※少しネタバレになるかもしれません
◎「葉桜の季節に君を想うということ」
- 葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)/歌野 晶午
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ある時は映画のエキストラ。
ある時はパソコン教室の講師。
ある時はガードマン。
幾つもの仕事を掛け持ちする、
自称「何でもやってやろう屋」成瀬将虎。
過去には探偵事務所に勤めていたこともある彼に、
ある日一つの依頼が持ち込まれた。
それは身内の轢き逃げ犯と思しき会社を、
極秘に捜査して欲しいというもの。
依頼者が疑っているのは悪徳商法会社「蓬莱倶楽部」。
怪しい水やら布団やらを高額で売りさばくその会社を、
成瀬は少しずつ調べ始める・・・のだが。
物語の本筋は、「蓬莱倶楽部」が保険金殺人を犯したか
どうか、その真相の追究の模様です。
ですが、途中に幾つもの事件やエピソードが挟まります。
将虎が過去に探偵事務所の仕事でヤクザに入門(?)
した話やら、飲み友達の生き別れの娘を探した話やら、
一見、何の関係もないような話が唐突に本筋に
割って入ります。
それともう一つ。
蓬莱倶楽部の捜査を進める話と並行して、
何故か将虎の運命の出会い、そして交際、
しかしヒロインヤンデレくさい・・・のラブストーリーが
紡がれます。
本筋以外に幾つも語られる謎の物語。
でもね。
それが最後にね。
というのが、この作品です。
オチは・・・驚いたような・・・そうでもないような。
引っ掛かった部分もそうでない部分もあり、
確かに驚いた部分もあるんですけど・・・・。
何故だろう、何かスカッとしない・・・。
うーん・・・。
ちょっと強引・・・だったような気がします。
あとは・・・やっぱりあれかな。
主人公とヒロインの性格が結構自己中心的だからかな。
まあ人間って自分勝手なものですけどね。
ですけど、何か主人公とかヒロインがやるとイライラする
っていう、このね、私が自己中心的なんですけど。
いやしかしだって可愛くないし好意を抱けない・・・。
あと浮気、ダメ、ゼッタイよ!
そんな感じで。
幾つもの事柄がちゃんと繋がって、
驚きの真相もちゃんと明かされるのに、
何だか不思議にモヤモヤ感の残る一冊でした。