書いたまま放置してた・・・。


※ネタバレします。要注意。



◎「GUNSLINGER GIRL 12」

GUNSLINGER GIRL 12 (電撃コミックス)/相田 裕
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11巻から引き続いて、クローチェ兄弟の過去話。

そして、現在のサン・マルコ広場での鐘楼占拠事件。

その続き。

この二つが主な内容でした。


ジャンとジョゼの過去の話は、「クローチェ事件」

についてのものでした。

この兄弟の復讐の動機でもあり、

イタリア南北間の争いの象徴的事件でもある

クローチェ事件。

その詳細です。


検事正の父。

企業内弁護士の母。

父に反抗して軍警察に入った長男。

同じく軍警察に入った次男。

まだ中学生の長女。


このクローチェ一家が、日常的な家族間の問題と、

国内の争いにも関わる非日常的問題を抱え、

各々が振り回されつつ、やがて悲劇が起こる様が

印象的でした。


中でも。


ひたすら我が道だけを突き進むジャンと

その影で苦悩しつつ生きるジョゼの姿が印象的でした。


仕事で忙しく、ほとんど家に帰って来ない父親に

反抗し、軍人の道を選んだジャン。

仕事で家を空けがちな両親に代わって、

小さい妹の面倒を見るジョゼを置いて家を出ます。


ジョゼ「僕だって学校があるんだ」

    「兄さんも手伝えよ」


ジャン「士官学校は寮制だ」

    (弟は自分よりお人好しだと見越した上で

     俺は妹を押しつけた)

酷い兄貴だ。


そして軍警察に入った後、ジャンは可愛い女の子に

一目惚れされ、ラブラブアタックを受けて、まんまと

恋人をゲットします。

隊内恋愛問題もなんのその。

恋人が隊を抜けて民間人になってくれたことで

万事解決、夢と婚約者を手に入れ、ハッピーです。


一方、その頃のジョゼは、軍警察の厳しい

スケジュールの僅かの隙間を縫って、

一人留守番する妹の様子を見に行ったりしていました。


その後、ジャンは婚約者を両親に紹介。

両親にも認められ、妹と婚約者が多少もめたものの、

そのうちに丸く収まり、晴れて家族公認の中となりました。


一方、その頃のジョゼは、戦場に行くことでやっと

手にすることの出来た自由を、政治の駆け引きに

よって失っていました。


自宅で婚約者とイチャイチャするジャン。


一方、「夢は絶たれた・・・兄さんに譲る・・・」と

酔い潰れるまで飲んで荒れるジョゼ。


そして事件が起こり、兄弟は他の家族と

ジャンの婚約者を同時に失います。


ジャン「ソフィア!!」

    「ソフィアアアア」


ひたすら婚約者の死を悲しむジャン。


ジョゼ(ついこの間まで家族の存在がうとましかった)

    (父や妹がいなければ自由でいられると願った・・・)

    (僕は・・・なんてことを・・・)


家族の死を悲しみ、とりわけ一人にしがちだった妹に

罪悪感を感じるジョゼ。


そして二人は社会福祉公社に入ります。

ジャンは婚約者の復讐のため。

ジョゼは両親と妹の復讐のため。


・・・うん。

あのさ。

婚約者が死んで悲しむのは当然だと思うよ?

思うけどさ。

あのさ。


生前から妹の面倒を弟に押しつけて、

死後も妹への罪悪感を弟に押しつけて、

自分の愛のためだけの復讐に弟を巻き込むのは

どうなのさ!

どうなのさ、兄貴!!


ジョゼ、この兄貴一発殴っとけよ!!


お前が義体に妹の服着せて可愛がる

とんでも変態になったの、この兄貴の

せいだぞ!!


などと、とてもジョゼに同情しました。



しかも12巻の最後ではヘンリエッタ、寿命が近いとか

言われてるし・・・。

やだー。

ヘンリエッタ死んじゃやだー。