「persona4 the ANIMATION」第十二話の感想です。
※ネタバレします。
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☆第十二話
「It’s Not Empty At All」
の感想です。
連続殺人事件の犯人と思われる久保美津雄を
追って、テレビの世界へ入った鳴上達。
無事に久保を捕まえ、事件は解決する・・・が。
というような出だしで始まった今回。
鳴上君のことが今までより少しだけ分かったような
気がしました。
事件が解決した・・・かに思われた幻覚。
そのなかで、皆とすれ違い一人になった鳴上君は、
ペルソナが出せませんでした。
それどころかシャドウに脅え、やられそうになって
いました。
友達や仲間。
それがなければ鳴上君は力を発揮出来ない。
今まで「絆」「絆」と繰り返し強調されてきたのは、
鳴上君の力はそれが根本で必須だからなのでしょう。
仲間といると他の人よりも圧倒的に強い力を出せる
けれど、逆に一人になれば何も出来ない。
だから、鳴上君は事件が解決して皆と離れることを
極度に恐れ、誰よりも不安に思っていた。
でも、今回、その幻覚から花村が救い上げ、
また「友人関係が続くのが当然」と皆が思っている
ことを知って、心から信頼関係を築けたのでは
ないでしょうか。
今回、鳴上君は本当の意味で皆と友人になれたの
かもしれません。
・・・良い話だ!
とても良い話だ!
泣ける。
でもね。
今回はね。
私は美津雄さん視点で観ることをお勧めしたいのです。
鳴上君に見せた幻覚。
あれはきっと、美津雄さんにとっては現実。
逃げられない現実。
すれ違って、一人になって、空っぽで、孤独。
暗い部屋で一人黙々と仮想世界に浸る毎日。
誰とも話さないし、誰からも注目されないし、
世界にいてもいなくても同じ。
毎日一人。いつも一人。きっと未来も一人。
最早「殺人事件の犯人だ」ということでしか
世間と繋がれない。
そして反社会的に世間と繋がろうとしたら、
唐突に謎の世界へ拉致され、見たくない
自分の姿を突きつけられる。
困惑して拒絶していたら、何故か助けられた。
「友達いっぱい、仲間最高!」の青春謳歌真っ最中の
人達に、「親友って最高だぜ!!」というような
雰囲気をビシバシ出されつつ、適当に助けられた!
嫌がらせか!
そのうえ、
助けられても美津雄は仲間にはなれなかった!
今まで何度も、シャドウを倒し、ペルソナを手に入れ、
その度に仲間が増えるという展開を繰り返してきた
鳴上達。
でも。
美津雄だけはそうならなかった。
ペルソナも手に入らず、仲間なんてなれるはずもなく、
「お前が殺人事件の犯人なんでしょ?
やった!仲間の絆で犯人逮捕だぜ!!」
と、友達同士の遊びの種にされただけの美津雄。
そして最後は警察へ。
一方、その頃、鳴上達は美津雄逮捕の目標を達成し、
「打ち上げ」と称して盛り上がり、親友同士の心の
繋がりを温かく感じていた・・・。
・・・悲しい話だ。
とても悲しい話だ。
泣ける・・・。
「人間とは格差に満ちた存在なのだ」。
そんな残酷さをひしひしと感じた、今回の話でした。