お盆も過ぎたのに、まだまだ暑い。


「超訳百人一首 うた恋い。」

第三話の感想です。



※ネタバレします。



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☆第三話「宗貞と吉子 僧正遍昭」の感想です。


小野良実の娘・吉子。

彼女は言い寄ってくる男たちに、

百夜続けて通う「百夜通い」を強制していた。

ただ現在のところ、その百夜通いを達成した者は

誰もいない。

しかし、今度彼女のところに通い出したのは、

彼女と兄妹のように育った幼馴染・良岑宗貞だった。




私と結婚したいなら、

私の元に百夜通いなさい。


そう条件を出す吉子に、挑戦し挫折した男たちは、

「冷た過ぎる」「傲慢だ」「実は見せられない顔なんだ」

と好き放題に噂します。


けれど、次に彼女の元に通い出したのは、

彼女と兄妹のように育ち、彼女のことをよく知る

幼馴染の宗貞でした。


幼い頃から知っている「お兄様」。

流石の吉子もお兄様相手にはつれなく出来ず、

なごやかにお話を・・・


でも、百夜通いは強制でした(笑)

宗貞様、面倒くさいとか言わない。

ていうか、一夜目から早速手をだそうとしてるとか、

さりげなくやり手(笑)



そうやって始まった二人の恋。

けれど、元々が憎からず思っていた二人。

宗貞が通い始めてから二日目には、もう吉子は

「もし結婚したらね・・・」というような話を始めます。


おやおや、もうハッピーエンドかい?

幼馴染はアドバンテージ高くていけないな。

リア充爆発しろ、へっ。

とか思ったその時、吉子が爆弾を投げてきます。


「もし結婚したら、私の宮仕えを許して頂きたいの!」


実は、御所に参内して、美を競い才を競って、

自分を高めるのが夢という吉子。


そういえば昔から「天皇になりたい!えらくなりたい!」

などと言っていたと宗貞は思い出しますが、

しかし、今はもう吉子は子供ではない。

もし参内などしたら御所の複雑な人間関係のなかで

何が起こるかしれない。

類稀な美貌を持つ吉子のこと。

帝の目に留まるということもありうる。

そうなったら自分の祖母と同じように、帝の子を

生みながらも身分の低さで周囲には蔑まれるという

生き方をしなければならないかもしれない。


そう思った宗貞は、何とか吉子の夢を諦めさせようと

毎夜、説得を続けます。


ていうか。

百夜通いの趣旨が変わってきてない?

何のために通ってんのさ、宗貞は。


と、私が疑問に思ううちにも、

せっせと吉子の元に通う宗貞。

毎回毎回、「宮仕えなんてやめなさい」という話をし、

その度ごとに険悪になる二人の関係。

おかしい。

恋の成就のために通ってるはずなのに、

どんどん雰囲気が悪く・・・。


つーか、

「紅葉、いる?」

「宮仕えを許してくれるなら」

「じゃああげない」

とか、なんて雅じゃない二人・・・。


どんどん溝が出来つつ、しかし日数だけは過ぎ、

今日が百夜目という日。

計ったような豪雨で、川は雑炊。じゃない増水。

荒れ狂う川に宗貞の乗った牛車が落ち、

お兄様、死亡。


ああ、なんと人間の儚きこと。


と思ったら、お兄様、生きてたわ。

良かった、良かった。

吉子は自分にとって宗貞がどんなに大事かも

よく分かったみたいだし、これで心置きなく

ハッピーエンドに・・・


と思ったら、破局。

おう・・・。


宗貞を好きだと思いつつも夢を諦めきれない

吉子の気持ち。

吉子を危険から遠ざけて守りたいと思いつつ

彼女の意思を尊重しようと決めた宗貞の無念。

両方ともよく分かって、想い合っているのに

結ばれない悲恋が胸に迫りました。


切ないね・・・。




で。

その後、夢の宮中に羽ばたいた吉子ですが。

彼女は後に「小野小町」と呼ばれたそうです。

そうなのか!

で、宗貞の方は後々出家して「僧正遍昭」に。

この小野小町と僧正遍昭の恋物語。

今少し調べてみたら有名なようで、

アニメとは内容が違っていますが、

百夜通いのようなこともした等と

色々と逸話が残っているようです。

そうだったのか・・・。


なんか私、ずっと僧正遍昭の

「天津風 雲の通ひ路 吹き閉ぢよ

をとめの姿 しばしとどめむ」

の歌、

こんの、エロ坊主がっ!!

とか思ってたよ・・・。

ごめん。

なんか・・・ごめん。

いや、多分この歌はアニメとは違うシチュエーションで、

違う意図で読まれた解釈が一般的なのかな~とは

想いますが、しかし、ごめん。

僧だって人間だもの・・・ね!