「花咲くいろは」第一話~第三話の感想です。
※ネタバレします。要注意。
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☆第一話「十六歳、春、まだつぼみ」の感想です。
松前緒花、十六歳。
フリーライターで性格は奔放な母・皐月に振り回されつつも、
日々を普通に生活していた。
ドラマチックな人生を夢想しつつも現実的に生きたいと口にする、
そんな普通の女子高生。
だがある日、唐突に緒花の日常はドラマチックへと変化する。
母親が恋人と夜逃げすると言い出したのだ。
緒花は一人、話も碌に聞いたことのない祖母の元へ預けられる
こととなった。
温泉旅館・喜翠荘。
祖母が女将を務めるこの旅館で、緒花は「孫」ではなく
「従業員」として受け入れられることになったのだが・・・。
というような出だしの一話でした。
P.A.WORKSのオリジナルアニメということですが、
少女漫画・・・というか、女性向け漫画のような雰囲気の
作品でした。
少女が一人、
現実の厳しさに打ちのめされたり、
新しい環境で違う価値観を知ったり、
そして周囲との心の繋がりを得たりして、
人間として成長していく。
そんな力強い成長物語だと思われます。
・・・多分。予想は。
第一話は、緒花が「温泉旅館の従業員として生活する」ことの
現実を実感する話でした。
期待していたドラマチックな日常は、
結構痛くて苦しくて、黴臭かった。
そんな感じで。
あー、こっちも痛いよう。
こういう話を観ると、ちょっと辛くなります。
私はどこへ出しても恥ずかしい甘ちゃん人間なので・・・。
いや、でも緒花は、今はヘマばかりして見当違いの行動を
とってしまってはいても、いつかは大きく成長すると思います。
だって歯を食いしばって頑張っているもの。
頑張れー、緒花。
フレーフレー、緒花。
私は影から応援している。
・・・応援するだけ、な!
二次元のメッセージを三次元に生かそうとは、思わない!!
ごめん。
駄目人間でごめん。
それにしても。
出てくる人間、出てくる人間、激しい性格が多いですね。
「夜逃げしちゃうよー」と母が唐突に言い出せば、
母に半ば捨てられた状態なのに
「ドラマチックな日常にドキドキ」と期待を膨らませる娘がいて、
その娘が唐突に旅館の庭の草を引っこ抜き始めれば、
初対面の従業員が「死ね!!」と罵ってくる。
かと思えば、二階の窓からバケツと雑巾を放り投げてくる
祖母が・・・。
いやー、激しい人達だ。
行動だけ見ると、ある種ギャグのようだ(笑)
いやいや、物語の内容はシリアスです。
これから緒花が成長していくと思うので、
その成長の様を見守って・・・見守って・・・
見守るだけ・・・・・・まあそんな感じです。
☆第二話「復讐するは、まかないにあり」の感想です。
母の教えは信じるな!
そんな第二話でした。
旅館生活に躓きっぱなしではいられない。
何とか挽回してやる。
そう前向きに逞しくしなやかに向かっていく緒花の姿が、
心にズキズキきました。
正直、精神にダメージを追いました。
・・・駄目だ。
駄目人間の私にはこのアニメはキツい。
前向きにタフに頑張る人間の美しさ、
生きる力の強さを描かれると、
私の弱さを攻撃されているようでダメージを負う。
「お前はそんなだからちゃんと生きていけないんだ」
と責められているようで辛い。
そして、アニメごときで挫ける自分の弱さに
また自己嫌悪で負のスパイラル・・・。
どんどん後ろ向きになっていくよ・・・。
おかしい。前向きになる作品なはずなのに・・・。
まあ、そんなことはどうでもいい。
んー、いや、でも良い作品だと思います。
何があってもへこたれないで進んでいこうとする
緒花は美しいと思います。
逞しくしなやかな精神の有り様は眩しいです。
そしてこの二話では、今まで言われっぱなしやられっぱなしの
多かった緒花が、積極的に行動に出て、他の従業員の欠点も
見えてきました。
緒花の教育を任されたものの、はっきりと指示できず、
結局ミスを誘発させてしまう先輩仲居の菜子。
「死ね!」という言葉を大した意識もなく遣う民子。
そういった欠点を「一緒にやめよう!」と、
自分の欠点であるKYを発動させながら言う緒花。
これから少しずつ三人の関係も性格も変わっていきそうな予感。
今はヘマが多くても、明るい未来が垣間見える展開で、
素晴らしく・・・ダメージを・・・いや、その・・・
人間の生きる力って美しいよね!・・・はは・・・ははは。
☆第三話「ホビロン」の感想です。
ああ。
今回はダメージが少なくて済んだ。
だって、
官能アニメだったもんね!
ちょっとね。
だいぶ・・・?
今回は、前回にも出てきて「仲居に原稿捨てられたー!」と
明らかに嘘を吐いていた小説家・次郎丸さんの駄目駄目物語
でした。
実は売れっ子ではないし、
長逗留の金は払えないし、
バレたら旅館のトラックを盗んで走りだすし、
自殺に失敗するし、
何をやっても駄目駄目な次郎丸さん。
しかし、一番駄目なのはアレだろう。
きっとソレだろう。
年端もいかぬ仲居を監禁して亀甲縛りを試したうえに、
目につく人物全て亀甲縛りにしようとし、
挙句の果てには73歳(推定)の電六さんまで亀甲に縛ろうと・・・!
変態だ・・・!!
そして頬を赤らめるんじゃない、電六(推定73・男)!
いやー・・・。
なんで・・・。
三話にしてこの方向性?
小説妄想シーンとかどうしたらいいのか分かりませんでしたよ。
何だよ。
何で少女の成長物語で官能小説読書会なんだよ。
しかも、自分がモデルにされて、あんなことやこんなことを
描かれてるのに「才能ありますよ!」と褒める主人公・・・。
変態か!!
おお・・・。
この空気。
三話だけ明らかに場違いな空気。
これこそが次郎丸の才能か・・・!?
恐ろしい子・・・!
それはともかく。
緒花、菜子、民子の距離が確実に縮まってきたようで
何だか微笑ましい気持ちになりました。