「超訳百人一首 うた恋い。」第十二話の感想です。
この回に木内さんが出るっていうので、
すごく楽しみにしていて、
しかも相手が花澤さんだっていうので、
もうそれは楽しみにしていて、
そうしたら、
声を聞くのに一生懸命になりすぎて
物語がよく頭に入らない感じに・・・。
なんか駄目駄目・・・・・・。
※ネタバレします。
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☆第十二話
「通雅と当子 左京大夫通雅」
「うき世の月 三条院」
の感想です。
伊勢の斎宮を務めた当子内親王と、
没落した中関白家出身の藤原通雅の悲恋。
そして、その当子内親王の父・三条院の
独白のような会話。
これが十二話の内容でした。
なんていうか。
なんていうかね。
だからロリはダメだってあれほど言ったじゃないですか!
・・・いや、違う。
だから内親王はダメだってあれほど言ったじゃないですか!
・・・なんか違う。
ていうか、別に何も言ってないけれど。
何故か観ている間中、ずっと心の中で叫んでいました。
片方が斎宮まで務めた内親王。
もう片方が没落しきった臣下の家の男。
これでは到底うまくいくはずがありません。
というか、今は任を終えたとはいえ、
斎宮に手を出すなんて恐ろし過ぎる・・・。
斎宮って言ったらあれでしょ?
光源氏も指を咥えて見ているだけで、
業平様も色々あったけど去るしかなかった、
そういう存在でしょ?
恐い恐い。
・・・と思ってたんですが。
今少し調べたら、任期中は恋愛関係はタブーだけれど、
任期後はそうでもない様子。
だた、そうはいっても内親王なので相手は皇族に限られ、
生涯独身も多く、臣下に降嫁した例は一例のみとか。
へー。
そうなのか。
勉強になった。
しかし、どちらにしても当子と通雅では立場が違い過ぎて
無理というものでしょう。
つーか無理。これは無理。いやー無理無理。絶対無理。
と思っていたら、やはり無理でした。
ああ、やっぱり・・・。
ただ、結果が最初から見えていたとはいえ、
そこに至るまでの当子の無邪気さと後の挫折の姿は、
心に何か迫るものがありました。
初めて会った時から通雅に好意を抱き、
この人こそが内親王の不自由さから自分を救いだして
くれる運命の人と信じて疑わなかった当子。
お互いの立場や、通雅の家の事情、世間の視線などを
分かっているようで分かっておらず、夢のようなことを
言っては通雅を困らせます。
曰く、「駆け落ちしてしまえばこっちのものよ!」作戦・・・。
駆け落ちして籠城すれば、父も世間も自分達の関係を
認めざるを得ず、それによって結果的に通雅も昇進
出来る・・・と。
内親王と臣下という立場の隔たりを超えるのは無理。
その無理を押し通すために更に無理な策を提案する。
とても無邪気に。
ただ信じて。
その姿は無謀で愚かで滑稽で、
でもとても純粋な愛情に満ちた可愛らしさを感じさせました。
しかし。
夢は夢。
二人の関係は当子の父である三条院の知るところとなり、
二人は引き裂かれ、恋は終わります。
自室で一人、泣き濡れる当子。
そこへ父がやってきて、二人は月を見ながら語り合います。
「当子、お前はさぞや儂を恨んでおいでだろうね」
と俯く三条院。
それに当子は、
「この度のことは当子が悪かったのです。
父上のお立場も考えず、軽挙に及んだ当子が愚かでした」
と答えます。
同時に、今までのことを振り返り、
「自分は父や通雅の男の面目というものを考えなかった」
「幼い夢を押し付けた」
「自分が馬鹿だった」
と思う当子。
そして、彼女は父と共に出家しようと決意します。
通雅との思い出を抱いて尼として余生を過ごそう。
俗世から離れよう。
そう決意する当子。
その諦めの姿、無邪気さを折られた姿には、
哀しさと、ある種の落着きが感じられました。
切ない姿でした。
史実によると、当子はこの後、数年で二十三年の
短い人生を終えるようです。
内親王として斎宮になって京から伊勢へ下り、
京へ戻っても悲恋の後に出家して、
やがてこの世からも去る。
それを知るとより一層切なさが胸に沁みる、
今回の悲恋の物語でした。
あ。
あと、当子の父の三条院の姿も切なさを覚えました。
あまり出番も多くなく、あまり会話もないのに、
その少しの言葉だけで人生の疲弊を感じさせる。
娘の恋を応援出来ない不甲斐なさを吐露したり、
出家して御仏に縋り、現世の罪業を滅ぼしたいと
願ったり、とにかく疲労を感じさせる。
その姿に興味を覚えました。
ちょっと調べたら・・・
お父様、道長さんに延々と嫌がらせされて
人生に疲れてしまわれたのですね・・・・・・。
おいたわしや・・・。
このお父上の物語も少し観てみたい気がしました。