最近読んだ漫画の感想です。



※ネタバレします。


◎「こんぺいとうダーリン♪」

こんぺいとうダーリン (花とゆめCOMICS)/森生 まさみ
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全一巻。


「くり」と「ダーリン」の甘々ラブラブバカップルぶりを

これでもかと表現した表題作「こんぺいとうダーリン♪」の

短編が二作。

目を合わせた相手に暗示をかけられる少年が、

逆に一人の少女に暗示をかけられてしまったと焦る

「人差し指姫」。

そして、「ソウルメイト」という前世からの運命の彼と

近くに生まれ、しかし微妙な距離を作ってしまった

少女の「星の梯子」。

これら四作が収められた短編集です。




もうね。

好きにしろ!って感じのね。

道で見かけたらそっと目をそらす感じのね。

ていうか、大爆発しろ!って感じのね。


そんなあまあまらぶらぶあほあほばかばかっぷるの話です。

「こんぺいとうダーリン♪」。


天真爛漫で可愛くてちょっとアホの子の「くり」ちゃんと、

有名高校目指して勉強中のクールで寡黙で優等生な

「ダーリン」の初々しい・・・またはあほあほしい恋物語です。


いや、でも大人から見れば「あほか!」というような

恋模様でも、くりちゃん達のような若さと幼さと素直さが

あれば、微笑ましく可愛らしいです。


「彼に我儘な女だって思われたくない!」と思って

楽しみにしているクリスマスの予定を聞かれ、

思わず「気にしなくていいよ!」と答えて後悔したり。

転んで額に怪我をしてしまって「彼に不細工な顔を

見せたくない!」と思ってデートを断り続けてしまったり。


言わなくても付き合ってるから分かるだろうと思って

一度も「好き」と言葉で言わなかったり。

連絡がないから浮気か!?と模試会場から飛び出して

しまったり。


ちょっとした見栄とすれ違い。

愛情とエゴ。

その心情自体は、少女だった時代がある誰もが

共感出来るものではないでしょうか。


とても可愛らしく微笑ましく読めました。

あと、「もう勝手にしろ!」とも少し思いました(笑)



「人差し指姫」は、これはオチというか流れ?が最初から

読めていますが、それはそれでニヤニヤしました。

クールぶった少年の、内心の動揺。

一人相撲。

その多少みっともない姿にニヤニヤ出来る一作です。

森生先生のご趣味が盛り込まれているのだと思われます。



「星の梯子」。

この作品は賛否両論だったそうですが、

少女の割り切れなくて切ない心情と悟りが描かれていて、

私には面白い一作でした。


「運命の彼」と現世であって、

でも彼の告白を断ってしまって、

今、彼には他に愛する人がいる。

自分の気持ちを伝えたいけれど伝えられない。

どうしたらいいのか。


そんな少女の苦しい心情と、のちの変化。


想いの形はそれぞれで、生き方もそれぞれ。

ただしっかりと恥じないように生きていきたい。

そういう一つの人生の輝きを見たような気がしました。


すっきりとは終わりませんが、何故か心に爽やかに残る。

そういう作品だと思いました。