「超訳百人一首 うた恋い。」第七話の感想です。
※ネタバレします。
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☆第七話
「義孝と源保光の娘 藤原義孝」
「高内侍と道隆 儀同三司母」
の感想です。
何だろう。
今回はいつもよりあっさりしてたような・・・?
気のせいかな・・・?
(前回のせいかな・・・?)
気のせいかな・・・?
まあ、いいや。
まず、前半の「義孝と源保光の娘 藤原義孝」の
感想です。
といっても、特にこれといって感想はないんですけど・・・。
ただ・・・
恥ずかしい!
すごい恥ずかしい!!
・・・と思いました。
何でしょう。
義孝の、冷静で悟っていて、何物にも執着しないけれど、
逆にそれが人生の楽しみを奪っているような部分。
そういう部分が恋によって変わる。
その展開自体は、「ああ、良かったな」と
素直に思えました。
けど。
その後が。
「死ぬ」と思った瞬間に許嫁のことが頭を過ぎり、
自分の人生にまだ大切なものがあると知った義孝。
それまでは文のやり取りだけだったけれど、
すぐに許嫁を訪ねていきます。
で、
すぐさま対面!落とす!がっつり落とす!!
平安の男の草食から肉食への瞬間変化は
空恐ろしいものがあると思いました。
目覚め過ぎだと思います。
羊から狼なんてもんじゃない。
カブトムシからアロサウルスくらいの劇的進化だと
思います。
・・・いや、私も何言ってるか分からないんだけど。
とにかく、その変化と、覚醒したタラシ義孝様が
怖くて恥ずかしくって仕方ありませんでした。
だって、それまでは
「毎日を大切に生きているから
今死んでも悔いはないよ~うふふ~」
だった人が、急に
「夜は長いのです。
ゆっ(謎の溜め)くり、お話ししましょう・・・」
だもん。
怖いよ。恥ずかしいよ。こわ恥ずかしいよー!!
そんな感じで。
とにかく恐怖と恥ずかしさにこちらが慄いた話でした。
あ。
それと。
石田彰さんの声が、
「家柄にも容姿にもすべてに恵まれた藤原の御曹司」
にぴったり過ぎて、あまりに違和感がなくて、というより
シンクロ率(?)100%で、それにも恐れ慄きました。
石田さん、怖い。
「高内侍と道隆 儀同三司母」の感想です。
この話は、義孝の従兄弟の道隆が、
高内侍に拒まれつつも猛アタックを繰り返し、
ついに二人は結ばれる。
という話だったのですが、恋の過程がどうこうよりも、
高内侍の内なる思いに焦点が当てられていました。
本当は道隆に惹かれている自分を知りつつも、
彼の妻になることを躊躇う高内侍。
それは自らの中にある醜い嫉妬心を抑えられない
からでした。
例え大切な人がいようとも、何人もの女性を愛し、
妻にし、移ろっていくのが貴族の男の常。
それを受け入れて夫を支えるのが妻の正しい在り方。
けれど、どうしても恨み妬みの醜い心を抑えられない。
いずれはそうして苦しむのなら・・・と高内侍は考えた
のです。
この高内侍の考えは、多分当時の女性の共感を
得るところ・・・だったのではないかなーと思います。
よくは知らないんだけど、「源氏物語」でもそんなような
ことが頻繁にあった気がするし。
社会システムがそうなっているから仕方がないけれど、
それでも黙って自分の嫉妬心と闘い、ただ耐えるのみの
日々は辛かったろうなーと思います。
これまでは多少そういった黒い心を持ちつつも、
それでも笑顔で優しく、美しい女性キャラが多かっただけに、
今回の高内侍の怒りに歪んだ顔は印象に残りました。。
彼女の詠んだ歌も、幸せの絶頂にあるのに未来は
確約できない儚い歌で、それもまた印象的でした。
人生は幸福で辛く儚い。
そんなことを思わせる七話だったと思います。
追記。
後から知ったんですけど、
一見草食系だけれど、中身は肉食・・・というのは、
「ロールキャベツ男子」というらしいですね。
「アスパラベーコン巻き男子」とかもあるとか・・・?
世の中には色々な言葉があるものです。