
と事務手続きについて淡々と述べて

利用を拒否していたミノシロモドキさん。

ですが、

「こいつ、もっと痛めつけてやろうぜ」

という子供の残虐な脅しに対し、

「書類審査は省略されました」

ととても素直な反応で利用は許可されました。


ミノシロモドキさんかーわいーい!


とか言って笑っていられたのもここまでで、

子供たちが「悪鬼」や「業魔」の存在について

質問したのを皮切りに、ミノシロモドキさんから

出るわ出るわ人類の血塗られた歴史。


それによると、

どうやら1000年前、西暦2011年だっけ?に、

科学によってPK(サイコキネシス)が確認された(?)。

そして、その時期を境に、世界中でPKを開花させる

人々が続出。

その人口自体は極僅かだったものの、

PKという一人でも大量の殺戮を生み出せる力は

多くの事件を呼び、社会は混乱、人類は戦乱の

時代へと突入する。

大規模な戦乱の後、人類の人口は大幅に減少し、

幾つかの国に分かれて歴史は進んだ。

PKを持つ人間が持たない人間を従属される国。

PKを持たない人間だけの国。

PKを持つ者だけで略奪を繰り返す国。

細々と科学文明を継続された国。

・・・・・・以下、うんたらかんたら。


これでもかこれでもかと繰り出される悲劇の事実に、

子供たちが悲鳴を上げても、「もうやめてよ」と泣き

出しても、震えだしても淡々と続けるミノシロモドキさん。

仕返しか。

仕返しだな!

根に持ってる、こいつ!


それはともかく。

ミノシロモドキさんの語った歴史は途中で途切れ、

早季達の社会に続くまでには空白の時代があるようです。

何だか嫌な予感がします。

何だかとても嫌な予感が・・・うふうふえへへ。


えーと。

で、歴史は途中で途切れているのですが、

早季達の社会のことについては少しだけ分かりました。

どうやら早季達は子供の頃からPKを飼い慣らすために

徹底した教育を受けていた模様。

PKというのは恐ろしい力であるため、

持つ者同士が互いを傷つけないよう、

社会を混乱させないように人類が取った方法。

それは教育によって攻撃願望に心理的抑制をかけ、

催眠によって無意識から身体的な拘束をかけ、

そして、教育課程で選別された危険因子は排除する。

徹底的にPKを持つ者が他人を害さないようにと

考えられた方法でした。

わーお・・・。

それって麗子と学は・・・。

わーお・・・・・・。



そんな感じで。

あれよあれよという間に今まで分からなかったことが

かなり明らかになっちゃったのですが、それを

聞いちゃった早季達はこれからどうなるんでしょうね。

とりあえず出てきた杉田さん・・・じゃないや、

お坊さんには呪力を封じられてしまったようですが、

これだけで済む話なのでしょうか。

また、バケネスミ(外来種)の集団は一体何なのでしょう。



色々と明らかになり、また謎もあり、

これからが増々楽しみな四話でした。