「金色のコルダ」17巻の感想です。

最終巻です。




※ネタバレします。要注意。



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月森の留学後。

その後の、それぞれの様子や悩み、

香穂子との交流を描いた最終巻でした。




最終巻は、土浦、加地、柚木、月森、

主要男性メンバーに、ほぼ順番にスポットが当たり、

悩み(主に音楽の)や香穂子との関係が描かれていました。

火原と志水は・・・えーっと・・・どんまい。


まずは土浦。

ひどいかませ犬扱いだなあ・・・と思って、こちらが

涙を抑えきれなかった彼ですが、ここにきて物凄い

追い上げを見せました。

ピアノを続ける進路を選ぶのか、他の進路を選ぶのか、

未だに選択の出来ない土浦。

ピアノを続けた先にある未来。

ビアノを続ける理由。

どちらも見えないと悩んでいたところ、

香穂子の言葉に触発され、ついに動きます。


「俺の(ピアノを続ける)理由はお前だな」

「俺は・・・お前が好きだよ 日野」


言った・・・!!

ついに言った・・・!!


そして動揺し、意識してしまう香穂子。

土浦に対して挙動不審になります。

おおお!やったね、土浦!

やれば出来る子、土浦!

そうだよ。今度は振り回してやればいいよ。

と、思ったら、香穂子の一言


「昨日は・・・その 思ってもみなかったことで

ただ・・・びっくりしちゃったけど うれしかったから・・・」


思ってもみなかったことで。

思ってもみなかったことで。

思っても、みなかった、ことで。

土浦・・・(涙)


いや、でも土浦は全てを分かっていて、

自分の気持ちにけじめをつけたかっただけのようなので、

その意味では目的を達成したと思います。

頑張ったよ、土浦。

最後まで優しかったよ、土浦。

お前はいい男だよ、土浦。


そんな土浦と同様に、恐らく全て分かっていて

自分の気持ちを言わない柚木。

彼も進路のことで問題を抱えていました。

というより、家族の問題ですね。

音楽を続けたい柚木と、それを許さない祖母。

柚木が音楽を続ける道を選んだため、

祖母とは絶縁状態になっていると聞いた香穂子は、

余計なことを柚木に言って、怒らせてしまいます。

でも、その報復の仕方と許容と仕方が、

とても柚木先輩らしく、お変わりなくて何よりでした。

流石だ(笑)


そして柚木の友達、火原。

少ししか出ていませんが、一応彼も頑張っていました。

途中で高等部は卒業しますが、その前には受験生として

一生懸命でした。

彼もずっと前から香穂子のことを好きですが、

無意識に色々分かっていて行動を起こすことはなく、

この最終巻でも特に何も言いませんでした。

が、喜んでいました。

香穂子に「後輩になれるようがんばりますから」と言われ、

ご機嫌でした。


「まだまだ一緒なんだ・・・」

「やったあ♪」


・・・何だか辛い気持ちになりました。

きっとそのうちいいことあるよ、火原。


それから同じく香穂子大好き人間の加地。

お前はいい加減にしろ。

いつか彼が逮捕なんてことにならないことを祈ります。

まあ、馬鹿可愛くていいけどね(笑)


志水君は・・・相変わらず音楽に生きていました。


で。

最後に。

月森が日本に一時帰還。


留学先でもその実力を発揮し、

日本でもコンサートにゲスト出演するほどの月森。

月森と自分の差がまた開いたことや

自分のヴァイオリンの腕の不甲斐なさに、

色々とショックを受けた香穂子は、

つい月森に愚痴を言ってしまって失望されます。


月森「君には・・・がっかりだ」


香穂子(よかったのかもしれない これで・・・)


月森「俺が・・・馬鹿だったというわけか」


香穂子(この間から・・・怒らせて・・・ばかりだね

     月森くんのこと)


痴話喧嘩のようですが、全てヴァイオリンの話です。

音楽に対する姿勢の話です。

こいつら・・・。

告白すらしていないのに恋人同士の喧嘩を・・・!?


何だか訳の分からない二人ですが、

初めての本格的な喧嘩をし、

そして、最後はやっぱり音楽で理解し合います。

常に音楽と共にあり、

ヴァイオリンと共にあり、

その音色で気持ちを伝える二人。

音楽を愛する良い二人だと思います。


そして、ついにフィナーレ。


月森が告白を・・・!!


今かよ!!

遅いよ!!

順序がおかしいよ!!


・・・そんな最終巻でした(笑)




原作が乙女ゲームのこの作品。

当然、逆ハーレム(というのか?)状態で

恋愛関係の話が多いのですが、

それでもいつでもキャラクター達が

音楽に真っ直ぐでひたむきで、

その音楽への姿勢にとても好感が持てました。

恋愛だけではない、音楽への確かな比重が、

とても良かったと思います。